カテゴリ:読書
2005年 第5回本格ミステリ大賞受賞作品。「このミステリーがすごい!」第1位。
石膏像の首を切ったのが美術マニアのしわざでないとすれば、江知佳さんに対する殺人予告の可能性が高い 現代彫刻家の川島伊作は、自分の一人娘をモデルにした石膏像を死の直前に完成させた──はずだった。 だが、あろうことか、遺作の像の首は侵入者の手によって切断され持ち去られてしまったうえ、当の娘も謎の失踪を遂げてしまい……。 新本格の旗手が、満を持して放った“悲劇のパズル”。 起きなよロスマク、あんたの仲間がやって来たぜ。 読み終わって鳥肌が立った。 物語は地味だ。 事件は淡々とすすみ唐突に終息を迎える。 息づまるサスペンスも残酷な描写もない。 けれど、探偵がパズルを組み立てたとき、僕たちは想像もしなかった絵を見せられる。 それまで思い描いていた世界が名探偵の導きで一変するのだ。 導き出されるのは事件の構造だけではない。 おぞましい犯人の悪意と、それにおどらされた被害者たちの悲劇。 僕たちはトリックだけではなく、物語のホントウの意味を知るのだ。 余分なものを削ぎ落とした探偵小説がこんなにも美しく輝くなんて。 何十年も昔に出された問題と真っ正面からぶつかり合ってくれた探偵法月綸太郎と作家法月綸太郎に心からお礼を言いたい。 ▼楽天 ●生首に聞いてみろ ★おすすめのミステリー小説、ミステリー本、SF、ファンタジー、サスペンスを紹介するサイト お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Feb 12, 2009 01:28:02 PM
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