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テーマ:DVD映画鑑賞(14136)
カテゴリ:中国&台湾映画
古代中国で実際に起こったことを元にした映画を見ました。
運命の子 The Sacrifice 出演 グォ・ヨウ 監督 チェン・カイコー 中国・春秋時代、晋の国。敵対する武官・屠岸賈の謀略により、皆殺しにされてしまった趙氏一族。そんな中、一族の子として生まれたばかりの男児が、出産に立ち会った医師・程嬰に預けられる。男児を守ろうとすることで自分の子や妻を殺されてしまった程嬰は、ひそかに屠岸賈への復讐を誓う。 司馬遷の「史記」に記され、2,600年もの間語り継がれてきた物語「趙氏孤児」を映画化。実はこの話、宮城谷昌光さんも『月下の彦士』として書いている。その時とは設定が全く違っている。映画では趙一族が繁栄を極め、他の武将を下に見ていたような、恨まれる理由が有った風に描かれている。また、男児の母親は「子供に恨みを引き継がせないで」と言い置いてその場で自害したことになっているが、実際の孟姫は夫の従兄と恋に落ちるなど結構しぶとい。程嬰と趙家の友人・公孫が共同で遺児を守るところは同じだが、史記では程嬰が身代りにした子供は自分の子供と明記されておらず、自分が裏切り者の名を被って15年間密かに育て続ける。そして、公孫は偽の子とわざと共に斬られる。映画では、偽と知って公孫が斬られるところは同じだったが、程嬰が自分の子を救いたい気持ちも半々で仕方なく屠岸賈を連れていった風に描かれており、いわゆる小市民の浅はかさのようなものも出ている。それを断ちきるのが赤ん坊を地面に叩き落とす根っからの武人の屠岸賈。 最も異なる点が、程嬰が復讐のために屠岸賈の元に身を寄せて、男児を彼に半ば育てさせるところである。史記では程嬰は復讐ということは全く考えておらず、男児が成人した後に潔く自害している。武人でおおらかな屠岸賈に、いつも「誰にも話してはならない」という父親とは正反対の魅力を感じた男児はどんどん惹かれていく。「愛させて殺させる」「愛した者に殺される」という最大の苦しみを味わわせるというのは究極の罰だ。宮城谷作品のほうが屠岸賈を悪人に描いている。映画では屠岸賈が成長した男児を見て、趙家の嫡子に瓜二つであると気付き、彼の正体を察していたような様子を見せる。そして一旦は戦の最中に見捨てようとするのだが、彼の「父上!」という叫びに我に返り戻ってくる。情のある人として描かれているのだ。屠岸賈はクライマックスでは高齢なのに若者のような立ち回りを見せる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
March 16, 2019 12:11:08 AM
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