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October 22, 2014
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みなさん、こんばんは。いやー今日は寒かったですねぇ。
『ダウントン・アビ―』が好きな方にお勧めのリアル奥様と私をお届けします。

おだまり、ローズ
The Lady’s Maid My Life in Service
ロジーナ・ハリソン

ヴァージニアの煙草農園主の娘ナンシー・ラングホーンはバツイチで一人の子持ちとなった後に、アメリカの大富豪アスター一族出身でプリマス市長の夫と結婚し、子爵夫人レディ・アスターとなる。イギリス初の女性下院議員になり、内外の王族・文人・政治家と交流が深かった。そこに才色兼備で社交界の花形という要素が加われば、ドラマのヒロインにすぐにも取り上げられそうなキャラクターだ。だが、その奥様には知る人ぞ知る顔があったのだ。

 その“知る人ぞ知る人の顔”を最もよく知っていた者の側から描いた作品が本書である。著者はロジーナ・ハリソンで、「お屋敷の女主人付きメイド」を目指して順調にキャリアアップして、レディ・アスターと出会い、ほぼ35年に亘って仕える。こちらもドラマのヒロインになれそうな人生だ。

 だが、主役級が二人も揃うとどうもバランスが良くない。というわけで、ロジ―ナはレディ・アスターを含めたアスター家を語る「傍観者」のポジションに、代わって前面に出てくるのがレディ・アスターだ。とはいってもロジ―ナは邦題の如く「おだまり」を連発されていたのだから、傍観者として‘引っ込んで’いたわけではない。夫の諌めも世の中の常識もものともしない奥様の言動に何か思うところがあれば臆さず発言し、時には喧嘩もして奥様が謝ってくることも。P・G・ウッドハウスの人気シリーズ、出来る執事ジ―ヴス&ダメダメお坊ちゃまバ―ティが、リアルな世界で女性バージョンになって現れたような感じと言えなくもないが、へなちょこバ―ティに比べると、345ページの晩年の姿でさえ毅然としている奥様とのやりとりは、緊張感のある毎日であろうと想像できる。

 仕えていた相手の事をあれこれと語るのを、いわゆる暴露記事のように感じて良しとしない人もいるだろう。本書も、もし内容の向こうに、ロジ―ナの得意満面の姿が透けて見えたら恐らく読後感は良くなかったはずだ。また、特に技巧を凝らしているわけではなく、素のまま、思うままを平易な文章で綴っているという印象で、時には読者の側から見れば「これは書かない方が良かったんじゃ…」と思う事まで書いてある。それらを編集段階で手を入れなかったのは、読者にローズの人柄を知ってもらうためだろう。殆ど艶めいたことが出てこない内容からも、彼女がとても真面目で賢く、キツイことを言いながらもギリギリのところで抑えるべきところは抑えられる優れた職業人であったことが窺える。『ダウントン・アビ―』や、ロバート・アルトマンの映画『ゴスフォード・パーク』においては、階下の人々=メイドや執事達が、階上の人々=仕えている貴族に対しては従順な表向きの顔を見せ、下に行って本性を見せるイギリスの伝統がカリカチュアされているが、ローズに限ってはセオリー通りの切り替えをやっていなかった。そしてその事が、常識破りの奥様のツンデレのツボにすっぽりはまってしまったのだ。決して憎しみ合いや罵り合いの記録ではないので、安心して読んでみて欲しい。

 TVドラマ『ダウントン・アビ―』が放送され“ダウントニアン”なるファンが日本でも増えている中、タイムリーな出版と言える。もし、『ダウントン・アビ―』未見の方は、これを読んでからドラマを見ると、各使用人の役割分担などがよくわかるだろう。


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最終更新日  October 23, 2014 11:04:19 PM
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