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カテゴリ:お局真紀子の素敵な毎日☆家族編
以前にも書いたことがあるかもしれませんが、
クリスマスの感動的な話として、 どうしても外せないエピソードがあります。 りんご4歳のクリスマス。 サンタさんに、欲しいプレゼントを お願いした。 お父さんやおじいちゃんからもらえるものとは違い、 一番欲しいものをサンタさんに頼んだのだ。 それは、ずいぶん前に近くの耳鼻科のお待合室で お父さんに読んでもらった絵本。 題名はわからない。 でも、りんご曰く、サンタさんならわかってくれるはずだ、 だから、お父さんに頼むのじゃなくサンタさんにお願いするのだ、と 言うのだ。 うーん、その判断は正しい。 しかし、世界中の子どもがプレゼントをお願いするから、 せめて本の題名だけでもわからないと、 サンタさんはこまるんじゃない?と言うと、 そのことは納得したりんご。 一緒に耳鼻科に行き、受付の人に事情を話して 探させてもらった。 しかし、探しても探しても見つからない。 りんごに確かめるが、病院は間違いなくここだ、と言う。 受付の人に聞くと、 最近、数冊を入れ替えた、という。 その中の一冊だったらしい。 内容は間違いなく覚えているので、 絵本に詳しい人に聞くことにした。 かなりの人数に聞いてみたが、 誰も知らない。 絵本を取り扱っている本屋さんにも 尋ねたが、首を横に振るばかり。 図書館でリファレンスをかけたが、 やはり誰も知らない。 絵本の出版社数社に電話して聞いてみた。 「すみません。絵本で、 満月の夜にタコさんが黄色いセーターを着て 煮豆を持って散歩する、というお話、しりませんか?」 何社か問い合わせたが、誰も知らない。 というより、タコがセーター着て煮豆を持って 散歩する、という設定に驚いているようなのだ。 クリスマスイブはもう目の前だ。 私は諦めかけた。 しかし、ふと、絵本最大手のこどものとも社に問い合わせていないことに 気付いた。期待しないで電話をした。すると、説明の途中で、 「それは、高久明実先生の『まんげつのよるに』です。」 と教えてくれた。ただ、残念なことに、既に絶版で、 もう購入も出来ない、ということだった。 それでも、正確な書名と出版社がわかったので 急いで中央図書館に行って探してもらった。 閉架に保管されていたその本は、 図書館検索にも出てこないままに、 ひっそりと待っていてくれた。 嬉しかった。 表紙は確かに私も見覚えのある、りんごの 好きだった絵本だ。もう、間違いない。 サンタさんにどんな本か伝えられる。 クリスマスイブの夜、りんごは完全に信じ切って 早々と寝た。 よくあさ、クリスマスツリーの下に置いてある本を見て、りんごは大喜びした。 「この本。これが欲しかったの。」 そこには、お手紙が付いていた。 それはサンタさんからで、 「りんごちゃん、いつも良い子ですね。 サンタさんはがんばってさがしました。 でも、この本は、新しいのがもう手に入りません。 仕方がないので図書館で借りました。 みんなのものだから、読んだら図書館に かえしてくださいね。」 自分のものにはならないことに、少しがっかりしたけれど、 いつでも図書館で読めるとわかってうれしそうだった。 午後、郵便が届いた 入っていたのは、真新しい、『まんげつのよるに』。 心優しいサンタさんが、世界中を探して 届けてくれたのだ。 図書館の本はその夜、返しに行った。 そのりんごも今では18歳。 クリスマスになると、あの時の 奇跡を思い出しては、本物のサンタさんに 感謝している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年12月25日 08時48分42秒
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