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July 1, 2020
XML
カテゴリ:アメリカドラマ
みなさん、こんばんは。菅原前大臣の不起訴ってなぜなんでしょう。検察は及び腰になってるんでしょうか。

今度は映像作品の紹介です。
ドラマ​ボルジア家 愛と欲望の教皇一族​シーズン2を見ました。


ボルジア家 愛と欲望の教皇一族 Season 2
The Borgias

出演
ジェレミー・アイアンズ ジョアン・ウォーリー フランソワ・アルノー 
ホリディ・グレインジャー ショーン・ハリス コルム・フィオーレ  ジーナ・マッキー 
ルーク・パスカリーノ ノア・テイラー バーバラ・フリン

監督&脚本
ニール・ジョーダン デビッド・リーランド

監督
ジョン・アミエル

前シーズンに続き、ボルジア家をさらなるスキャンダルが取り巻く。アレクサンデル6世がローマ復興を目指す一方、新たなライバルが出現。愛する人を失ったチェーザレは戦地へ赴くようになり、リーダーの才能を発揮。また、ある事件がきっかけで、ルクレツィアとホアン、そしてチェーザレの関係が骨肉の争いへ発展していき。

教皇アレクサンデル6世=ロドリーゴ・ボルジア 
ジェレミー・アイアンズ
ボルジア家のゴッドファーザー。ゴッドファーザーのヴィトーのポジション。改革に乗り出す一方で愛人ジュリアがいるにも関わらず他の花に目が行ってしまう一面も。自分達を置いてローマを去った枢機卿に対する復讐に燃える。長男チェーザレが自分に隠れて何かをしている事に感づいているが、相変わらず「息子の一人は枢機卿、一人は軍人」のポリシーを変えずチェーザレを苦しめる。結婚を拒むルクレツィアに困って次から次へとお見合いをセッティング。

チェーザレ・ボルジア フランソワ・アルノー
バレンシア大司教で枢機卿。ゴッドファーザーのマイケルの役どころ。弟ホアンの数々の失策を知りながらも父には言えない優等生兄だがフォルリの奇襲を知りながら教えないなどイジワルな面も。父の手足としてミケロットや町のゴロツキと表だっては出来ないプチ軍事行動で自分の能力をアピールするも、強硬な父親の反対に遭い緋の衣を脱がせてもらえない。最後は自分で脱ぐ。妹ルクレツィアには甘く、Season1で約束した「お前を傷つけた男の心臓を抉り出してナイフを差し出す」の後半分を遂行。女傑カテリーナ・スフォルツァと熱い時を過ごす。
髪型がちょっとカールしてありSeason Finalではロン毛のくるくるカールに。

ホアン・ボルジア デビッド・オークス
ゴッドファーザーのソニーの役どころ。彼が現れる所嵐が起きる。教皇軍総司令官。選民意識が強く、ルクレツィアに会いに来たパオロを殺して自殺に見せかける。しかしパオロが文盲だった事を知っていたルクレツィアに簡単に見破られ殺されそうになる。スペインに嫁取りに出かけ、頼りになる部下を連れて戻ってくるが、梅毒ももらって来る。痛みを抑えるため阿片の服用を勧められ次第に粗暴な行動を取るようになる。戻ってきても軍事の腕はからっきしで、フォルリ包囲に失敗して一人逃げ帰って来る。ルクレツィアの息子ジョヴァン二を高い所から落とそうとしてチェーザレの怒りを買い殺される。

ルクレツィア・ボルジア ホリディ・グレインジャー
ゴッドファーザーのコニーの役どころ。子供を生み逞しくなった美女は単なる父親の駒として動く気はない。子供の父パオロをホアンに殺され深く傷つくが、何かが覚醒したような素振りも。再婚の申し出も断り続けるが、断り切れないとなるとアバンチュールを楽しむ。教皇の代理として席に座ったこともあり、ジュリア・ファルネーゼと共に枢機卿の弱みを握り公共事業の施策を実行。

ヴァノッツァ・カッタネイ ジョアン・ウォリー
教皇との間に4人の子がいる。新しい愛人ができたか?とそわそわするジュリアと共闘関係に。元高級娼婦で裏事情に詳しく、ジュリアとルクレツィアの公共事業実施に協力する。結婚を拒むルクレツィアに「夫と愛人どちらも手に入れればいいのよ」と大胆発言。

ジュリア・ファルネーゼ ロッテ・ファービーク
貴族出身。教皇の美しき愛人だったがその地位が脅かされる。教皇から帳簿の監査と公共事業を任される有能な女性。

ジュリア―ノ・デッラ・ローヴェレ コルム・フィオーレ
アレクサンデル6世の政敵。初回で口がきけなくなる重病になるが、襲ってきた強盗にナイフを投げるなど殺生には寛容。ドミニコ会のサヴォナローラに接近し、自らは教皇毒殺計画を練る。聖職なのに、後に教皇ユリウス2世になる人物なのにいいんだろーかこんなキャラ変して。

アスカーニオ・スフォルツァ ピーター・サリバン
枢機卿。ローマの名家出身。副尚書として時に無茶ぶりとも思える教皇の要求をすべてこなす有能な部下。教皇に対抗するカテリーナ・スフォルツァとは意見を異にしている。

カテリーナ・スフォルツァ ジーナ・マッキー
強気の女城主。人呼んでイタリアの女傑。ルクレツィアの元夫とは親戚。息子を人質に取られても「あと10人息子を生める」と城壁から言い放ったエピソード(Episode7登場)で有名。教皇からの要求を持ってきたチェーザレを色仕掛けで誘惑。フランスから大砲を借り受ける。

ジローラモ・サヴォナローラ スティーヴン・バーコフ
武におけるボルジア家の敵がカテリーナ・スフォルツァだとすれば、宗教界における敵が彼。ドミニコ会修道士。瞬くまにフィレンツェを掌握し、虚飾を嫌いメディチ家や貴族の芸術作品、文学作品を焼き払うよう命じる。教皇から誘い水をかけられたり脅されたりするが動じない。
ジュリア―ノ・デッラ・ローヴェレが接近する。ミケロットの性的嗜好を見抜く。最後は火あぶりにあう。

ミケロット ショーン・ハリス
チェーザレの優秀な部下兼殺し屋。愛だの人生だのよくわからんストイックなキャラクターかと思っていたら本Seasonでまさかの恋人発覚。たぶん攻め。そしてイタリア男らしくマンマに頭が上がらない。父を殺した過去があるが母には伝えていない。母はミケロットが医者だと信じている。

