ほんだらかんだらと仲間たち

夕食後にりんごが言った。

「糸電話って、本当におしゃべりできるのかな？」

りんご・ポコチャン・ワッチで、ああでもない、こうでもない、と
話し始めた。

「じゃぁ、紙コップで作ればいいじゃん」

横で聞いていた私が言うと、三人は大はしゃぎで紙コップを出してきた。

私の裁縫箱から白糸を取り出し、片方の紙コップの底に貼り付けた。

「まっすぐ伸ばさないと聞こえないよ。」

ワッチがとなりの部屋まで引っ張って行く。

ピンと張ると、糸を糸巻きからほぐす音が紙コップから聞こえてきた。

「あ、聞こえる。すごい！」

大喜びのワッチ。

ちょうど、糸が終わったので、もう片方に張り付けた。

こちら側を持つポコチャンが、紙コップの中でささやく。

向こうでワッチが

「こんばんは、って聞こえた！」

と大騒ぎ。今度はりんごとポコチャン。
次いで、りんごとワッチ。

ひとしきり遊んだあと、糸をはずして、また、糸巻きに巻きつける。

「小さいとき、こうやって遊んだ時には、糸が短すぎて
コップに話す声が聞こえたんだよ。」

と思い出したのは、ポコチャン。

そう。末っ子ワッチが幼稚園の年少さんのころ、一度
こうやってここで遊んだんだよ。

あのときは、ささやき声ができなくて普通の声でしゃべったから、
横から丸聞こえだったんだよ。

あの頃も、今も仲良しだね。

りんご　１８歳。先日高校を卒業した。しっかり者のお母さん（！？）
ポコチャン　１６歳。１６７ｃｍ体重４８ｋｇ。目指せ、１７０ｃｍ。
ワッチ　１４歳。椅子に座ると私よりもずっと小さいが、立ち上がるとりんごよりも背が高い。