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みなさん、こんばんは。職場の同僚の子供の学級主任が、かつて私達が知っていたロックグループの初代ドラマーだったと聞いて、時の流れを感じております(しみじみ)。
ところで、今日はとんでもない事を計画した実在の作家の評伝を紹介します。 理想の花嫁と結婚する方法: 児童文学作家トマス・デイの奇妙な実験 How to Create the Perfect Wife The True Story of One Gentleman,Two Orphans and an Experiment to Create the Ideal Woman ウェンディ・ムーア 原書房 源氏物語の光源氏は、父親に育てられるはずだった若紫という少女を略取し、自邸の二条院において、周囲には彼女の素性を隠しながら理想の女性に育てる。そして最初の妻・葵上が亡くなった後に、源氏と初床となり、以後公に正妻同様に扱われる。しかし若紫―紫の上はこの後源氏の結婚と浮気に悩まされ、出家したい心境を訴えたが、最後まで許されぬまま、源氏に先立って病に倒れる。光源氏は―少なくとも一時は、理想の伴侶を得て幸せだったろう。しかし、紫の上は幸せだっただろうか? 大陸を越えたイギリスでは『ピグマリオン』を元にしたオードリー・ヘプバーン主演の映画『マイ・フェア・レディ』がある。ロンドンの下町の花売り娘イライザが音声学の天才である言語学者ヒギンズと、ひょんなことから出会い、洗練された喋り方を教授してくれと頼む。実験精神に富んだヒギンズは彼女を家に住まわせ、彼女のコックニー訛りをレディらしい英語に直すが、ヒギンズが大人としての敬意を払わないことに怒り、出ていってしまう。映画では一旦出て行ったイライザは戻って来てハッピーエンドだが、戯曲は去られたままだ。 さて、ここまでは皆フィクション。まさかこれを実際にやろうとする人はいないだろうと思ったら、いた。イギリスの児童文学作家トマス・デイだ。彼の望む花嫁の条件は以下の通り。 聡明で博識で機知に富む 政治や哲学や文学について存分に語り合える ギリシアやローマの女神のように若くて美しく 都会の悪習にも現代社会の思想にも染まっていない純粋無垢 確実に処女 『エミール』の理想の伴侶ソフィーのように肉体的に健康 寒くてわびしい禁欲生活に耐えられるくらい丈夫 まあこれだけ条件を並べるからには、さぞやご立派な御仁でしょうよ、と思いきや 顔は疱瘡の跡がついていた…とこれは病気だからよしとして、 裕福な生まれで慈善事業に熱心 虚飾を嫌う 奴隷解放論者 おや、なかなかいいじゃないか。 しかーし!髪はぼさぼさ、服装は構わない。何より 頭でっかち!本に出てきたような女性が実際にいるはずないじゃないか!今でいうオタクか。妄想だけで終わればいいものを、下手に親が財産を残し、かえって計画を奨励する友人もいたために、彼は計画を実行できてしまう。孤児院から少女を引き取り、名前まで変えて、ルソーの教育論に則って理想の花嫁を作り出そうとする。ここで問題なのは「作り出す」という言葉だ。一から作るというならば、最初からあった「彼女」はどうなる? 教育という言葉をはき違えてしまっており、何より他人を自分の思い通りにできる(してもよい)と思い込んでいる考えがおかしい。彼の実験は勿論失敗するが、そのために費やした彼女の人生はどうなるのか。当時ならば少女はメイドとして雇われているものだと周囲は考えるが、デイは人々に会わせる時に娘であるかのような振る舞いをさせる。失敗したからと言って放り出した時、少女たちは自分の経歴を文字通り語ったら、かえって邪推をされてしまう。 そんな先の先まで考えられないようならば、かつ、子供であろうと、人の気持ちを理解しようとしないならば、教育なんてしないほうがいい。常に現実の先を行く人間の想像力を、作家であるデイがなめていたのではないか。 『中古』理想の花嫁と結婚する方法: 児童文学作家トマス・デイの奇妙な実験KSC お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
April 10, 2019 12:00:47 AM
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