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映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

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October 5, 2016
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みなさん、おはようございます。
だれでも 一人は本を書くと言われていますね。
圧倒的に多いのが自分史です。
この物語の中には、自分史を書いてもらいたい人達が登場しますよ。

あなたの自伝、お書きします
Loitering with Intent
ミュリエル・スパーク ​

原題「Loitering with Intent」は、1950年6月末日、20世紀のちょうど中間にあたる日に、小説家フラーが墓石に腰かけて詩作に耽っていたことに由来する。彼女を不審に思った警官に「この墓石に座っているだけで罪になるとしたらどんな罪になるのか」と聞いたら、「礼拝所を冒瀆する罪か、公務の執行を不当に妨害する罪、犯罪を目的として徘徊する罪(原題)」と言われた。その時のフラーに犯罪行為をしている自覚はなかったが、かつての彼女は…と、物語はここで過去に遡る。

 処女作『ウォレンダー・チェイス』を売りこんでいたが一向に目が出ないフラーに友人が紹介したのは、自伝協会という組織で会員の自伝執筆を手伝う仕事。慇懃無礼な依頼主サ―・クウェンティン、失禁してクウェンティンを悩ませるが、フラーにはまともな言動をチラ見せするその母エドウィーナ、叙勲されたにも関わらず態度が控え目な製糖業者、ロシアの元貴族、足を怪我した女性など、周りはひと癖もふた癖もありそうな登場人物ばかり。しかしフラーも負けてはおらず、会員達の書いた原稿がつまらないからといって、脚色を加えたり、浮気相手の妻に勝手な事を言ったりと、かなり自己チュー。そんな時、フラーの原稿が消え、出版社から「処女作出版は見合わせたい」と言われてしまう。

 物語は作家となったフラーの回想といった形で語られ、現在と過去が交錯する。「既に起こってしまったこと」をフラーが書いているわけだが、そもそもフラーは作家である。つまり虚構を現実にするプロなのだから、全て本当の事を書いているとは限らない。ご丁寧に「フラーの小説に書いたことが現実に起こった」という出来事も挿入されているので、現実と虚構の境は曖昧になり、「この中の一体どれが事実なのか?」と混沌は深まる。更に言うなら、著者ミュリエル・スパークもフラーと同じく不倫体験があり、作中人物の一人のように薬に嵌っていたそうだ。この物語の中には「フラーの書いた現実(実は虚構)」+「スパークの現実を脚色した虚構」+「自伝協会の会員が脚色した虚構」など、幾重にも虚構が重なっていることになる。真実を知っているのは神ならぬミュリエル・スパークのみ。そんな彼女の姿は作中で全てをコントロールしたがるフラーやサ―・クエンティンに投影されている。それにしても「ただでは起きるか!」とばかりに、自身の辛かった経験をもネタにしてしまうスパーク、恐るべし。

1981年度ブッカー賞候補作品。2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。


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最終更新日  August 23, 2020 10:31:42 AM
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