映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。
3月11日がまたやってきましたね。今晩は寒いようです。あの日も寒く、度々停電が起こりました。

ドキュメンタリー映画三姉妹　雲南の子を見ました。


三姉妹　雲南の子
THREE SISTERS

監督
ワン・ビン
　標高3,200メートルに位置し、中国国内で一番貧しい地区といわれる雲南地方の山村に暮らす幼い3姉妹。母は家を出、父は出稼ぎにいった。近くに伯母や祖父はいるものの、姉妹は自分たちだけで生活している。わずか10歳の長女が幼いながら、母親代わりとなり、妹たちの面倒を見て、家畜の世話や畑仕事に一日を費やす。やがて、町から父親が戻り、子供たちを町に連れていくことを考えるが、経済的な問題から、長女だけが村に残ることになる…。

　『鉄西区』『無言歌』のワン・ビン監督が、中国で最も貧しいとされる雲南地方の寒村に暮らす幼い3姉妹の日常を追ったドキュメンタリー。

　秋葉原駅で、或いは新宿駅で、大型バスに乗って「銀聯カードOK」という大型店に入って行く中国人達を見る事も、もう珍しくなくなった。彼等の着ている服も、かつてのような垢抜けないそれではなく「あのブランドね」と分かるようなものも増えてきた。共産主義国という建て前はともかく内実は、その看板をとうに降ろした彼の国は、日本を蹴落とし、今や世界第二位のGDPを誇る経済大国となった。それなのに、同じ国の国民でありながら、彼女達が三度三度食べるのは、ちょっと焼いただけのジャガイモだ。たらふく食べられるのは、大叔父の家の収穫祭の時くらい。街に出て行く次女や三女はともかく、長女の上着は撮影中一度も変わらなかった。家畜も人もいっしょくたの環境では、子供達の体に当たり前のように虱が住みついている。部屋は常にほこりっぽく、長女はずっと気になる咳をしていた。

　もう一つ気になったのは、彼女が撮影中殆ど笑わなかったことだ。父親不在で叔父の家に行っても、学校に行っても、いわゆる子供らしい笑いが一度も見られない。唯一彼女が笑ったのは、高地に家畜を放牧しに行った時に、糞を集めに来ていた友達と会った時だけだ。彼の家庭も彼女同様貧しく、感情を共有できる相手ということだろう。10歳にしてこんなに大人になってしまった彼女は、中国の慣例ではあと4年ほどで嫁入りを強いられる。

　同じ一つの国でありながら、国民にこれほどの格差がある。あれだけの広大な領土を所有している中国だから、民族や地域の差異は日本の比ではないだろう。しかし領土を引き受けたからには、そして彼等が生みだしたものによって国家が成り立っているならば、生活の最低レベルを均等に引き上げるべく努力する。軍事パレードのために数日北京の空をきれいにするよりも、中国がやるべき事は、他に在る。

映画「三姉妹　雲南の子」
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