フランス国王シャルル8世
教皇にだまされて疫病だらけのナポリに赴きナポリ病で死線をさまよう。奇跡的に復活してリベンジを誓いナポリ王子を剥製にするよう命じる。Episode8にて「頭をぶつけて亡くなったらしい」と枢機卿が伝え笑うが教皇は枢機卿達を叱りつける。教皇からは君主として尊敬されていたようだ。

ピエロ・デ・メディチ
ロレンツォ・デ・メディチの長男。弟は枢機卿。銀行業を営む。サヴォナローラによってフィレンツェを追われ教皇に庇護を求める。

ニッコロ・マキャベリ
後の『君主論』著書。メディチ家の密偵でありながら、チェーザレに情報をもたらす。ピエロを無能扱い。

第1話ふたつの顔 The Borgia Bull
スキャンダラスな幕開けを迎えるセカンド・シーズン。教皇アレクサンデル6世は新たな愛人を手に入れる。ルクレツィアは生まれたばかりの赤ん坊の世話をし、チェーザレとホアンは兄弟間のライバル心をあらわにする。

冒頭ローマを離れているデッラ・ローヴェレ枢機卿。
信者たちに儀式を施している。ワインにクスリをいれる少年。ワインを飲み次第に具合が悪くなり倒れる枢機卿。

信者に紛れて座っているチェーザレの前で倒れる枢機卿。
「飲み物に毒が」

部屋に入ってくるチェーザレ。枢機卿は口がきけない。
チェーザレ・ボルジア「ご心配なく まだ死んでないなら命は助かる。舌の腫れはしばらく続く 口はきけない 祈りは心の中でどうぞDon't worry. If you're not dead by now, you will live. Your tongue will be swollen for days... no talking. I'm afraid all your prayers must be silent ones.ミサの従者もカンタレラも当てにならないものだ もうお分かりでしょう 隠れ場所はどこにもない ウンブリアのオリーブ林の奥でもあなたを探し出す」
チェーザレ・ボルジア「フランス軍はナポリで足止め 国王はナポリ病に 神は天におられ教皇はローマにおいでだ そして私の願いも変わっていない 手を組みましょう 敵対せずにThe French army is ensnared in Naples. The French king is ill with the Neapolitan disease. God is in his Heaven, and the Pope on his seat in Rome... and my plea to you, Cardinal, is still the same. Work with us, not against us.」

少年を井戸に落とすミケロット。
チェーザレがやって来る。
「用事は済みましたか」
「今はな」 

魅力的な美女を湯に入れている教皇。
ビアンカ「また会えますか 聖下?Will we meet again, Holy Father?」
教皇「たぶんなPerhaps.」
「それなら私は愛人?Am I to be your mistress then?」
「それは違う その席は埋まってるAlas, no. That position is taken.」
「せめて祝福を 一晩ご一緒した仲です。」
「もう何度も祝福を授けている ジュリア・ファルネーゼが戻って来る 許されるはずがないこんな事を」
そこへジュリア・ファルネーゼ帰還の報せが。慌てる教皇。ここはちょっとコミカルなシーン。タッチの差で自分が湯あみ。
「ジュリア・ファルネーゼ 会いたかったぞ」
ベッドで自分のではない下着を見つけるジュリア。
赤ん坊の泣き声が聞こえて教皇はルクレツィアの元へ。ルクレツィアに乳母をつけようと言う教皇。

スフォルツァ枢機卿「 フランス大使がお待ちですThe French ambassador waits, Holiness.」
教皇「まだ死んでないのか? Isn't he dead yet?」
「ご健在です He isn't even sick.」
赤ん坊を抱きながら謁見の場へ。背中がゆらゆら揺れながら席へ。
フランス大使「居所をご存知かとアルフォンゾ王子が逃亡中です 王冠を授けたのは聖下」

チェーザレとホアンが教皇のもとへ。一転して厳しい表情の教皇。
教皇「今もデッラ・ローヴェレ枢機卿は生きているのか」
チェーザレ「屍同然ですが」
ホアン「殺し方も知らんのか」
教皇「やめろ フランスのシャルル王は?」
チェーザレ「ナポリ病であえいでいます」
教皇「狙い通りだな 今こそ裏切り者たちに報いを与える時だ ロマーニャと教皇領の名家ばかりだ 何としても復讐せねばならん 枢機卿の立場にある者は今後は教皇に従うだろう だが一族が不興を買ったと思い知らさねばならん」
ホアン「復讐は神がなさること」
「この復讐は我らがするのだ 教皇領にある傲慢の芽は摘み取らねばならん 一つずつ 彼等を同盟軍に引き戻せ だがスフォルツァ家は教皇への裏切りに対し贖いが必要だろう」
チェーザレ「やるのは この愚か者?」
ホアンとチェーザレが喧嘩に。
教皇「兄弟で仲違いはよせWe are family, we are one, and we will only triumph as one.我々は家族 皆で一つだ 勝利は全員で勝ち取るのだ」
「復讐だけではない 復興せねばならぬ ローマにかつての栄光を取り戻すのだ ボルジアの下蘇らせる カエサル統治下の輝きを その偉業の成就はお前たちの生まれ持った特権だ 結束しろ 一つになれ 家族としてな わかったら声に出して言え」

それでもおさまらないのが兄弟。
ホアン「新しい剣を作らせた 薄く復讐の念のごとく鋭い 音もいいぞ 聖職者の手には似合わない 聖職者の手は祈るためにある」
チェーザレ「かかってこい 私から手は出さない 父上が禁じている」
「遊びでも?」
「遊び?か弱い弟とは楽しめんな」
「侮辱と受け取ろう」

ホアンを追い詰めたチェーザレ「父上が許さないのはカインの罪だ」
ホアン「大ごとだな」
ミケロットが割って入る。
「意味はご存知?」
ホアン「殺すこと」

洞窟の絵画を見るジュリア・ファルネーゼ「Mmm... those Romans knew not monogamy.古代は一夫一婦制でなかった」
「この絵を保存しよう 後世のために」

チェーザレとルクレツィアのいちゃいちゃタイム。
「抱いていいか」
「起きてしまう かわいそうだわ」
「では妹を抱こう 誰だったっけ この子の父親の名は」
「馬丁よ パオロ ナルキッソスと」
「妬くべきかな」
「神話にもあるわ そんな愛はかなわないSuch Love is Impossible」
「“かなわぬ愛”かImpossible Love そんな愛こそくせになるものだ」
「誰を愛するより先に大切にすべき人がいるわ お兄様自身」

