「どぶろくの辰」 【監督 稲垣浩。1962年】
東北の工事現場。 山を切り開いて道路を通すための工事部従事する人たちの飯場がある。 今では聞かないが、昔はこういうのがあると聞いたことがある。 昭和二十五六年頃という設定だが、このころはまだどぶろくがあったらしい。 荒くれ者で酒飲みでいい加減そうな主人公の辰(三船敏郎)と、その辰に惚れる淡島千景、辰に惚れられる池内淳子。三角関係と言えば三角関係なのだが、そんなことよりも、辰の土方としてのプライドが中心。 不発弾がいくつも埋まっていて、それが爆発するたびに死人が出る。 しかし、爆弾の扱いを覚えている辰と仲間がその処理をする。 雇用主はでたらめでほとんど暴力団だが、道路を完成させようという土方の意地がある。 婦人高が不発弾の処理に失敗して死ぬというような終わり方でなくて良かった。