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おすすめミステリー小説、本、ビジネス書、お勧め音楽、お薦め映画 by ホーライ

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Dec 29, 2010
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道尾秀介おすすめミステリー小説、お奨めの道尾秀介のミステリー小説。道尾秀介の名作ミステリーの面白い作品。

おすすめミステリー作家のオススメ面白いミステリー、おもしろい傑作お勧めミステリー小説は『ラットマン』道尾秀介(著)だ。


2009年「このミステリーがすごい」第10位。


結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト・姫川亮は、ある日、練習中のスタジオで不可解な事件に遭遇する。

次々に浮かび上がるバンドメンバーの隠された素顔。

事件の真相が判明したとき、亮が秘めてきた過去の衝撃的記憶が呼び覚まされる。

本当の仲間とは、家族とは、愛とは―。


道尾秀介は2004年、『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。’07年『シャドウ』で本格ミステリ大賞受賞。’09年『カラスの親指』で日本推理作家協会賞受賞。’10年『龍神の雨』で大藪春彦賞受賞。『光媒の花』で山本周五郎賞受賞。また、「このミステリーがすごい!2009年版」で作家別投票一位を獲得、『向日葵の咲かない夏』がオリコンにより「2009年最も売れた文庫本」になるなど、各所で絶賛、注目度No.1の作家である



“ラットマン”、人間が何かを知覚する過程で、前後の刺激が知覚の結果を変化させてしまう現象に命名効果が加わることから起こるモノの見方のことを言う。

そして、今作は、登場人物たちの各々の先入意識、思惑が錯綜し、“ミステリー”が構築されていく展開となっている。

まるでホラー小説の如きケレン味溢れるプロローグから一転、それが実は高校時代以降アマチュアバンドを組み続けている者たちのライヴの余興のネタであった事が分かり、拍子抜けしてしまう出だしから、主要人物のバンド仲間との関係や日常が語られる中、彼の遠い過去の苛酷で忌まわしい“記憶”がインサートされていく序盤、ある事件が起こり、彼の関与を匂わせる中盤、そして、、、。


中盤までの展開は沈々淡々としているし、劇中起こる殺人事件も一件のみ、それも準備万全に計画されたものではない。

さほど盛り上がりもなく、正直半信半疑で読み続けていたが、ここからが俄然面白くなってくる。

ミステリー小説ゆえこれ以上は触れないが、ラストの60ページを読み切った後、文中に仕掛けられた作者の巧妙なトリックに唸らされながら、正にその不思議なタイトル名の絶妙さに手を叩いてしまう。

ミステリーの奥に潜む主要人物たちの魂の救済とも呼べるサイド・ストーリーも、作品に“心”を持たせているし、読了感は最高だ。


単なるミステリーでは終わらない、心のこもった作品という印象を受けました。


道尾作品の王道であり、ミスリードの極致、伏線回収の正確性、繰り返されるどんでん返しの痛烈さ、そして、いつもとは違う、叙述トリックを用いない正面からの真相への道程までを盛り込んである。


登場人物や舞台設定も凝らず、わかりやすく、主人公が生まれてからの成長過程でのわだかまりをスパイスに、大人になることでの現実の揺らぎ、そして、何と言っても、最後は「救い」までもたらす。。。

陳腐な表現だが、読者をわくわくさせる、真相を予見できない、読むのが止まらないといった表現がふさわしい。

ミステリー愛好者が常に考えながら読み込む、「ミスリードに騙されないぞ」「犯人は?」といった大命題を、満足いくレベルで突きつけ、消化させてくる。



言い換えれば、読者側の敗北感が実感できるともいえよう。

道尾氏が、現在の立ち位置を強固なものにした、代表的作品。

まだ未読の方は、上記の他2作品と合わせて、現代至高の若手作家の道尾秀介のミステリーワールドを堪能して頂きたい。


両巨頭のもう一人、伊坂氏の世界との対比も、また面白いぞ。。。


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Last updated  Dec 29, 2010 05:38:46 PM
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