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January 2, 2014
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こんな名前ですが、作者は女性です。こわ~い小話やこまっしゃくれた子供たちの話を書いたかと思うと、こんなしんみりした話もかけるんですね。

ライトニングが消える日
Thunder and Lightnings
ジャン・マーク(著者),三辺律子(訳者)


【中古】 ライトニングが消える日 /ジャンマーク(著者),三辺律子(訳者) 【中古】afbブックオフオンライン楽天市場店

その声は、扉が開く前から聞こえていた。
エレベーターの前で待っていた私達は、子供を叱る
女性の剣幕に、驚いて顔を見合わせた。
降りて来たエレベーターから、男の子、次いで母親が出てきつつ、
こう言った。
「駄目だって言ってんのに、どうして、あんたは
ボタンを押すの!おもちゃじゃないのよ!」
そう言った後、私達がいる事に気付いた母親は、一瞬こちらを
見たが、続けて
「待ちなさい!何度言ったって聞かないんだから。」
と男の子の後を追って行った。
困惑とも苦笑ともつかない表情をした私達は、エレベーターに
乗った。
「この時、何か変な感じがした。」と、後日友人に話した。
「立っている私達に対して、『うるさくしてごめんなさい。』と
言って、その場で怒るのをやめて、別の場所で怒れば良かった
のに、と思った。」
と言うと、
「そうねぇ。別に謝らなくてもいいとは、思うけど。
他人の前で、子供を叱ると、子供のプライドが傷つくわね。」
と言われた。
ああ、これか。私がひっかかったのは。

本作に登場する飛行機好きの少年ビクターは、問答無用で母親に
ひっぱたかれる。それも、隣家に住む親友アンドルーの前で。
何でも一番主義の父親は、レースで3位になっても、褒め言葉一つ
かけない。年の離れたビクターの兄は、外国で仕事をし、
姉はもうすぐ結婚。子育てから遠ざかっていたのが原因なのか、
それとももともとそういう性格なのか。何とも、砂を噛むような
両親とビクターの関係に、アンドルーはすぐに気付く。
両親にとって大事なのは、目に見える家のタイルであって、
内面にあるビクターのプライドではない事も。

赤ん坊のエドワード、元図書館勤めの母、コンピュータ関係の仕事をしている
父と越してきたアンドルーの母親は、全く隣家とは逆のタイプ。
父親に皮肉を言っても、決して根に持たれるような言い方はしない。
アンドルーに不満を口にされても、余裕で笑って受け流す。
串で髪をまとめたまま人前に出てもかまわない。実の母親に
「何の役にも立たない」と言われたビクターを誉める。
ビクターの処遇に対し、「あまりにも酷い!」と怒るアンドルーを
なだめ、親友の繊細さ、世間の不平等について教える。そんな母親に
育てられたアンドルーは、もうすぐ飛ばなくなる飛行機、ライトニングに
入れこむ親友の心中を思い遣る、優しい少年である。

お互いの出方を探りあいながら、小さな衝突を経て、つき合う術を学び、
ぎこちないながらも、心を通わせ合うようになる二人。彼等は、
墓場で絵を書いていたコーツさん、クイーンコング
(なんちゅう命名だ)と名付けたモルモット、飛行場の側で昔の戦争体験を
語る男らとの出逢いを経て、教科書で教えてくれない事を学んでゆく。
もしかしたら、学んだ事のいくつかは、プライドを傷つけられた
ビクターの力になる時が来るかもしれない。そうなればいいと思う。
世間の荒波は、繊細で聡明な彼にとって、アンドルーより余程厳しいものになりそうだから。

今年の夏を限りに消える最愛の飛行機「ライトニング」とバトンタッチするように、彼等は短い夏の後、大空に飛び出してゆく。その空の名を「青春」という。






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最終更新日  June 13, 2014 01:01:30 AM
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