「海底軍艦」 【本多猪四郎。1963年】
遠い昔に見たことがあるのだが、何も覚えていない。おそらく1968年の再公開の時に見たのだろう。 ただ、轟天の造形だけは覚えていた。「ゴジラ ファイナルウォーズ 」の冒頭に出てきた時に、すぐに轟天だとわかった。 さて、物語なのだが、戦後20年も経っていない時期のため、戦争の影が色濃く出ている。 密かに、日本海軍復活のためだけに轟天を作り続けた神宮司一派。その一方で地上征服を狙うムウ帝国の侵略がある。 神宮司はあくまでも轟天は日本海軍のためだけにあると主張し、ムウ帝国との闘いにはなかなか乗り出さない。 驚くのが、90分ほどの映画なのに、轟天が登場するまでに1時間近くかかること。 一度動き出すと轟天はとにかくかっこいい。ただ、マンダとの闘いはあっけない。こんなんだったっけ、と思う。 ただ、ムウ帝国の群衆シーンは、本当に群衆がいてすごい。また、女王(小林哲子)の表情がいい。 出演者は高島忠夫はじめ豪華である。 物語には不満が残ったが、とにかく轟天を生み出したというだけでこの映画は名作である。 先端にドリルがついているのは、「サンダーバード」のジェットモグラより早い。 轟天といえば、「惑星大戦争」では金星に行っている。怪作というかなんというか困った映画だった。 大林宣彦が、東宝上層部は、「スターウォーズ」から学ぶものはないと言っていたが、確かに何も学んでいないというようなことを言っていた。(「奇想天外」の座談会だったと思う) ついでに言うと、「惑星大戦争」って「スターウォーズ」の邦題になるはずだった題名なんだよね。