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August 2, 2015
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みなさん、こんにちは。1年も半分以上が過ぎましたね。景気は良いようですが見せかけのようにも感じます。しっかり無駄遣いしないようにしなければ。それは国も同じはず。先ごろ話題になったあの建物騒動なんかも、金銭感覚が麻痺している人達によってどんどん費用が膨れ上がりましたね。本書はそんな事態が起こることを戒めてくれるような内容が沢山つまっています。

帳簿の世界史
The Reckoning
Financial Accountability and the Rise and Fall of Nations
ジェイコブ・ソール

 大晦日にギリシャに行った。真夜中だというのに人々が通りに出て来て、知らない人にも酒を振る舞うわ花火をぱんぱん鳴らすわ、それはもう大騒ぎ。垣根のない大盤振る舞いは「さすがラテン気質♪」と思ったが、いやはや、とうとう借金国家に。

 慰めになるかどうかはわからないが、国家破綻はギリシャが最初ではない。無敵艦隊を擁したスペイン、ヴェネツィアのメディチ家、太陽王統治下と革命直前のフランス…数多くの国や名家が破滅の一途を辿った。本書は国や名家、企業の興亡を、特に帳簿と帳簿に関わった会計士に着目して紹介している。また、会計士が世間でどのように見られていたかを視覚的にわかるように多くの絵画を紹介している点もわかりやすい。

 国や名家は、最初は貸方と借方完全一致の複式簿記の知識を習得して権力を手にするが、安定してくると欲深くなり、明確な数字で赤字不安を持ち出す会計士が遠ざけられる。代わりに会計の何たるかを知らない素人がグダグダのバランスシートを提出して財政状態は悪化の一途を辿り、遂に息の根が止まる。

 なぜうまくいっていた会計をないがしろにしたのかについては、宗教も絡んでいた。シェイクスピアの『ヴェニスの商人』の例にもある通り、昔から金貸しや金に関わる商売をする人は一段下に見られており、佐藤賢一の『黒王妃』で、イタリアの豪商メディチ家の出身であるカトリーヌ・ド・メディシスが「おみせやさんの娘」と揶揄された所以もここにある。嘘をつかない数字とそれらを読み解く会計士を誰もが恐れた時代を経て、今度は人が帳簿に嘘をつく時代がやって来て、監査が登場。これでやっと健全財政が保たれるかと思いきや、監査法人がコンサルタントを兼ねるようになると、利益相反が起こって公正かつ透明な財政は崩れ去る。こうして帳簿は常に健全と不健全の間を行ったり来たりする。
 つまりは理屈をどんなに理解していたとしても、運用する人間にその気がなかったら駄目だよ、という当たり前のことを、何度繰り返しても懲りないのもまた人間である。

 ギリシャのニュースを眺めている日本にしても、決して健全とはいえない。税収の二十倍の借金を抱えながらも緊縮財政に舵を取らず、とある所で「巨大トイレ」と言われている建造物に巨額を投じる国家財政の会計責任を取れる人は、日本に誰かいるのか。優れた会計責任者なき国家と企業は没落するしかないというのに。

 


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最終更新日  August 2, 2015 05:57:18 AM
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