ナポリで重病に苦しむフランス王シャルル。
男性の画家見習いの中にいる女性ヴィットリアを見つける教皇。ジュリアが両足の靴下を別々の色にしたのも気づかない。

ローマで催しを考える教皇「与えるのは彼等にないもの 喜びだ」
ジュリア「聖下にも“ないもの”が?私の存在ではもう満たされませんの?」

夜にヴィットリアに話しかける教皇
「お前はアダムではなくエバだなYou are more Eve than Adam.」

「広場に記念碑を建てる 木製で火をともし最後に燃やす ボルジアの牛だ」
「喜びに値段があるか スフォルツァ枢機卿 いくらかかろうと安いものだ 全ローマに悦びを!」

ジュリアもヴィットリアの正体に気づく。
ジュリア・ファルネーゼ「その牛はなんというか去勢されてる 男の強さが感じられない あなたのように」
「ヴィットリオ 巨匠ではありません」
「なら愛人?」
「髪の毛をうまく隠してる なぜ男のふりを?」

競馬でずるをしてホアンに落馬させられるチェーザレ。代わりにダンスしているホアンの足元に菱を。

ヴァノッツァがジュリアに「心変わりを恐れてるのね 二つの顔のうち一つを自分に向けさせればいいわ」

ヴィットリアとジュリアがキスしている所に教皇がやって来る。

 赤ん坊を抱く代わりに妹をバックハグしたり子供の父親について「妬くべきか?」と聞いたり今回も絶賛熱愛中の兄妹。本当に自覚がないのか君たち。S1初回では奔放な若者だったチェーザレも今回は最初から陰謀を巡らす策略家として飛ばしている。

 教皇にはめられナポリ病で苦しんだフランス国王が逃げ回った病の元にきっちりリベンジ。本編の教皇はお茶目でセクシーで憎めないキャラと「この復讐は我らのもの」とリベンジを忘れない酷薄なキャラとまさに二つの顔を持っている。兄弟の対立が激化

第2話罪深き関係 Paolo
赤ん坊の父親である馬丁のパオロがルクレツィアに会いにローマを訪れる。だが歓迎しない者もいた。一方、教皇は二人の愛人と共に、ローマの街へ繰り出し、貧困の現状を知る。

教皇「ゆうべおかしな夢を見た この寝台に3人が」
ジュリア「夢でなかったら?本当に3人でした」
「それは私が誘ったのか それともそなたが 記憶がどうも」
「私ですわ 聖下 罰として鞭打たれます?」
「縛り上げて手酷くな」
「いつ?」
「後でだ」

教会で絵を描く画家。チェーザレがウルスラ改めシスター・マルタを待っている。まだ彼女に未練があるのだ。
「シスター・マルタ 何かわかるか?」
「寄贈していただくフレスコ画です」
「やってもらう 寄進者の私の望みだ 聖チェチェーリアは美しかった」
「修道女ではありませんでした」
「分かってる 冒涜なのは だがフレスコ画のためだ 髪を描けるな ピントリッキオ」

スフォルツァ枢機卿は教皇が庶民の暮らしを知らないと言い放つ。
デッラ・ローヴェレ枢機卿が連れている猿の名前はユリウス。後の教皇になる時の名前。ヴィットリアとジュリアとお忍びで街を歩く教皇。
教皇「何という暮らしだHow can people live like this?」
ヴィットリア「 やむを得ずBecause they have no alternative.」
「鼠と鳩だらけだ」あまりの汚さに驚く教皇。
ジュリアに帳簿のチェックを依頼する教皇「増えすぎた鳩を駆除するのだ 施しと鳩駆除偉業はどちらか」
ジュリアが監査する旨を枢機卿に伝える教皇。
「女は計算できないと?足すのも引くのも 複式簿記と呼ばれます 消えた資金の行方を特定するのに役立ちます」
デッラ・ローヴェレ枢機卿はローマを目指す。途中で暴漢に襲われるが撃退。強いね。

「獲物の多いローマは楽園だな 腹を空かせているか?」鷹を放つ教皇。
「鷹の大群を飛ばさねばなTou must get me a battalion of those birds.」

噴水でルクレツィアに再会したパオロだが
「平民が貴族の娘に近づくな」ホアンにはたき出される。
「舌を斬ったら言い訳できなくなる」舌を斬ろうとしたホアンをルクレツィアが止める。
パオロ「多分また会える 僕の天国に」

夜に噴水でパオロと会うルクレツィア「でもこの愛は許されないの まだ物語を読んでないのね わかってるわ 字が読めないのね なぜ会いに来たの 思いが募るだけなのに」
「死ぬ前に一目」
「死ぬなんて言わないで」
「ローマを離れます ボルジアに優しさがあるなら息子に一目会わせて下さい」
パオロを助けてくれた女性「あれがそうなの?愛って あたしは仕事に生きよう」

ホアンに気づく「それって金貨の音じゃないの?ここに投げ入れない?」
「人前でいい恥さらしだ 相手は?」
「どこかの田舎者よ 子供の父親だって」
「もっと稼ぎたいか」

戻ってくるとチェーザレが
「恋人がいるのか?」
「いいえ お兄様 その子には父親が ローマに来てるの」
「どうかな 許さない者もいる」
「ホアンなら皮をはぐ」
「命がけで守ってくれた」
「彼を愛してたのか」
「たぶん今もPerhaps I did.」
「母上も孫に会いたいだろう」
妹に優しいチェーザレが会う手はずを整える。

パオロを連れてきたミケロット「何を怖がってる?俺が醜いと?殺されたいのか 今夜はよそう ついて来い 愛する人に会いたいだろ?だったら来い 愛ってどんなものだ 俺は知らない」
ヴァノッツァ「私は外そうかしら いれば関わったことになる」
ルクレツィア「この事は誰にも言わないで 彼を父親に会わせたいの」
ヴァノッツァ「ローマでは愛は命取りになる」

屋敷に着いて「話せ 愛ってのは」
パオロ「残酷だ」
「人生みたいにかLikeLife そうだろ?Yes?この俺みたいに」

階段で見つめ合うチェーザレとパオロ。

パオロを見ているヴァノッツァ。「かわいそうな人ね」
チェーザレ「ここだけの秘密に」
「秘密なら大好きよ」

女に気づくミケロット「密偵か 雇い主は?」

ホアンがやって来る。
「彼が雇い主か?心を読んだ」

ホアンがヴァノッツァを訪ねてくる。
「酔ってるな ここはもう家じゃない」
「母親に頼む 周りを嗅ぎまわる犬がいたら 明日にする」
帰ろうとしていたホアンが赤ん坊の泣き声に気づく。チェーザレの鳩は全て鷹に殺されていた。

