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カテゴリ:お局真紀子の素敵な毎日☆OL編
昨夜、自宅で寛いでいると、電話が鳴った。
「あ、もしもし、おばさん?おれだけど・・・」 聞きなれない男の声がした。 声の記憶をたどっても、心当たりがない。 そもそも、私のことを「おばさん」と呼ぶ人はいない。 姪っ子たちは私のことは「おばちゃん」と呼ぶ。 近所の子どもたちは私のことを「ミズ・ムナカタ」と呼ぶ。 ごくたまに、そう呼ばない子もいるが、その子たちは やはり「おばちゃん」だ。 これは、新手の詐欺だ。 ここは、相手を刺激しないように、話を合わせていこう。 私:あ、はいはい。どうしたの? 相手:いや、元気かな?と思って。 私:あ、うん、元気だよ。久しぶり。そっちは? 相手:元気だけど、仕事やめて、暇してる。 <きたきたきたぁ~~~!> 私:え、どうしたの?何があったの? 相手:あんな会社、もうやってらんないよ。 私:そうなんだぁ。大変だね。 相手:それにさぁ、おやじが寝たきりになって。 <やっぱり、お金を出させようとしている。用心用心> 私:大変じゃん。これからどうすんのよ? 相手:おふくろがおやじの介護施設に泊まりっきりで おれも月に2回は会いに言ってる。 私:そうなんだ・・・。大変だね。 相手:おれも、しばらくこっちにいてから、 帰るっきゃないな、とは思ってるんだよね。 私:そうだね。失業保険とか、もらえるもんね。 で、今、一日何してんの? 相手:家で本読んでる。 <そんなやつに同情してお金なんか、出すもんか!> 相手:一日、本読んで、だれとも話さない日があるんだよね。 <え・・・?適当な電話番号をプッシュした、暇つぶしの電話?> 私:そっかぁ・・・。さびしいね。 相手:いんや、別に。おばさん、おばさんは、どうなの? <こっちの情報を引き出す気か?> 私:まぁ、ぼちぼちやってるよ。 相手:旦那はどうよ?仕事、順調? <あ、結婚してるのは知ってるのか?それともこちらの情報を聞き出す手か?> 私:まぁ、普通に元気にやってるよ。 相手:そっかぁ・・・。 あ、そうそう、おれになんか用があったんじゃないの? <え・・・?相手の次の一手が見えない。ここはちょっと危ないが> 私:あ、うん。携帯電話の番号、教えてほしいな、って思って。 相手:そんなもん、持ってないよ。 <いや、これは絶対危ない。> 私:じゃぁ、メールは?メアド教えてよ。 相手:え~と・・・グーグルなら持ってるよ。 私:教えて。メモるから。 相手:XXXXXX@XXX.XXX <素直に教えたな。でも、こちらのを聞こうとしないのは、なぜだ?> 私:じゃぁ、今からメール、送るね。 電話、切らないでね。 そういって、急いでメールを打った。 私のメアドは、いわゆる、「捨てメール」 何かあっても、ほとんど影響のないメアド。 件名は、入れない。本文は一言、「Hello」 私:送ったよ。 相手:・・・あぁ、来た来た。 電話の向こうで、パソコンを見ている気配がある。 教えたメアドは本物だったようだ。しかし、 相手の真意はまだ、つかめない。 ちょっと、相手に探りを入れることにした。 私:みんなはどう?元気? 相手:うん・・・まぁ、いろいろ変わったけどね。 <これじゃぁ、わからんじゃないかぁ!!> そういっている間に、相手から返信が来た。 件名、なし。本文 「ahoaho おばさん」 なんじゃ?この文章は・・・ こんな、小学生が人をからかっておもしろがるような文章。 しかし、私の記憶をキックするものがあった。 こんな文章を書く可能性のある人は一人だけだ。 昔、プログラマーをしていたときの同僚。 そういえば、皮肉っぽいものの言い方など、 あいつそのままだ。 あぁ、そういえば、会社をやめる、と聞いて 別の同僚に電話番号を教えて、と頼んだっけ。 うおぉぉぉ!わかったぞ! 私:こんぞーさん(やつの若い頃のあだ名)、会社やめるって聞いたから 体でも壊したか、と思って心配してたんだよ。 相手:知るか!(そうそう、この口調、昔と変わんない) 私:でも、元気そうで安心した。 じゃぁね。 相手:おぅ! 気づいたら、30分以上しゃべっていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年02月02日 05時26分56秒
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