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そぞろある記

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2004.02.02
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カテゴリ:想い出
小学校6年生の頃か、祭の宵宮の帰りに母が夜空を見上げて、北斗七星を教えてくれた。
他にもたくさんの星が見える。家にあった科学画報というグラフ誌に星図が載っていたのを思い出し、二階の部屋から一階の屋根に出て本と星空とにらめっこ。
これが星好きのきっかけだった。

当時良く読んでいた誠文堂新光社の「子供の科学」の天文記事に夢中になり、宇宙に関する本を読みまくった。その頃出会ったのがポプラ社から出ていた、東京大学の小尾信弥先生が少年少女科学シリーズという子供向けに書いた本だ。
「宇宙の神秘」だったか「星の誕生」と言った題名の本だった。

その本に書かれていた、星の誕生の話。水素原子が二つ結合してヘリウムに変わるる時、0.7パーセント質量が減少し、その質量の減少がエネルギーとなって放出される。核融合反応の初めである。

そのわずか0.7パーセントの質量の減少が、この宇宙を生み、人類やこの世界のすべての生命を育み、さらに無限の膨張を続けることをこの本は教えてくれた。

このとき感じた目の眩むような不思議さは今でも私の心に棲み付いて、ふと夜空を見上げた時などに突然私の心を支配する。

無と無限の間。久遠と永遠の狭間。この空間に漂う弱い葦、しかし人間は考える葦である、故に人間は偉大だ。こんな哲学者の言葉に、何言っているんだ、ただの葦ではないか、たかが人間、何を偉そうに、と考えてしまう。

宇宙から見たら超極微少な人類、宇宙の時間から見ればゼロに等しい人類の歴史。
なのに何故生きて行かねばならないのか。
でも刹那的に生きようとは思わなかった。こんな無に等しい自分でも、何かしらの意味があってこの世に存在しているのだろう。だったら生かされるままに生きてみよう。
でもこんな瞬間でしかない自分の人生、下らぬ事に悩んだり、怒ったりするのは時間の無駄。そんなことには関わらないで、なるべく前向きに生きよう。

何か悩み事があるとすぐ星を見上げる。そのうち星空が無くても心の星空で解消できるようになった。

でもどんな風に生きればいいのだろうか。

ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ

自然の前では為すすべもなく、あるがままに。

ミンナニデクノボウトヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ

人の前でも、あたかも風景に溶け込む自然のごとく。

サウイフモノニ
ワタシハ
ナリタイ

そういうモノになりたいと本当に願ったことがある。

木偶の坊で、褒められないは実現済みだが
苦にはされっぱなしだな。

イカン、イカン
マダマダダナ・・・・・





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Last updated  2004.11.24 13:19:39
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