ホアン「俺を愛してるか?」
チェーザレ「お前のために人を殺せる」
「だが俺を愛してるか?」
「わが身のように」
「今の自分は嫌いだろ」
「なかなか鋭い」
「だが兄上も家族を愛してる 家族の名前を ボルジア」
「ボルジア」

パオロ「乳をやるのも見届けられないとは 二人のため喜んで死ねます」
ルクレツィア「だから行って 生きていて 手紙を書く」
「読めません」
「学ぶといいわ」
パオロを送り出し泣き出すルクレツィア。

ホアンの部下につかまり橋に吊るされてしまうパオロ。
「自殺だSuicide 教皇にも許せぬ罪 死人は告解できないからな そうだろ」

殺した女を川に投げ捨てるミケロット「見たことは川に言え」

 3Pの翌朝に突如庶民愛に目覚め街にお忍びに出かけ鳩退治と枢機卿の無駄遣い撲滅に燃える相変わらず振り幅が大きいセクシー教皇聖下。チェーザレの鳩まで退治されたことが兄と母が守ろうとした妹の秘密を暴き悲劇に繋がる。本シリーズは本当に骨肉相争う回。

 チェーザレが愛する妹と元彼(恋敵?)の密会のため手練れの暗殺者をガードにつけてまで成功させたのに庶民を激しく憎む弟の暴走が悲劇に。後に自分が教皇になった時の名前ユリウスを猿につけるデッラ・ローヴェレ枢機卿。口はきけないがナイフ捌きは凄腕。

第3話美しき策略  The Beautiful Deception
教皇とルクレツィアがパオロの埋葬をめぐって意見を対立させるなか、フランス軍が再びローマに進軍してくる。その頃、デッラ・ローヴェレはひそかにローマに戻り、新たな策略をめぐらしていた。

Season2の目玉は何といってもCanon=大砲。イタリアにはなく宿敵フランスが持っているものにどうやって対抗するか。またどうやって手に入れるか。

パオロの死体が発見される。市場にいるルクレツィアに知らせまいとするチェーザレだが
結局彼女は知ってしまう。
「何か隠してない?」
「広場を通って帰ろう」
「見るな」
「だったら目を潰して」
「見世物じゃないぞ」
妹のため剣を振り払って見物客を追い払うお兄ちゃんチェーザレ。
「私のせいよ 私が悪いの 何もかも私のせい 彼の愛情も思いやりも奪った すべてボルジアの女を愛したせいよ」
「自分を責めるんじゃない 自殺だ 書置きが」
ところが字の書けないパオロの遺書を見たことでルクレツィアは確信する。
ずっと抱きかかえて家まで連れてかえるお兄ちゃんチェーザレ。

「死にたいの」
「赤子がいるんだぞ」
「あの子も一緒にパオロのもとへ」

ローマへ密かに戻っていたデッラ・ローヴェレ枢機卿はドメニコ会と接触を図る。

チェーザレ「悲しい知らせが」
教皇「まだ悲劇が残っていたのか」
「妹の子の父親が」
「父親がいるのか 当然だな」
「遺体で見つかりました ローマです」
「ローマに来たのか」
「会いにきたのです 恋人と息子に」
「会えなかったのだろ?」
「もちろん そして自ら 命を絶ちました」
「妹は知ってるのか」
「愚か者め ローマに来るとは 妹を案じているのか」
「赤子のことも」
「なぜ赤子を」
「ルクレツィアが寄せ付けません」

教皇が慰めにやって来る。
「親しい者を亡くしたのか 私の知らない者を 知っていたら故郷に送り返したものを 自殺した者に神の御加護は与えられん 教皇の憐れみも 赤子が呼んでおる さあ つかまれ そうして体を起こすのだ 赤子の世話をせねばならん」
起きようとしないルクレツィア
「どうすればいいのだ?」
「ホアンに聞いて」

教皇「チェーザレあれを正気に戻さねば」
「自分を責めてます 彼に夢を見させたので 不幸な結婚の慰めだった男が来たんです そして死にました」
「ホアンが絡んでるのか」
何か気づいた風のチェーザレ。
「家族を引き裂いてはならん 赤子の命も救うのだ」

「彼を始めドミニコ会は反ボルジア派だ 手段は同じでしょうか?」
デッラ・ローヴェレ枢機卿「それを話しあいたい」

ヴァノッツァ「親は子に会いたいの 誰よりもわかるでしょう?You of all people should understand, Rodrigo, the need to see one's child.」
教皇「愚かにもほどがあるIt was beyond foolish.」
「ルクレツィアを許してBut you can forgive her surely.」
「 問題は あれが自分を許せるかだQuestion is... can she forgive herself?」

教皇「彼に会ったのは」
ホアン「一瞬だけ」
ホアンも交えて話し合う家族。
「彼を手にかけたのなら今こそ罪を告解しなさい」
「懺悔します」
「何をだ」
「やってないこと」
殴りかかろうとする教皇
ホアン「妹を再婚させるのでは?」
教皇「いいか 気を付けろ さもないとお前が貧民に成り下がるぞ」

デッラ・ローヴェレ枢機卿「枢機卿は皆彼の手の中 狼が世に放たれた何もせねば食いつくされる」
「教皇の暗殺は説いてない 彼に話しますか?」
「もし彼の同意を得られたら?」

再び赤ちゃんの泣き声だけが聴こえる。ルクレツィアは一言もしゃべらない
ルクレツィア「パオロに信徒の葬儀をPermit my Paolo a Christian burial.」
教皇「自殺した者にはできんHe is a suicide. It is impossible.」
「遺書がありましたThis note was pinned to his sleeve.」
「 自殺した証拠だYes, a suicide note.」
「彼は読み書きできないの 自分の名前も書けなかったBut he could not read or write, Father. My Paolo could not even pen his own name.」
「では殺されたのか 犯人はどこに?So it was murder! Where is the murderer?」
「ごく身近にいるわToo close for comfort.」
「家族同士で争うことは許さん」
「私はパオロを地獄の業火から救います」
決意がかたくなだと見て取った教皇は
「ではそなたは赤子に乳をやれ」

「その子ジョヴァンニの父親は自ら命を絶った 飢えた子を救うため彼には本来禁じられた埋葬の儀を行う 信徒としての」
チェーザレ「認めるのですか 自殺ではないと」
「ローマは危険な所だ」
「きわめて危険です」
「地獄から救ってくれたのね ありがとう」
ルクレツィアの赤ちゃんハンガーストライキ成功。

