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March 9, 2018
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みなさん、こんばんは。昨日は雨で寒かったですね。
今夜からグレアム・グリーンの小説を紹介します。
『第三の男』ほか映像化されている作品が多いですが、こちらも映画化されています。

負けた者がみな貰う―グレアム・グリーン・セレクション
Loser Takes All  and Other Stories
ハヤカワepi文庫

さえない中年会計係のぼくと若い恋人のケアリーは、つましい結婚式を計画していた。ところが、勤め先の有力者の気まぐれな勧めにさからえず、高級リゾートのモンテ・カルロで式をあげることに。市長立会いの挙式、美しい海、そして豪華ヨットが待つ港町へむかったぼくたちだが、有力者GOM(Grand Old Man)氏は一向に現れない。

  タイトルから想像されるのは賭けごとだろうが、ルーレットを回る玉のように、お互いの心がつかめず行き違ってしまう、結婚を控えた男女の心理ドラマがメインだ。「金があればなぁ」と序盤で冗談まじりに言っていたことがさて現実になってみると、お互いの心にわだかまりが生まれ、それが会話をぶつけあうことでどんどん無視できない大きさになっていく様が、軽妙な会話により描かれる。カジノよりもよほど先が見えない賭けの行方にハラハラ。丸谷才一さんの訳が、とてもおしゃれ。

 例えばバートランドとGOM(Grand Old Man)氏との会話
「この数字のなかには、どんな整いも美もみつかりませんね」「ほう、ボードレールなどを読むんだね、バートランド君」はい」「わが愛誦する詩人だよ「」ぼくはラシーヌのほうが好きです。数字をやるせいだと思いますけど」「ラシーヌの古典主義にあまり重点を置いてはいけないな。バートランド君、ラシーヌには―深淵が口を開く瞬間がある」

 これはボードレールの詩『旅への誘い』の一節

「そこに全ては整いと美と栄華と悦楽と静けさと。」
を踏まえているわけで、こういう言葉が会社の中でさらっと交わせるというのはどういう時代なのだろう。殺伐とした現代では想像がつかない。

 ラシーヌ好きなぼくとGOM(Grand Old Man)氏の会話はもう一度出て来る。
「明日の晩は、ラシーヌのほうが大詩人だといってもいい。だけど今夜はボードレールのことを考えさせてくれたまえ」

4回も結婚したというGOM(Grand Old Man)氏のバートランドに対するアドバイス
「あれは善良な女だった。善良な女と別れるのはむずかしい。どうせ結婚しなくちゃならぬなら、悪い女を妻にすることだね」
もちょっとひねっていて、これにうんうんと頷ける人達の結婚体験をぜひ聞いてみたいものだ。
ちなみにぼくの新妻ケアリーは
「他の人と幸せに暮らすより、あなたと不幸に暮らす方がいいもの」
なんてバツイチの夫に言う良妻だと思うんだけどなぁ。










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最終更新日  March 9, 2018 06:31:49 AM
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