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Feb 11, 2011
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カテゴリ:読書
(10)山月記

『山月記』中島 敦 (著) に出会ったのは、高校2年生の時の現代国語(現国:げんこくって呼んでいなかった?)の教科書だった。

ちなみに、国語の教科書に載っていて僕の人生を左右した本は多い。例えば、夏目漱石の「こころ」とか司馬遷の「史記」とか。


「山月記」では、己の自尊心のために虎の姿になってしまった詩人・李徴の苦悩が描かれているわけだが、僕は「なんて理不尽な世界なのだ?」と思った。

だって、なぜ、虎にならないといけない?

才能はあるが、狷介で自尊心が高過ぎる李徴と言う男が、詩人を目指すが、志ならず発狂し、虎に変身してしまう、って・・・・・・あり?


高校時代はさ、少し僕も道から外れていたので、ほとんど、授業に出なかったのだけれど、この「山月記」の授業は「たまたま」出ていたので、その偶然に感謝したい。

この小説を知ってからというもの、カフカの「変身」とか安部公房の「赤い繭」(あかいまゆ)とか、不条理の世界に僕は引き寄せられていった。

不条理の世界に近づいたからこそ、開き直って、「だから何?」と強くなれたような気がする。

僕が自殺をしなかったのは、この「山月記」を知ったおかげかもしれない。

人は発狂できるほど、何かにのめり込むことができ、それでもなお、道なかばにして夢が破れることもある。

それが、この世界なのだ。

50歳を過ぎて、読み直してみると、高校生の頃とはまた違った味わい方ができた。(人は虎になっても、生きていける。)


それにしても、わずか十数ページの小品ながら様々な要素が見事に集約され、漢語調の美しい日本語が静謐な緊張感を産み出している。

主人公の去り際の表現の見事なこと!


美しく生きて、なお、それでも駄目かもしれないと思っている人におすすめの本です。



李陵/山月記改版


▼カフカの「変身」
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▼安部公房の「赤い繭」収録本『壁』

芥川賞受賞作で作者の出世作。

人間の実存性の危うさと人間を他から仕切るものの代表を「壁」に象徴させて描いた作品。
「S.カルマ氏の犯罪」、「バベルの塔の狸」、「赤い繭」の三部から構成される。
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Last updated  Feb 11, 2011 10:50:09 PM
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