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February 4, 2017
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みなさん、こんにちは。今日は珍しく晴れていて暖かいですね。
安部首相はアメリカの雇用創出より日本の失業者対策をちゃんとやって欲しいです。
なんかすりより外交みたいでいやですね。対等ではない感じ。

こちらはイギリスを舞台にした小説です。

テムズ川は見ていた
The December Rose
レオン・ガーフィールド
徳間書店

某人気TVシリーズと似た邦題。えっ、テムズ川が語り部か?
オープニング。カメラは、怯える女性を追ってゆく。カメラが
テムズ川なのか。いや、どうやらそうではなさそうだ。だって彼女が
人目を避けて、狭い路地へ入ってゆくのに、カメラはためらいもせずついて
ゆく。川ならば、橋を越えてはゆけない。そしてカメラの目の前で、あえなく
女性は命を落とす。
そう、カメラは、ある人間の目である。その人間が、誰なのか。
大いに気になるところだが、我々の目は、一転、一気に高い家の煙突へ
向けられる。そこにいたのが、主人公、煙突掃除の少年バーナクル。
と、いってもこれは本名ではない。親も兄弟もない孤児の彼が持っていた、
たった一つの取りえは、ひっついたら、離れない事。そこから
フジツボ、「バーナクル(barnacle)」と綽名がついた。彼はたまたま
仕事中に、上流階級の人々の「国家の敵・スパイの暗殺計画」を聞いてしまう。
慌てて彼は、事もあろうに密談中の部屋にまっ逆さま。あわてて掴んだ銀のスプーンと
金のロケットのために、追われるはめになろうとは、まだこの時の彼は、
想像すらしていなかった。
舞台はヴィクトリア朝のロンドン。
ヴィクトリア朝を辞書で引くと「議会政治の発展、商工業の発達、広大な植民地支配など
大英帝国最盛期にあたる」と書かれている。これだけ読めば、何と恵まれた時代かと
思われるが、それだけでは、片手落ちだ。
同時代活躍した作家チャールズ・ディケンズの物語「オリヴァー・ツイスト」
では、孤児となったオリヴァーの悲惨な暮らしぶりが描かれる。「わが世の春」を
謳歌していたのは、たったひとにぎりの人達に過ぎなかったということか。
上流社会と下層階級、まったくの別世界を結んだのが煙突とは、非常にわかりやすい例えだ。
さて、この二つの世界、普段はめったに交わらない。「オリヴァー・ツイスト」
だってオリヴァーと富豪が知り合ったのは偶然だった。
だから、権力も金も持っている人々の、唯一の弱味が、事もあろうに下層階級の、
子供に奪われたというのは、非常にまずい。簡単には、捜せない。
ただし、どちらの世界とも自由に行き来できる人種がいた。

まあ、バーナクルは忙しく、よく動く。前半は煙突掃除として垂直方向に。
追われて町を走る時や、はしけ乗りの親方に拾われてからは水平方向に。
おまけに口も達者なので、見てて飽きない。そんな彼に焼きもちをやいて、
つい揚げ足取りをしてしまう美貌の未亡人の娘。身分相応の振るまいを
心がけるが、本当は優しい未亡人。彼女に首ったけの男前の親方。
すぐ近くにある手がかりに、気づかない彼等。追手が迫り来る中、
憎めないんだけど、もどかしい。
どちらが先に真相にたどりつくか。バーナクルの無知ゆえの嘘のせいで、
信頼が揺らぎ、まさに事態は一進一退。
単純明快に善と悪の区別がつく人々の中に、一人、わかりにくい人がいる。
バーナクルを追う警官は、自らの職務と良心の狭間で苦悩する「レ・ミゼラブル」
のジャベール警部のようだ。
基本的には、権力の近くにおり、「長い者には巻かれる」事も処世術だと
割り切っている。けれど、心の奥底には、「本当の正義」を
見抜く目を、ちゃんと開けていた。普通、こういうキャラクターは、児童ものにはなかなか
出てこないのではないだろうか。彼を加えた事で、本書は単なる冒険ものより
一歩深みを増した物語になっていると思う。


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最終更新日  August 11, 2020 04:04:20 AM
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