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January 24, 2014
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みなさん、こんばんは。
東京都知事選が始まりました。今はまだそれほど賑やかではないですが、そのうち宣伝カ―が凄いんでしょうね。さて、ひところ日本で話題になったゴミ屋敷ですが、ドイツでも起こっているそうです。


ノック人とツルの森
Kraniche und Klopfer
アクセル・ブラウンズ
河出書房新社

 日本でもひところ“騒音おばさん”“ごみ屋敷”がワイドショーで取り上げられたことがある。しかし決まってその主は単独だった。もしそこに、子どもたちが親と一緒に住んでいたら?それも、生まれてからずっと。日本と同じようにゴミ屋敷問題が起きているドイツが舞台の本作は、まさにそうした状況に置かれたアディーナが主人公だ。

 自分の匂いというのは意外とわからないので、私たちは社会生活を経て“他人の目”を意識するようになると、香水をつけたり消臭アイテムを用いたりして、不快ではない匂いを身にまとう。ところが、匂いの違いがあることを知らなかったアディーナにとっては、自分とは違う相手の匂いの方がヘンなのだ。母親が“うちこそが異常なのだ”と言うはずもない彼女はあまりにも無防備で、すぐにいじめの標的にされる。年を重ねる毎に悲惨になってゆくクリスマス交換イベントの場面は、残酷な子供社会の最たるものだ。

 彼女が匂うのは、母親のカーラが殆ど育児放棄状態にあり、ゴミを家の中に次々と持ち込むからだ。アディーナは家にうず高く積まれるそれらのごみを【なんてきれいなの】【ああ、これは大切】【よく見てみなくちゃ】【とても捨てられないわ】と分類しており、これはカーラの口癖をそのまま真似たものだ。こんな生活をしているのだから、カ―ラが社会生活を送れないのかと思いきや、彼女は会社勤めをしている。アディーナが会社を訪ねる場面が出てくるが、そこでの彼女は会社で部屋を貰う身であり、部屋は整理整頓されている。また、娘には“ノック人”と名付けた自分たちの家族以外の人間に家の事を話さないよう命じるのに、自分は同僚と親しく話をする。アディーナは家から出ない弟に先んじて他家との違いをまっさきに意識するが、それでも母親を否定できず、むしろ愛していた。そんなアディーナも、やがて母親の異常を自覚する。悪臭を放つゴミをため込む一方で、本当に大切な存在であるはずの娘を、生きながら捨てていたのだ。

 常に家族が最上の味方とは限らないが、だからといって最上の味方が現れないとは限らない。ツルを飼育するアエラとの出会いが彼女を変えていく。母親が守ってくれない自分を守るために、一人でいじめっ子に立ち向かい、母親が顧みない家を清潔にしようとする。様々なものと出逢った驚きを“軽石級”“桜級”“雲級”と表現していた彼女も、後半では“パリ級”“リス級”などボキャブラリーが広がってゆく。外へ外へと行く娘が、内へ内へとこもる母親のくびきを外す場面は、その行為自体はささいなものだが、静かな感動があった。

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最終更新日  October 14, 2020 08:12:54 AM
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