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January 25, 2014
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世界にはいろんな幽霊がいるものですね。さて、今回はスラブの幽霊をモチーフにある一族の歴史を綴ったフィクションです。


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真昼の女
Die Mittagsfrau
ユリア・フランク

 冒頭、駅の雑踏の中で、母アリースは息子ペーターを捨てる。そしてラスト、十七歳になったペーターの元に、別れた母が会いに来る。このプロローグとエピローグのみ息子の視点で描かれ、間に挟まれる三章は、ある女性の三人称視点で描かれる。だが、その女性の名前はアリースではなくヘレーネだ。さて、この三者の関係は?

 なんとも謎めいた本作のモチーフは、著者の父が母親に駅に置き去りにされた実体験に拠るものだという。
 “母親から何の前置きもなく捨てられた息子”という謎を提示された読者がその理由を知りたいと思い先を読むと、ユダヤ人の裕福な家庭に育った母親と、その母にべた惚れでキリスト教を信じる父との間に生まれた二人の美しい姉妹が登場する。母親は自分のいるべき場所はここではないと感じており、周囲とも家族とも馴染もうとしない。父親もそんな母親にかかりっきりで娘達に関心を持たない。そんな親の元で育った娘達もまた家に居場所を見つけられない。本作は二度の大戦で疲弊して行くドイツを舞台に、彼女達の成長を描く。

 タイトルの“真昼の女”とはスラブの伝承で、暑い真昼に畑に現れ、昼休みを取らずに働く者の手足を麻痺させ理性を奪い殺してしまう幽霊だ。助かるには仕事の手を止めてその間「真昼の女」に農作業について語って聞かせるだけで良いという。

 暑い中働く農民達に休みを取らせようとする善意で行動しているが、彼女と話さない農民達がその意図を察するはずもなく殺される。幽霊は表紙に書かれた女性のような、白い服を着て背の高い美しい娘の姿をしており、ヘレーネのイメージにも被る。女系を通じて連綿と引き継がれる負の歴史を綴っている本作は、自ら望んだわけではないだろうに、語るべき時に語るべき相手と語らぬことによって、自分も子供達も不幸にする母親達を真昼の女(タイトル)に例えている。その姿はまた、かつてのドイツにも被る。彼女達が生きたのはナチス台頭のドイツであり、彼の国も他国の言い分に聞く耳を持たず、自分にとっての善を為すために戦争への道をひた走って行った。国に対してもこの一家に対しても安易な救済を提示していないので、後味悪く感じる読者もいるだろう。






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最終更新日  January 25, 2014 08:10:53 PM
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