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みなさん、こんばんは。みなさんは英国ドラマ『』をご覧になっていらっしゃいますか?
私はファンでずっと見ています。そんな方たちにうってつけの本が出ましたよ! わたしはこうして執事になった Gentlemen's Gentlemen ロジーナ・ハリソン モールズリー: 「Do I take it that I am now first footman?」 私は今は第一下僕としてふるまうのでしょうか? カーソン: 「You are the only footman. You are first, second, third and last. Make what you will of it.」 邸では君が唯一の下僕だ。第一、第二、第三…好きなように選べばよい。 しかし使用人の世界では身分は大事だ。貴族にも爵位があるように使用人にもヒエラルキーがあり、上級使用人である執事や家政婦長には自分の部屋があり、メイドや下僕はその下、個人付きの侍女や従者は任免権が主人にあるため、執事を筆頭としたヒエラルキーからちょっとずれたポジションという風に、給料や職業の区分が細かく分かれている。そして勿論主人には絶対服従。「おだまり、ローズ」の著者と主人の関係は、かなり破天荒だったと言っても良い。 そんな彼女が知り合った、執事となった4人プラス途中で辞めた1人(だから厳密に言えばタイトルに偽りあり)の、屋敷での人生を綴ったのが本書である。彼等の主観による記述だけでなく、章末に必ず「~(人名)の回想についてひとこと」というローズの文章で第三者から見た彼等についても補完されており、公平性を期した内容になっている。 邦題からはサクセスストーリーのような印象を受けるが、「彼等から見た変わりゆくイギリス貴族の生活」と言った方が正しい。『日の名残り』の主人公のモデルといわれる「クリヴデンのリー卿」ことエドウィン・リー氏をはじめ、5人は一度はアスター家に仕えている。この一族は、離婚率が非常に高い。アスター夫人がアメリカ人だから離婚にも抵抗がないのかと思ったが、そうなっても執事は変えない。中には執事の方から暇を申し出たら、別れる夫から「どうか彼女の傍にいてやってくれ」と懇願されたなんてエピソードもある。「主人を変えることはできても執事を変えることはできない」と言われるほどの密着ぶりだったのに、大戦を挟んでイギリス社会が大きく変化していく。その変化は紹介が後になるに従って顕著になり、リー氏が君臨していたような、主人・使用人それぞれの領分を侵さないながらも疑似家族のような所があった時代から、使用人の意識も変化し、彼等と主人の関係性が希薄になってゆく様子が、やや哀切を込めて語られる。勤務時間の終わりがあってないようなもので、ブラック企業として訴えられそうな労働条件だったのに、少しも顔には見せず軽々とこなしていた使用人達のスキルは、現代人よりも遥かに優秀だったろう。貴族たちが失ったのは、財産ばかりではなかったのだ。 【楽天ブックスならいつでも送料無料】わたしはこうして執事になった [ ロジーナ・ハリソン ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
January 9, 2017 12:10:17 AM
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