映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。
『ベルサイユのばら』を読んだことがありますか？
あの中では王妃は愛人フェルゼンに夢中でしたが、最近になって国王夫妻について様々な事実が明らかになりました。
果たしてどちらが本当なのでしょうか？
興味を持った方はこちらの漫画をどうぞ。


マリー・アントワネット (KCデラックス モーニング)
惣領 冬実

『チェーザレ ～破壊の創造者～』でルネサンスのイタリアを舞台にした漫画を連載中の惣領冬実氏が、革命直前、ロココ期のフランスを舞台にした漫画を刊行。主人公に選んだのは、フランス国王ルイ16世と王妃マリ―・アントワネット。有名な漫画『ベルサイユのばら』で注目されて以来、数々の小説や漫画で描かれてきた夫妻のイメージは、既に固定化している。曰く、鍵作りにしか興味のない面白みのない夫と、派手好きで浪費家にして、恋人もいる妻の、破滅にしか向かいようのない一組の夫婦だ。

　しかしわざわざこのイメージを踏襲しては、刊行する意味がない。巻末に資料が添えられているが、「不仲説は後世の捏造によるもの」というスタンスの元書かれた本作では、二人はとても仲が良い。そして太った外見で描かれるルイ16世は、背が高く(なんと192cm!)なかなかのイケ面だ。対するアントワネットは、初対面時とても小さい。まるで大人と子供の結婚だ。

　淡くやわらかな色彩のカバー絵や、椅子や天井など、調度品、衣装が緻密に描かれておりロココの美を忠実に再現している。衣装、建築、そして王宮儀礼をヴェルサイユ宮殿が監修したというから、本格的だ。誰もがこのクオリティでアントワネットの処刑まで描いて欲しいと願っているだろうが、残念ながら連載は4回で終了し、側近の言いなりだったルイ16世が自我に目覚める所で終わっている。妻の誠実さは理解していながら、未だツンデレから抜け出せないルイ16世とアントワネットが、第一回で登場した聖家族のようになるには、あとどれくらいかかるのか。読者の反応を見て続編を検討するつもりか？

　遅れて刊行された『マリー・アントワネットの嘘』も参考までに読むと良いかも。

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