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みなさん、こんばんは。スーパームーン、ご覧になりましたか？

ケイト・ウィンスレットが主演したTVミニシリーズもある『ミルドレッド・ピアース』を見ました。


ミルドレッド・ピアース
MILDRED PIERCE

出演
ジョーン・クロフォード　アカデミー主演女優賞
監督
マイケル・カーティス
音楽
マックス・スタイナー

　ある日、地元の名士モンティ・べラゴンが殺される事件が起こり、ベラゴンの妻ミルドレッドの元夫バート・ピアースが逮捕される。ミルドレッドは警察署で犯人はバートではないと言い張る。凶器の拳銃がバートのものであり、アリバイもなく犯行を否定しないバートだが、犯人ではないと主張するミルドレッドは事件の真相を語り始める。

　物語はとある海辺の別荘で、「ミルドレッド…」と呟きながら倒れるモンティの映像から始まる。ミルドレッドは自分に気のある友人ウィリーをモンティが倒れている別荘に連れ込み、鍵をかけてしまう。モンティが嵌められたのは明らかで、凶器にも指紋がついていない彼が容疑者として逮捕されるとは到底思えない。ここだけ見ればてっきり「ミルドレッドが犯人でモンティを利用しようとしたがあっさりばれてしまった」のが真相に見えるが、ここから彼女が過去を語りだすシーンに移り、真犯人が明かされる。

　普通の主婦だったミルドレッドがウェイトレスとして勤め始め、やがてレストランを経営する女実業家になる過程だけを追えば単純なサクセスストーリーだ。しかし彼女は一方で、長女ヴィダとの関係に悩んでいた。彼女の働いた金で贅沢三昧をしながら母親の出自や仕事を軽蔑するなど歪んだ性格を次第に露呈し始めるヴィダを、どうしても彼女は突き放せない。次女ケイが自分の浮気中に亡くなったことも相まって、残された長女にだけは望むことをさせたいと願う。娘に愛情を注ぐ事自体は間違っていないが、強く出られない事を娘に見透かされ、結果的には先の悲劇を呼び込んでしまう。

　もともとヴィダ役にはシャーリー・テンプルが挙がっていたと書けば、制作者がヴィダに求めていたイメージもわかろうというもの。アン・ブライスは我儘放題に育った少女の面を持ったまま体は成熟した大人になってしまったヴィダを好演、アカデミー助演女優賞にノミネートされた。

　ジョーン・クロフォードは舞台恐怖症のためにアカデミー賞開場には現れず、家のベッドで受賞の一報を聞いた。口さがない者たちに言わせれば『これも彼女の演技だった』とも言われている。長年MGMで活躍した彼女もこの頃にはあまり仕事がなく、起死回生を狙ってワーナーに出演した本作で受賞。

映画「ミルドレッド・ピアース」
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