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July 3, 2017
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みなさん、こんばんは。自民党大敗でしたね。
首都圏でこんなに数が減るとは。
さて、今日と明日はジョン・グリーンの小説を紹介します。

アラスカを追いかけて
Looking for Alaska
ジョン・グリーン
岩波書店STAMPBOOKS

 アラスカは国の名前ではない。大人になった時に「好きな名前をつけていいよ」と言われて、とある女の子が選んだ、れっきとした人の名だ。まあ、こんな名前を選んだことからして、その女の子はかなり変わっている。そしてジョン・グリーン作品の男の子達は、困ったことに、決まってそんな女の子の変わったところに惹かれてしまうのだ。

 章タイトルはカウントダウン式になっている。二部構成の前半はbefore、後半はafter。
あらかじめ「一体何が起こるのか」という不安を抱きながら、読者は、友達が一人もいない冴えない高校生マイルズ・ホールターのスクールライフを覗き見ることになる。

 やせっぽちなのに‘太っちょ(Pudge)’と名付けられたリ、クラスメイトのとばっちり(それも間違い)で、簀巻きにされて夜の湖に放り出されたり、友達の影響で煙草を覚えたりと、マイルズはどんどん変わっていく。読書好きで、『迷宮の将軍』の中のシモン・ボリバル将軍の最後の言葉、「どうやったら、この迷宮から逃れられるんだ!」がお気に入りだというアラスカに惹かれていくが、彼女にはれっきとしたBFがいた。ついこの間まで真面目一方だったマイルズに略奪愛なんて無理な話。それでも自分にだけ秘密を打ち明けてくれたり、感謝祭に二人だけ残ったりして、気持ちはどんどん抑えられなくなっていく。

 ここで終わるとほろ苦ラブストーリーなのに、グリーンは結構シビアなクライマックスを用意して、かつ再生だとか復活だとかというような、安易な決着をつけようとしない。迷宮から出たくても、出方も出口もわからないでもがき続ける、青春真っただ中の若者達をありのままに描くことが、本作の目的であったようだ。
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最終更新日  July 3, 2017 12:09:14 AM
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