教皇「告解しに来たのか」
ホアン「遺憾に思います 妹のこと その悲しみを」
「お前は花嫁を選ぶのだ 先祖の故郷であるスペインの女を そしてスペインに行き立派なボルジアの男になれ 期待通りのな」

カテリーナ・スフォルツァはフランス軍の将軍に大砲のレンタルをリクエスト。
車いすに乗ってフランス王シャルル8世がやって来る。「親戚が多いそうだな 皆そなたのように不能か?」
ジョヴァンニを皆笑う。
「あれはボルジアによる中傷 教皇本人が仕組んだ」
フランス王シャルル8世「イタリア人の復讐好きには我々も舌を巻く」
カテリーナ・スフォルツァ「 イタリア人は雪辱を果たさずにはおきません 一方スペイン人は戦争を好みません」

上の階のホアンと女性の声を聴いているルクレツィア 冷たい表情だ。
ベッドを支えている綱の下に蝋燭を置くルクレツィア。子守歌を謳っている。
やがて綱が切れる。ホアンは女性の下になって助かる。
誰がやったか気づくホアン。

ホアンが嫁取りに出かけてゆく。
ルクレツィア「兄弟との別れは寂しいわね?」
チェーザレ「当然だ 太陽さえ顔を隠す」
入れ替わりにミケロットが。フランス軍が来る。
「騙されたと感じ復讐する気です 城壁を大砲で吹き飛ばすと言ってます 凌辱し財宝を奪い損失を取り返すと」
「急がねばなるまい」
「火には火で応じる」
100の大砲を1週間で作るよう命じられるヴィットリア。
「枢機卿団は?逃げますよ 鼠のように」

「火薬を使う」
「我々はこの偉大なローマを護る 命と資金と」

ところが一か月かかると聞いて驚くチェーザレ。
「青銅は売ったんです 聖下の御命令で お許しを」
「ローマはこの小さい大砲のようだ」
「見本は青銅でなく石膏で作ります 安いし」
何かを思いついたチェーザレ。

「教皇を殺してくれるかもしれない」
デッラ・ローヴェレ枢機卿「もし私に富があれば賭けてもいい ボルジアはまた二枚舌で勝利する」

チェーザレ「まるで本物だ はかない幻に実が伴いそうだな」
ヴィットリオ「偽装ならお任せを」
その言葉に何か気づいたチェーザレ。
「お前は」
「はい 猊下 お許しを 聖下からお聞きかと」
「この街に見た通りのものはないのか 少なくとも秘密は守れるな」

教皇「王が求めてきたのはローマの通行許可だ 王には動機がある」
チェーザレ「二人のスフォルツァにも」
「復讐の三位一体だな」
「私を信じて下さい こんどこそ」
「フランスの使者に伝えろローマはただの城壁ではない 永遠の都なのだ ローマは断じて凌辱されるつもりはない これがロドリーゴ・ボルジアの返事だとな」

「通行を拒否されました」
カテリーナ・スフォルツァ「何ですって」
フランス王シャルル8世「スペイン人ながら教皇は戦好きのようだ 当てがはずれたな スフォルツァ殿 それは今一度戦に備えるかYour Spanish Pope has more appetite for war than you imagined, Lady Caterina.So we must will ourselves to battle once more.教皇の血でこの病は癒えるだろうか スフォルツァ殿You think the blood of the Borgia Pope could cure us, Caterina Sforza?We could bathe in it together, Your Majesty.」
「一緒に浴びましょう」

はったりの大砲を笑う男を刺し殺すミケロット。
枢機卿「ご子息に大砲の何がわかる?」
チェーザレ「存じています 戦にはなりません」
教皇「確かだろうな 神の御加護を」

門が開き一瞬天を仰ぐチェーザレ。
「我が壁は想像より強い」
フランス王がやって来る
シャルル8世「やることはフランス風にやる これは歓迎のしるしか 忠告しよう 余はローマを壊滅させる 大砲があれば12時間で」
「先に火を噴くのはこっちかも」
次々と落とされる旗。その向こうには大砲が。
カテリーナ「一体どうやって」
「陛下の発明品は見事ですな 大きな軍勢も鎖でつないだ大砲なら お顔の色が悪い」
「ナポリ病なのだ」
「戦は延期しましょう まっすぐ祖国にお帰りになるのもいい」
将軍「砲撃を開始しますか?」
「余が愚か者に見えるか?」
「いいえ 陛下」

フランス軍は退却。鐘が鳴る。
「奇蹟だ まさに奇跡だ」
ジュリア「聖下 フランスは去りました」
「あの鐘を溶かさないと」
「溶かしてどうする?」
「大砲を作る こんどこそ本物を」
にっこり笑うチェーザレ。抱きつくルクレツィア
「お兄様はすごい 天才ね」
ををハッピーエンドだ。

今シーズンキーワードはCanonとGunpowder。教皇VSスフォルツァ家&フランス王対決は、はったりの大砲とチェーザレの口八丁でまずは教皇(とその息子)の勝ち。愛する人を殺した兄を可能性は残したが死なせる罠を作り子守歌を謳うルクレツィアも覚醒。

第4話 闇夜の奇襲 Stray Dogs
教皇はある重要な決定を下す。それは、チェーザレと共に、残忍なフランス軍を迎え撃つべく、軍を引き連れて戦地へ赴くため、ヴァチカンの権限をルクレツィアに預けるというものだった。

まだ鐘が鳴り響く中ヴィットリオを祝福する教皇。
教皇「戦に策略は欠かせんなSo deception has a place in warfare?」
チェーザレ「人生にもAs in life.」
「まさしくIndeed」

ミケロット「フランス軍がオスティアを通りました 聖チェチーリア寺院にも」
チェーザレは死んでいるウルスラを見つける
「彼女が信じた神は耳を切り落とさせた」
「神の事は存じません」
「神に祈りは通じない 慈悲も無い 私の心は空っぽだ 残った感情は一つ 復讐だVengeance」
「復讐こそ悦び」
「偵察隊の仕業です」
「ではこの怒り思い知らせよう」

「ローマには迷い犬が 集めてくれ 復讐の技を教え込もう」

スフォルツァ枢機卿「美しく欺かれたとかお見事ですな 優先事項は変化します」

荒くれ男達の背中を叩くとあら不思議。男達がミケロットについてくる。
「お前たちのことは聴いてる 憎み合う仲だそうだな もっと憎い相手がいるはずだ お前らの土地を荒し財産や女を略奪しながら そう フランス軍のことだ」
「フランス軍を潰せってのか?」
「いや 弟の軍にも無理だった だが憂さ晴らしはできる 復讐するんだ 夜討ちをかける お前たちには戦利品 我々には復讐だ 馬で出かけ変装し覆面する 志願者はいるか?」

