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February 26, 2016
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みなさん、こんばんは。
今日が職場最後の日でした。
お昼は今年退職される女性と一緒にお昼に行き、夜は同じ部署の方達と会食してきました。
寂しくてたまりません。
派遣期間は決して長くはなかったのですが、私はこの職場も働いている人達も好きでした。
温かい人達に囲まれて過ごしてきたのだな、としみじみ思います。


さて、こちらは第二次大戦時代、ヒトラーと対峙することになったアメリカ人一家の物語です。
ヒトラーと出会ったことによって運命を狂わされた、とも言いますか。

第三帝国の愛人
In the Garden of Beasts:Love,Terror,and an American Family in Hitler’s Berlin
エリック・ラーソン

邦題はいささか扇情的だ。だが、まったくの嘘というわけではない。ただし、彼女はその呼び名を嫌がるだろう。彼女とは、ヒトラーが台頭し、ナチの独裁が急速に進んだ1933年のベルリンに、駐独アメリカ大使としてベルリンに赴任したドッドの娘マーサだ。ベルリンに来た時は夫と離婚が成立していなかったが、ゲシュタポ長官ルドルフ・ディールスをはじめ、ナチの名だたる要人たちを愛人に持つ。本作は、華やかな恋愛遍歴を繰り広げる彼女と、独裁国家になろうとしているドイツ―そしてヒトラーと対峙した父・ドッドを中心に据えたノンフィクションだ。

 外交官といえば、外国語に端麗で、交渉が巧く、度胸もあり、上流階級の人達との洗練された会話を楽しみ…つまりはカッコいいイメージだ。それまで駐独アメリカ大使として赴任してきた人達は、確かにそのような人々だった。しかしドッドは違った。中産階級出身で農場に行くのが一番の癒し。妻と息子・娘の4人家族で、シカゴ大学歴史学部学部長。全四巻になる著書『旧南部の興亡』の執筆のために、閑職として大使職を願っていた。そんな彼に、偶々空いていた駐独大使がオファーされた。

 この先ドイツを襲う嵐を考えれば、この人選は果たして正しかったのか。いや、ドッドでさえ、「国のために外国に嘘をつくことができるような機知もないし、二枚舌を使えるタイプでもない」と自分を正しく評価している。にもかかわらず、アメリカは彼を代表として選んだ。なぜか。アメリカの関心事は、その頃密かに話題になっていたユダヤ人問題でもドイツ国内の動きでもなかった。大使に望んだのはただ一つ、アメリカが貸した金の速やかな償還だった。そして「欧州の安全は米国には関係ない」とする伝統的な孤立主義を貫いた。

 だからと言ってアメリカを攻めるのは早急だ。ちょうど今の難民問題と同様、ユダヤ人問題は「問題としてはあるけれど自分の国に来られたら困る」という本音がどの国にもあった。今のようにYouTubeで映像が世界を巡るわけでもない。米国人がいわれなき暴行を受けても巧みに隠され、諸外国ではドイツの苛烈は知られなかった。そして何よりも、一部を除いてドイツ国民も騒がなかった。「さすがにこの事件の時は動くのではないか」と思われた1934年6月の「長いナイフの夜」においても、国内外は沈黙した。かくて、独裁国家への流れは一気に加速した。

 前述したように、確かにドッドは外交官としては落第点であったろう。ナチスの党大会参加も断り、スタッフともうまくやれなかった。おまけに娘はスキャンダルまみれ。しかし一つだけ良いことは、「おかしいことはおかしい」と感じる当たり前の感覚を持っていたことだ。だからナチスドイツの異常さに極めて敏感だった。最初は熱に浮かされていたマーサも、やがて新生ドイツの幻想から醒めていく。下手に口出しをして内政干渉と非難される可能性ももちろんある。だが、この先長きにわたって世界を巻き込む戦争を止めるには、目の前の利害にとらわれず、国内外のいずれにおいても、まず異常に気付いた人が声をあげ、次にその声を真摯に受け止めて最善の解決法を導き出すべきだった。次などもちろんあっては困るが、異常に気付いた人達が、声をあげるツールなら、第二次大戦当時よりも無数にある、幸いにして。
 

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最終更新日  July 30, 2016 10:51:42 AM
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