ほんだらかんだらと仲間たち

もうすぐ、りんごが高校を卒業する。

色々なことを思い出していた。

ふと、りんごとポコチャンの登校風景が思い出された。

りんごが高３のとき、同じ高校に入った二つ下のポコチャン。

最初のころは、自転車をこぐのが遅くて、りんごの
こぐスピードに、必死について行こうとしていたポコチャン。

そのうち、ポコチャンが先に出発するようになり、
それでも途中でりんごはポコチャンに追いついていたらしい。

新しい道を開拓するのが好きなポコチャンは、
それまで２年間通っていたりんごの通学路よりも
もっと早く着く裏道をあっというまに見つけ、
それをりんごに教えた。

りんごは、１月に入って、授業が選択制になったので
（受験科目による）、登校が少し遅くてもよくなった。
もう、二人一緒に自転車を並べて走る日はないんだな、
とさびしくなった。

中学のころ。
りんご中３、ポコチャン中１。
入学式の翌日から、二人一緒に登校した。

身長差は５ｃｍ以上あり、見送る遠目にも、
どちらがりんごでどちらがポコチャンか、
はっきりわかった。

それが、夏休みを明けて再び登校し始めた時、
身長差がほとんどないことに気づいた。
そして、いつの間にか、ポコチャンの方が
少し背が高くなっていた。

小学校は登校班による集団登校で、学年順に並んでの
登校だった。
赤いランドセルのりんご、水色ランドセルのポコチャン、
ダークグレーのワッチ。
一列に並んで歩く姿は、とてもかわいらしかった。

幼稚園のバス停まで、りんごとポコチャンはさっさと
歩いて行っていた。まだ赤ちゃんだったワッチを
背中におぶった私は、二人の後ろを少し離れて
ついて行った。

手をつないで、いろいろなことを話しながら
前を行く二人が頼もしかった。
りんごが卒園し、１年たってワッチが入園した。
同じように二人、手をつないでバス停まで行った。

時には二人だけでバス停まで行った。
そんなとき、家の窓から、手をつないて歩く二人に
手を振ってあげるのが楽しみだった。

そんな、こんな、をいろいろ思い出したので、
りんごに、

「あなたたち姉弟は、仲がいいね。
　見ていてほほえましかったよ。」

と言った。
すると、りんごは当たり前のように、
不思議そうな顔をして言った。

「そう育てたのは、お母さんだよ。」

一瞬にして、目の前の風景がぼやけかすみ、
その勢いでコンタクトレンズが落ちてしまった。



　　・・・私は、あなたをそんな風に育てた覚えはないよ。


これは、子どもをしかるときに言われる言葉かもしれない。
が、私に限って言うと、感謝の言葉だ。


よくぞ、こんな風に育ってくれた。
私の大切な子どもたち。


あなたたちに幸いあれ！