スフォルツァ枢機卿「聖下に同盟のことを話した 乗り気でおられる 教皇らしくないことなら」

フランチェスコ・ゴンザーガの妻は何と教皇の愛人だったビアンカ。双方びっくり!
「外交問題など退屈ではないか 公爵夫人」
「ええ 確かに しかし夫の愛で満たされています」

「どうすれば憎しみが愛に変わる?」イル・モーロにつっかかりまくるチェーザレ。
フランチェスコ・ゴンザーガ「聖下はイタリア中に勇気をお示しになった 我々はそれにならいます」
「敵は逃げ帰るところでは?」

「“名誉”とは」
「フランスが美しいイタリアを去ってもミラノはここにいるからだ 同盟軍はフランス軍には勝てん 敵が弱っていてもな またフランス軍も同盟軍には勝てまい もし両軍が互いに殺し合うとしたら法律家がよく言うだろ クイ・ボノと トスカーナまで見に行く価値がある」

教皇の事業をジュリアに手伝ってと言われるルクレツィア。
「愉快ね 枢機卿たちを出し抜くのはIt would be fun to outwit a brace of cardinals.」

チェーザレの武器講座。
「同盟軍は真っ向から戦う 名誉やらのために」

待ち伏せしていたチェーザレと傭兵は偵察隊を襲う。
「修道院ではさぞや収穫があったことだろう」
「修道院のことを聞いた あんたが寄進者だって ジョヴァンニ・スフォルツァ郷」
「慈悲にすがりたければ話すことだ」
「ええ それが真実なら」

教皇「隠し事があるな?噂を聞いた 闇に紛れてか 戦闘行為を」
チェーザレ「戦闘ではなく復讐です」
「お前は軍人ではない」
「それでは隠し事のままで」
「もう広まってる 復讐の何たるかを教えてやろう 復讐はそれと見えてはいかん 予想外の方法でないと まして公に知れてはならん」
「神に学びましたか」
「戦争には疎いが復讐には詳しい 第一に復讐は忍耐を要する 一生待つことすらある 恨みは色あせない 私と戦地に行けばわかる」
「留守の間守るのは?副尚書ですか」
「汚れなき者の手に委ねることにした 心から信頼できる者にな」
教皇席にちょこんと座っているルクレツィアを見て笑うチェーザレ。
「Show me your hands,Cesare手を見せて お兄様 噂は本当なの?血で汚れてるって」
「告解しろと言うのか」
「いいえ でも昔は秘密なんてなかった」
「言わない方がいいことも」
「私には見えるわ 魂にかかる黒い雲が お兄様は迷える子羊」
「そう 道を失ってる」
「なら何としても私がお兄様を助けるわ」

戦場に行く教皇を見送るデッラ・ローヴェレ枢機卿「聖ペテロの聖座を娘に預けたそうだ」

料理を使って枢機卿の無駄遣いを指摘するルクレツィア。
噴水に水が戻ってきた。

「フランス王が謁見を求めています」
シャルル8世「余は病んでいる 戦を最後に死ぬかもしれない だから内々に謁見を求めたのです」
「告解のためでなく?」
「余の罪は数えきれません 血なまぐさい罪ばかり ローマ教皇と言えども許せないでしょう」
「では何のためにここへ?」
「あなたの外交手段によって戦を回避して欲しい」
「あなた方が略奪した戦利品を全て教会に渡すというなら考えてみてもいいでしょう」
「あなたは一度余を騙した 神の代理人とは思えない 実に卑劣な」
「ならなぜ呼んだのです」
「愚かにも戦に臨むというなら必ずやこの手で全滅させる 容赦などしない 余の大砲で皆殺しだ あなたをアヴィニョンに連行し屈辱のうちに息絶えるのを見届けてやる よくわかったか 教皇聖下」
「なるほど あなたの言葉を同盟軍に伝えます 雨の音ではないか 国王とて大砲に点火できないでしょう」
「火薬をぬらさずにおく手立てがある」
「神には雨を降らせる手立てが」

教皇「雨が止んだ」
フランチェスコ・ゴンザーガ「それが何か」
「雨ならこちらに分があった」
「我々は大砲を恐れない」
「国王から申し出があった もし戦を強いるならかつてない大虐殺を行うと」
告解を求めるフランチェスコ・ゴンザーガ
「配下の兵を神と教皇のため戦わせるか?Do you pledge your arms to the service of God and his vicar on Earth?」
フランチェスコ・ゴンザーガ「はい 聖下 I do, Your Holiness.」
「その御名においてのみ戦うか?And do you promise to fight in his name and his name alone?」
「 誓います I do, Your Holiness.」
「もう一つ 戦利品を全て教会に納めることを誓うか? 祝福には代償を伴うAnd do you pledge the spoils of battle in its entirety to his holy mother church?God's blessing comes with a price.」
「誓います 聖下I do, Your Holiness.」

大砲が壊れて散々なフランス軍
フランチェスコ・ゴンザーガ「大勝利です 栄光は我らの手に この傷はなお武勇を失っていないしるしです」
教皇「神は雷で祈りに応えてくださった 恵みの雨が敵の大砲を沈めた」
「火薬が使えなくなったのは雷でなく勇敢なローマ人によってです」
「ここでの戦利品は全て教会に納めると」

フランス国王シャルル8世「持っておるか?永遠の眠りにつかせてくれるクスリを あの世で待っておる 余が逝くのをな」雄たけびをあげる国王。

「聖下お望み通りの結果に」
「問題はどうしてこうなったかだ」
「どうしてとは?」
「打ち明けることはないか 昨夜のことで」
「いいえ 聖下 聖下と同じくらい満ち足りた夜でした 良心の呵責なく眠れました おそらく聖下も」
何も言えない教皇。

ごろつきを集めてフランス軍を夜襲したり後の姿に近づくチェーザレ。教皇の代行としてちょこんと座るルクレツィアの可愛いこと。前回で兄にあんなことをしたとはとても思えない。女性二人がタッグを組んで教皇庁の不正に立ち上がる!

