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カテゴリ:お局真紀子の素敵な毎日☆家族編
この時期、郡山のデパートは制服注文でにぎわっている。
現在、大学2年のりんごも、小6のこの時期、 中学の制服注文に行った。 りんごは長女ながら洋服はお下がりのものが多かった。 いとこのお下がり、近所の人や私の友人からのお下がり。 お下がりには良いものが多いので、とてもうれしかった。 子どもに人気のブランドやキャラクターのトレーナーなど 一杯いただいた。 新しい洋服を買うのは、お誕生日とクリスマスのときに おばあちゃんからのプレゼントとして一緒に買いにいくとき だけ。 だから、中学の制服を買う、というのは、りんごにとっては ある種の祝祭的意味を持っていた。 しかも、普段は全く買い物をしない、デパートで、だ。 りんごは、試着に行く、という日、いつもより少しおしゃれを して、うきうきしながら出かけた。 他の誰のでもない、自分のためだけの洋服を、ここで 買ってもらえる、と思って緊張していた。 エレベータを降りて、制服売り場に行った。 案の定、混雑していた。 まず、受付でどの中学かを担当の人に伝えるための 長い列の最後尾に並ぶ。 少しずつ一歩ずつ、その受付の人に近づくたびに りんごは私に向かってにっこりと笑う。 受付は男性の店員一人が応対していた。 高校の合格発表も出たあとなので、中学、高校の 制服採寸に時間がかかるからなのだろう、ほかの 店員さんは全部、奥の試着室で忙しそうにしている のがうかがえた。 いよいよ、りんごの番だ。 「どこの中学ですか?」 と聞かれ、りんごははっきりと 「安積中学です」 と答えた。するとその店員さんは、 「では、標準体ですね。」 と答え、「あちらへどうぞ」と指差した。 安積中学の制服は男子は詰襟、女子はブレザーにプリーツスカートだ。 確かに一番標準的な制服のパターンだ。 店員さんに促されて試着コーナーに行く。 担当になった人がぱっと目算してサイズ表にチェックしていく。 「この時期は身長が15cm以上伸びる子もいるので、 少し大きめがいいですね。」 とつぶやきながら、店員さんは試着用の制服を取りに行って 戻ってくるときに手にしていたのは 学ラン。 確かに、りんごはGパンをはいていた。髪もショートだ。 ただし、上はエンジェルブルーのトレーナーを着ていた。 りんごも私も、もう、がっかりして、制服を買うのをやめた。 翌日、大手スーパーで中学の制服を扱う店に行った。 りんごは、普通の洋服を着ていた。 制服の採寸受付で順番を待っていると、ちょうど 以前住んでいたところのご近所さんがパートの 店員さんで立っていた。 りんごと私を見つけると、 「あら、もう中学?」 と声をかけてきてくれた。そして、迷わず女子の制服コーナーに 連れて行ってくれた。 りんごは、2サイズ大き目の制服を買った。 2年後、同じ店でポコチャンの制服を買うことにした。 このときも、この同じ人が担当になってくれた。 りんごは、制服を買ったあと、身長が3cmほどしか 伸びなかったので、ポコチャンは、1サイズだけ大きいのにした。 ところが、夏休み明けて制服を着せてみると、ポコチャンのほうが りんごより背が高くなっていた。 そこで、ポコチャンとりんごの制服を入れ替えて 着せることにした。 中学三年間、ポコチャンはりんごの買った制服を着て通った。 それから2年後。 きんたも試着に行こうとしたところ、近所の人から 制服をいただけることになった。 ありがたくいただくことにして、きんたは2年間、 この制服を着たが、背が伸びて、というか足が ニョキニョキ伸びて、ズボンの丈が足りなくなった。 すぐご近所で、体格の良い男子の制服のお下がりを いただけることになったので、ズボンはそれを はいていた。 上着は、今まで来ていたものは若干袖丈が短いが、身幅は まだ十分着られるものだった。 高校の私立入試の数日前に、制服を着たきんたを見て ギョっとしてしまった。 上着は短め。 ズボンはダボダボ。 しかも、まともにズボンをはくと足首が丸見えになるので、 ズボンを下げ気味にはいている。 客観的に見て 短ラン、ボンタンの腰パン。 いわゆる不良さんの姿じゃないか! これで面接を受けたら、どんなことになるか・・・ かといって、今から制服を買う時間はないし、 ましてや中学の制服を、あと1ヶ月ほどしか 着ないのに調達する選択肢はない。 背が高い先輩に聞いてみたが、みんな、後輩に 学ランをあげた、という。そんな中、一人の人が 「自分も背が伸びすぎて、サイズがないので 中学に相談したら、一杯保管してあった」 と教えてくれた。 先生に相談すると、先生もきんたの制服姿を見て 思わず笑った、という。そして、制服の保管室に 連れて行ってくれて、上下のちょうど良いのを 貸してくれた。 「県立高校の入試まで借りてよいですか?」 と聞くと、 「卒業式、そのあとの合格発表のときまで使いなさい」 と言ってくれた。 中学卒業後、借りていた制服を返すときに、それまで 使っていた制服も寄付してきた。 きんたは、その足で、りんごとポコチャンが中学制服を 買った大手スーパーに行った。 制服売り場で並んでいると、あの店員さんがまた声を かけてきてくれた。 「あれ?今度、中学生?」 学ランを見ていた私達に店員さんが聞いてきた。 「いえ、高校です。」 ただし、きんたの通う高校には制服はない。 だが、きんたはマイ学ランを買うことに強いあこがれを 抱いていたようだ。 形状記憶で家の洗濯機でも洗え、乾きの早い素材の制服を 選んだ。 サイズは大き目にした。 今、きんたは毎日、学ランを着て通っている。 学ランの下にはシャツとトレーナーを着て。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年02月17日 06時37分48秒
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