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おすすめミステリー小説、本、ビジネス書、お勧め音楽、お薦め映画 by ホーライ

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Dec 29, 2010
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桜庭一樹おすすめミステリー小説、お奨めの桜庭一樹のミステリー小説。桜庭一樹の名作ミステリーの面白い作品。

おすすめミステリー作家のオススメ面白いミステリー、おもしろい傑作お勧めミステリー小説は『赤朽葉家の伝説』桜庭一樹(著)だ。


2008年「このミステリーがすごい」第2位。

日本推理作家協会賞受賞を受賞



千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもない私。

戦後史を背景に、鳥取の旧家に生きる三代の女たちを比類ない筆致で鮮やかに描き上げた雄編。

推理とかミステリーとかそういった先入観は不要。

勝手に登場人物や人間関係、時代背景が飛び込んでくる。

それにそういったこと関係なく面白く読める。

読んでいて圧倒されるというのはこういうことだと思った。

 
物語は現代に生きる赤朽葉瞳子による語りを中心に時系列順に進行。

ただその時系列というのが瞳子の祖母、万葉の幼き頃からだというから壮大。

祖母、母、そして娘と時代は変わる。

戦後やバブル景気といったそれぞれの時代背景の細やかな描写が輪郭を持ち浮き上がる。

様々な人が抱く、もしくは抱いてきた気持ちや思いを作者は言葉に直しきってしまったともいえる。

時代の変化、人々の心の移り変わり。

それらを丁寧に描いたからこそ最後のあの静かな問とその答えがすんなりと読者の心に落ちてきたのだろう。


未来が視えるという万葉の不思議な力。

その力は、製鉄業を営む赤朽葉家を窮地から救ったこともある。

しかし、自分にとって大切な人たちの未来を視てしまうこともある。

未来を知ってしまっても変えることはできない。


ただ運命に向かって突き進む人たちを見守ることしかできない万葉の姿は、胸を打つ。

また、時代が大きく変わる中、流されることなく己の信念を貫き通した万葉の娘毛毬の生きざまはすさまじい。

生きるということは、こんなにも激しいことなのか。

ラストの毛毬の娘瞳子の万葉への思いには、ほろりとくるものがあった。

赤朽葉家に関わる人々が織りなす物語も、切なくてほろ苦い。

これから、瞳子そして私たちが生きる未来はどうなっていくのだろう?


自分自身の人生についても、考えさせられるものがあった。




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Last updated  Dec 29, 2010 07:52:11 PM
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