第5話選択のとき The Choice
ゲスト バーバラ・フリン ミケロットの母イザベラ役
チェーザレがスフォルツァ家に忠誠を誓うよう迫り、スフォルツァ家は忠誠心を試される。一方、変装をしてでかけた教皇は、反逆的な修道士の動向を探る。そんなとき、サン・ピエトロ大聖堂に雷が落ち…。
ルクレツィア「見事な仕組みね」
ジュリア「大聖堂が?」
「教会よ まるで巨大な銀行 荘厳さを保つため信徒はお金を払う この贖いの劇場にね 荘厳に見えるほどより大勢が集まり寄付も増える」
「枢機卿団にどう納得させます?」
ヴァノッツァ「それぞれの弱みを握るのよ」

教皇「勇敢なローマ人がフランス軍の大砲を爆破したとか お前たちか?」
チェーザレ「私は鎧でなく緋の衣をまとう身です」
「では今も枢機卿なのだな 時々変装するだけ あえて言うなら私のように」
「フランスは片づけた 次なる敵をどうするか そなたの親族カテリーナ・スフォルツァ」
スフォルツァ枢機卿「まだお恨みですか もう私も庇いません」
教皇「カテリーナをローマに来させ 私の前に跪かせる あの美しい唇で指輪に口づけさせよう」
チェーザレ「私が伝えます」
スフォルツァ枢機卿「あなたが?危険では?」
「父上のお役に立てるなら」
「ではフィレンツェへは教皇が赴きフォルリには枢機卿が赴く 鎖でつないで連行するとな 選ぶのは彼女だ」

チェーザレ「 フォルリに知り合いは?Do you know anyone in Forli?」
ミケロット「 町中が知合いですI know everyone in Forli. Eminence.」
「というと?How?」
「生まれ故郷ですI was born there.」
「お前も人から生まれたか そして死ぬ 故郷を案内してくれI can't imagine you being born, Micheletto... or dying, for that matter. You must show me your ancestral home.」

こっそりサヴォナローラの説教を聞きに行く教皇とスフォルツァ枢機卿。
サヴォナローラ「彼等は金や宝石を身にまとう その退廃に金を払うのは誰だ?献金はどうなるか メディチ家の銀行に行く そしてここフィレンツェで金は暴利によってうじの如く増える」
教皇「聞きたい 彼は雄弁だ」
スフォルツァ枢機卿「そして危険です 見つかれば八つ裂きにされますよ」
教皇「敵をよく知ることだ 友を知るよりもなKnow your enemy, Cardinal. Know him better than your friend.」
後方にデッラ・ローヴェレがいる。ゆっくり前に。

ミケロットを振り回すお母さん。ミケロットが閉口するのを初めてみたよ。
「私の坊やが帰ってきた」
「ずっとこの調子です 猊下」
「猊下?偉いのかい?」
「ごく小さい世界では」
「息子は医学の勉強で本を読まないと 学問ってのは長くかかるね」
「気が遠くなります メスも使えないといけない 最高です 目的がある」
「目的?」
「お母さんの面倒を看る “全部おふくろのため”」
「この手を見ておくれ 人を癒す手だ」
「達人です」
幼馴染のアウグスティーノがやって来る。意味深にミケロットと見つめ合う。
「病人を治しに行く」
「先生 病人を治すか」
「母は思い込みが激しくて」
実父を殺したと知りぎょっとするチェーザレ。

『グラン・ブルー』 のエンゾ の如くイタリア男はマンマには敵わない。仏頂面を引き回されても怒りもせず母の手料理を黙々と食べ正反対の職業?なのに人を癒す職業だと嘘をつき続けて理想の息子を演じるミケロットもまたイタリア男だった。

サヴォナローラ「緋色の聖職者か 今はドミニコ会に?」
デッラ・ローヴェレ「教皇にはもう仕えてない」
「そうだったな 教皇廃位の計画を立てたとか そして惨めにも失敗したと」
「いかにも 失敗したことは認める 彼を追放する」
「教皇の聖座から?」
「聖座から」
「すでに一度試みてる 以前私が見た幻の話をした ボルジア教皇の膨れ上がった死体 病のために黒ずみ大聖堂に横たわっている それを実現するのはあなただと?」
「あなたと修道会が祝福して下さるなら」
「主は祝福と共に実現を後押しなさるだろう 今こそ審判の剣となれ 正義の剣となれ 青白い馬に乗った死のごとく行け」

フィレンツェ メディチ家
教皇「いつも豪華な旅をするわけではない 教皇は民衆の心を学ばねばならん」
マキャベリ「ピエロ・デ・メディチがお迎えします」

フォルリ城にやってきたチェーザレたち。大砲がずらり。
ミケロット「フランスの大砲です」
チェーザレ「多いな お前の母親とどっちが手ごわいかな」
「私がお守りします」
「スフォルツァ家は信用できない 常に馬の用意を」

カテリーナ息子のベニートは軍人に憧れています」
チェーザレ「立派な職業ですからね」
「あなたは軍人?」
「いいえ 枢機卿よ」
「使者として伺った」
「教皇であるお父上の伝言を伝えに?正解でしょう?」
「あなたの魅力ゆえでは?教皇がよろしくと そして聖座の前にお越し願いたいと」
「私を試しにおいでに?聖下も私を試すおつもり?」
「おそらくは 指輪に唇の感触をお感じになる」
「跪いて頭を垂れろと?」
「聖下には世界中が頭を垂れる」
「あなたの母は誰に頭を?」
ベニート「垂れませんNobody」
カテリーナ「お聞きでしょう 頭は垂れません」
チェーザレ「誰ももてなさないと?」
「頭は垂れません でも譲歩なら」
「できるの?」
「ええ ベニート 服従せずに身を任せる方法はある それであなたが生まれた」
「僕にはわかりません」
「あなたはお堅い軍人気質ね でも猊下はご存知 状況により膝をつくと 聖下もご存知ね」
チェーザレ「来なければ」
「どうぞ猊下 おやめください 今宵はお客様 いさかいの種は要りません 聖下のお言葉は明日承ります」

「暴徒?」
ピエロ・デ・メディチ「サヴォナローラに心酔する者が増えています 金銀の硬貨も堕落した世界の一部だと エデンの園にならい物々交換すべきだと言う」
教皇「銀行取引については?」
サヴォナローラの真似をするピエロ「“アダムが金貨を求めたか エバが銀行を求めたか カインが利子を課したか”」
スフォルツァ枢機卿「銀行に預けた教会の金は?」
「 連中がばらまくでしょう 聖下 個人の蓄えがあると知られれば銀行は焼き払われます」
「それでは預金は全て持ち帰った方がよいかな?」
「どうやって?密偵だらけです」
「あの修道士を買収しては?Perhaps the good friar could be bought.」
「金で? With money?」
「階級でだ ドミニコ会の司教に任命するWith a bishopric. Generalship of the Dominican Order.」
「すでに彼が牛耳っていますThe Dominican Order already does his bidding.」
マキャベリ「それに取引を禁じる者と取引はできない And how can you buy one who would outlaw trade itself?」
教皇「では金で買えないものを与えよう 天国そのものをYou offer him something that money cannot buy - Heaven itself!」
「よいか?主よこの食事を祝したまえ」

