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November 25, 2016
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みなさん、こんばんは。雪は午後には雨に変わりましたが、寒かったですね!
今日は歴史上の人物を暑かったYA小説を紹介します。

カニグスバーグ作品集 4 誇り高き王妃/ジョコンダ夫人の肖像
A Proud Taste for Scarlet and Minibar/The Second Mrs.Giaconda
カニグスバーグ(著者),小島希里(訳者),松永ふみ子(訳者)
岩波書店

本邦初訳ということで、全集中一番期待してたのが「誇り高き王妃」。それと同時に、少なからぬ危惧も抱いていた。「世間の常識を一歩外したキャラやストーリーは、あくまで架空だったから描けたのでは? 今度は動かせない歴史的事実が山程ある人がヒロインなのだから、いくらカニグズバーグだって限界ってものがあるだろう。」と。

 そのヒロインとは、フランス王ルイ7世の妃、後にはイングランド王ヘンリー2世の妃、そしてイングランドの獅子心王リチャードの母。二国の王妃となった史上稀なる有名人、エレアノール・ド・アキテーヌ。さあどうする?と興味津々でページを開いたが、いきなりこの話は天国から始まっていた。えっ、天国? おや、そこならば、さすがに事実関係の突っ込みは入らない。

 何てったって誰も知らない所。この場面設定はカニグズバーグの勝ちかも。
そう思った瞬間から「3分に1度」のお笑いタイムが始まった。ゴドーならぬある人物を待ちながら、彼女の生前を知る人達が登場して、一生を語る。しんみりしたシーンになるかと思いきや、「天国で弁護士を見つけるのは銀行の頭取を見つけるのと同じくらい難しい。」など、彼女の鋭い突っ込みが入ってくる。井戸端会議感覚で、英仏の歴史が学べてしまう。まあ、なんとお得。
原文で読むともっと面白いかもしれないが、訳文も作品の軽やかさを損なっていない。入っていきやすい文体が、性別でも身分の上でも制約が多かった中世ヨーロッパに生きたエレアノールとの距離を、ぐぐっと近づけてくれた。

ちなみに、この本を読んでもっと彼女の事を知りたくなった方は映画「冬のライオン」か桐生操氏「王妃アリエノール・ダキテーヌ リチャード獅子王の母」をどうぞ。前者ではキャスリーン・ヘプバーンが王妃を演じている。また彼女の息子、リチャード獅子心王もかなりの有名人で、ケビン・コスナー主演の「ロビン・フッド」ではショーン・コネリーがリチャード獅子心王を演じていた。

「ジョコンダ夫人の肖像」
自ら輝ける人。「あの人は輝いている」と見極め、語る人。
そしてその声を聞き、輝ける人を見る人。
本作のメインキャラクターは、この3つ。
輝ける人はレオナルド=ダ=ヴィンチ、見極めるのは
ベアトリーチェ=デステ、輝ける人を見る人はサライ。
母も、夫すらも、姉イザベッラを一番と見ていた事実を長く受け入れてきたベアトリーチェは、当然の如く、自らを価値なきものと見なしていた。「今ある自分の美点-良いものを見分ける目-を伸ばしなさい」と言ってくれるレオナルドに出会うまで。自分もクリエイターではない事に引け目を感じていた私は、ベアトリーチェに大変感情移入できた。だからレオナルドの言葉は、私に語りかけているようで、本当に嬉しかった。芸術にしろ文学にしろ、前述の3タイプの人達がそろって初めて成り立つという事実に、大変励まされた作品。

 本作では権高で嫌な悪役に描かれているイザベッラ=デステ。塩野七生氏著書「ルネサンスの女たち」によれば、彼女にも「目の上のたんこぶ」的存在の女性がいた。弟嫁で絶世の美女、当時の法王の娘で権力者の妹、ルクレツィア=ボルジア。彼女は彼女で、心休まらなかった日々があったのだと知ると、レオナルドに袖にされる彼女が、少し可哀想に思えた。

 「誇り高き王妃」のヒロイン・エレアノールを、ぽんぽん弾けるポップコーン-本当はフランスなのでクレープシュゼットだろうが、イメージにあわないので-とすれば、ベアトリーチェはティラミスかクレームブリュレ。正反対のキャラクターのヒロイン達の生きざまを、どうぞ味わってお読み下さい。


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最終更新日  November 25, 2016 12:02:34 AM
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