【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

カレンダー

コメント新着

お気に入りブログ

ラック ~幸運をさが… New! ジャスティン・ヒーハーフーさん

超絶多忙なので生存… New! 天野北斗さん

台風つづく ちーこ♪3510さん

松河屋老舗☆ fujiうさぎ=^・^=さん

憂きも一時 小烏丸の”てる”さん

プロフィール

hoshiochi

hoshiochi

キーワードサーチ

▼キーワード検索

全て | 料理&お菓子&旅&演劇&その他2 | フランス映画 | 韓国ドラマ・赤と黒(ナップンナムジャ) | その他の地域の映画&ドラマ | アメリカ映画 | 韓国映画 | 真田広之 | 韓国ドラマ | アメリカドラマ | その他のジャンルの日本の小説 | 日本のミステリー小説 | イギリスドラマ | よしながふみ漫画&ドラマ&映画大奥 | 漫画・アニメ | 日本ドラマ | 中国&台湾映画 | 日本の作家が書いた歴史小説 | 海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル | 東欧・ロシア映画 | イギリス&アイルランド映画 | オランダ映画&オランダドラマ | 北欧映画 | その他のジャンルの海外小説 | 日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | 日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル | 日本映画 | 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | カナダの映画&ドラマ | ドイツ映画&ドイツドラマ | 日本のファンタジー小説 | 海外のミステリー&ファンタジー小説 | 堺雅人 | 日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇 | 三浦しをん:まほろ駅前シリーズ | 山田風太郎 | 香川照之 | 松山ケンイチ | 海外の作家が書いた歴史小説 | ジェイク・ギレンホール | イギリスドラマ:SHERLOCK | 塩野七生 | 吉田鋼太郎 | イタリア映画&イタリアドラマ | ローズマリー・サトクリフ | 大杉蓮 | ベネディクト・カンバーバッチ | インド映画 | 長谷川博己 | 内野聖陽 | 林遣都 | ムロツヨシ | ジョシュ・オコナ― | 井浦新 | 菅田将暉 | ディーン・フジオカ | 台湾ドラマ&中国ドラマ
July 9, 2016
XML
みなさん、こんにちは。
太平洋戦争の時、日本では本にする紙も不足するほどでした。しかし海の向こうでは本が兵士たちの元に無料で届けられていたのです。

戦地の図書館 (海を越えた一億四千万冊)
When Books Went War:The Stories That Helped Us Win World War II
モリー・グプティル・マニング
東京創元社


現在放送中の朝の連続TVドラマ『とと姉ちゃん』で、出版社に勤める主人公が戦時中「紙がまわってこなくなった」と嘆いていた。しかし同じ頃、海の向こうでは無料で大量の書籍が配布されていた。配布されていた相手は主に米軍兵士であり、読書の場所は戦場だ。

 ここは「米兵はそんなに呑気に戦っていたのか」と怒るところではない。むしろ「戦場と言う非日常」で日常を取り戻すために、必要不可欠な存在として書籍が評価された、と肯定的に見るべきだ。第二次世界大戦中、アメリカの図書館員たちは全国から寄付された書籍を兵士に送る図書運動を展開し、軍と出版界は新しい形態のペーパーバック「兵隊文庫」を発行して、あらゆるジャンルの本を世界の戦地に送り届けた。その数、およそ一億四千万冊。必ずしも戦意高揚の内容ばかりではなく『ブルックリン横丁』など庶民の生活が描かれたものや英国王チャールズ二世の愛妾にのぼりつめる女性が主人公の歴史もの『永遠のアンバー』などが好んで読まれた。どの本を送るべきか決める「検閲」に図書館員やマスコミがこぞって反対したそうだ。他国―イギリス―の兵士などは、戦場でポケットサイズで読める「兵隊文庫」を大変羨ましがったという。最初から物量共に圧倒的な差を持つ米英との戦いは、結局は末端の兵士の精神的ケアの差にも及んだ。「鬼畜米兵討ちてしやまん」の一方的な思想の押しつけしか出来ず、兵士の心を和ませる余裕がなかった日本は、最初から負けていたのだ。

 本を配り続けたアメリカと対比的に描かれるのがドイツだ。1933年、ドイツ学生協会が、25,000巻を上回る「非ドイツ的な」本を燃やした。ハインリヒ・ハイネ、エーリッヒ・ケストナー、ハインリヒ・マン、ベルトルト・ブレヒト、エーリヒ・マリア・レマルク、クルト・トゥホルスキー、カール・フォン・オシエツキーなどが「非ドイツ」的とみなされた。物言えぬ、そして自由に動けない本に対する最大の暴力であるが、一方で、それだけヒトラーが、誰よりも本の影響力を重視していたという見方もできる。焚書に対して当時の文人たちが非難の声明を出しているが、皆文章のプロなので、これがいずれも素晴らしい。ノートに書き留めて書籍の素晴らしさを認識したいと思わせる内容だ。

 歴史上焚書を行った国―古代中国、ナチスドイツ、チリの軍事政権―はいずれも滅びている。我が国が、その中の一つに数えられないことを、この先も願ってやまない。



【楽天ブックスならいつでも送料無料】戦地の図書館 [ モリー・グプティル・マニング ]楽天ブックス






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  July 9, 2016 12:06:34 AM
コメント(1) | コメントを書く
[海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル] カテゴリの最新記事


PR


© Rakuten Group, Inc.