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August 19, 2015
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みなさん、おはようございます。高校野球は清宮選手とオコエ選手の話題でもちきりですね。その高校野球もあと2回で終わっていよいよ夏休みの終わりです。夏風邪が流行していますが皆さん大丈夫でしょうか。

さて、こちらは戦争について考える少女の物語です。


12月の静けさ
December Stillness
メアリー・ダウニング・ハーン 金原瑞人訳

15歳のケリーは、普通に行動していても、つい浮いてしまう少女。もともと友達は多くないのに、幼なじみのキースが親友ジュリーとつきあい始めて、少し寂しい。そんな時、学校でレポートを書くことになり、ケリーは図書館に来ていたホームレスのウィームズさんについて調べようとするが。

 イラストレーターのケリーの母は、ファンタジーに出てくるドラゴンやユニコーンを描いている。飼っているネコの名前も「指輪物語」にちなんでガンダルフ。父は弁護士で、いわゆる堅いお仕事。「お母さんの方が話がわかる」と思っているケリーは、父親を敬遠しがち。そこにもってきて、ウィームズさんに構おうとするケリーに、父が「ベトナムも浮浪者ももうたくさんだ。おまえには戦争なんて、これっぽっちもわかっちゃいない。」なんて言う。「まだ子供だからわからない。」が、大人が子供に言ってはいけない台詞ワーストワンである事をわかっていない父と、ケリーの溝は、だからますます深くなる。とはいえ、父親がこう言いたくなる気持ちもわかる。

 最初は「ベトナムを悪の共産主義から守る正義の戦い」だったのに、いつのまにかアメリカの不当干渉という見方が有力となった。ベトナム帰還兵も、先の第二次大戦の時とは違って、諸手を挙げて迎えられたわけではない。自分の意思もあったにせよ、国の命令で行ったというのに、国家は個人を守らない。「正義のために」という土台が揺らいだ戦争で戦ったツケは、ウィームズさんのような帰還兵や、その家庭という個人が担わされる。父親が、揺るがない法に携わる弁護士という職業を選んだのも、きっと戦争と無縁ではない。

 「傷を抱えた少女と大人が、互いを知る事によって癒されていく」という、ありがちな展開を予想すると、肩透かしを食らう。「ベトナム戦争は、アメリカにとってそう簡単に乗り越えられるものではない」という意思の表れか、極めて現実に近い厳しい結果が提示されるからだ。
「わたしは人生にけずられて丸くなったりしないし、現実に甘んじたりしないわ。絶対に」と反発したケリーは、今頃父親と同じ年令になっている。「もしわたしが男の子で、中南米かどこかで戦争があったとしたら、父さんはわたしを行かせたいと思う?わたしがビニールの遺体袋に入ってアメリカに送り返されるのを望むの?」と、あの頃ケリーは父親に聞いていた。架空の事として語られた『中南米かどこかの戦争』が現実のものとなったとき、彼女はどんな目で祖国を見つめ、何を思うのだろう。


《佑学社》メアリー・ダウニング・ハーン 金原瑞人訳12月の静けさ 【中古】afb古書 高原書店






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最終更新日  August 19, 2015 06:12:40 AM
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