ベニートが夕食後唄うのを聞いているチェーザレ。
「天使の歌声ですね」
「軍人には向かない?」
「ええ 戦場にやってはいけない」

アウグスティーノ「俺を苦しめるために戻ったのか 会うのはいつも墓場だな」
「わかるだろ」
「幽霊しかここにはこない」
「それと俺たち 覚えてるか?」
「忘れようとした」
「結婚するんだろ」
「お前は?忘れてないか」
「何一つ」
いやいやいやミケロット何をするんですか墓場で!ひえー。

カテリーナ「我々は誰にも屈しない」
チェーザレ「そして跪かない」
「跪くのは望んだ時だけI only kneel when it suits me」跪くカテリーナ。
仕方なく手を取るチェーザレ。

部屋に案内されるチェーザレ。カテリーナの部屋だった。
「不作法ですこと 淑女の部屋に 間違えたのね 鞭で打たないと」
「失礼する」
「私の部屋です 衛兵を呼びましょうか」
「助けて」小さな声で叫びにっこり笑うカテリーナ。
「この剣は本当に必要かしら」激しく求めあう二人。
「その剣でいつでも私を刺せる」
カテリーナ・スフォルツァ「 私は普通じゃないの 猊下 型破りなのよ 男社会の自由な女I am a freak of nature, Cardinal... an aberration, a free woman in a man's world.」
「手荒に扱おうか」
「思い切り攻めて」

一方墓場でも激しい場面が繰り広げられていましたとさ。ミケロットが攻めでした。
「俺の暮らし?何を知ってる アウグスティーノ」
「誰も癒してない」
「復讐してるんだ ままならない世に」
「お前が恐ろしい」

カテリーナ「あの大砲は偽者ね?短期間にどうやって作るか疑問だったの 巷で噂を聞いた 金属ではなかった 石膏よ 青銅でなく だからボルジアは厄介  見かけと違うから」
「我々は平民だ」
「スペインの稀有な一族」

教皇「あの修道士をどうおびき出すか 司教では餌として不足だろう 枢機卿の地位では?城の地下牢に入れて異端の罪に問う」
カテリーナ・スフォルツァについて
スフォルツァ枢機卿「あれは男の武器を持つ女です」
「枢機卿 彼女を側に置き優しくするのだ」
「私と同じように?」
「いかにも」

宿を訪れる三人。
「枢機卿の靴下よ」
「間違いないわ 枢機卿よ また一人」
「枢機卿を探しているの」
女たち「ここに来て正解よ まるでシスティーナ礼拝堂」
「あんたたちは?」
「夜の女性達の生活を改善する委員会」
「ジュリア様 ご婦人が来るなんて珍しいこと ご婦人には未来がある」
ヴァノッツァ「この子たちにはないと?最悪の環境だわ」
「良くしてくれる?お客の情報はもらせないんだよ」
「この宿の改修費用を出すわ 道を踏み外した枢機卿全員の情報を」

「教皇の身辺警護はまさに鉄壁だ」
「その壁を乗り越え弱点を探せれば 葡萄酒 ボルジア家が好む武器を使おうと思う 私に盛られた毒だ カンタレラ」

チェーザレ「これ以上先延ばしには 用件を伝えねば」
「ローマに関することですね 残念ですわ 素敵な時を政治で壊すのが」
「せっかく楽しんでるのに?」
「両家に憎み合う理由などない おっしゃりたければどうぞ」
「あなたが進んでローマに来なければ」
「すっかり食欲が失せました 脅されてる気がします」
「脅しではなく選択です」
「あらまあ選択?選ぶのは苦手なのに」
「自ら参じるか鎖につながれてか」
「おいしいカモが台無し 明日朝食をご一緒に その時ご返事します 今はお部屋に案内します」
「返事を聞きたい 既に答えは」
「行って何になるの?」
「教皇のご命令だ」
「紙に書かれてる?お得意の石膏にかしら」
「では断るのか」
「選べるのでしょう?自ら参じるか鎖につながれてか 誰が私を鎖に?あなた?」
「そうなるかも」
「それとも弟君?彼の空威張りも見せかけだけ あなたの大砲といい勝負」
「言葉遊びはもういい 失礼する」
「お別れなんて まだ心の準備が」
「これ以上お遊びに」
「わかるけど付き合って それに今認めたわね これは私の遊び 私の寝台だし遊ぶのもあたし あなたもあと一晩は私の男」

デッラ・ローヴェレ「カンタレラは無味無臭だ 充分な量を投与すれば必ず命を奪える だが教皇には毒見役がいる 誰かが毒見役として雇われねばならぬ 命を差し出す者はいるか?毒を混入し自ら毒見し教皇に給仕し運命を共にする この中にもし身を犠牲にしてもいいという者がいたらよく考えて 神の許しを得た上で名乗り出て欲しい 私は誰よりも知ってる 悲惨な死になると」
去ってゆく修道士たち。

暖炉の上で激しいセックスが繰り広げられている。
「法衣を脱ぐべきよ」
「今は脱いでる」
「鎧を付けて この体にふさわしい」

「ミケロット もう会えない 火あぶりになる」
「俺は大勢殺してきた こうして抱きながら 親父の墓だ もう行け 結婚しろ 聖パウロも言ってる 火あぶりよりいい」

夜部屋を出るカテリーナ「来たのね ついてきて 選択の時が来たようよ」

若き修道士「教会のために死ねる者をお探しですか?あなたにはできないと?」
デッラ・ローヴェレ「この顔は知られ過ぎてる」
「毒でだぞ カンタレラで 身の毛もよだつ死が待っている」
「やらせてください」
雨が降って来る。雷が光る。

ジョヴァンニ・スフォルツァがやって来る。
「ご親族に御用ですか」
「呼び出された 来てくれればうれしいと お父上の提案の件だ 私にとってはただの父親だ 私に嫁がせたふしだらな女の だから私を侮辱した」

カテリーナがやってきた
「返事は簡単 断わります My answer is simple. It is No.」
「はっきり聞こう ローマに来ないのだな」
ジョヴァンニ「品位を落とすだけだ 豚同然の教皇に跪くのは」
「私は彼女に訪ねた」
「これが答えだ」
「よくわかった」
ナイフでジョヴァンニを襲うチェーザレ。その時教会に雷が。逃げ惑う少年たちともみあうチェーザレとジョヴァンニがクロスカット。
「心臓を抉り出し妹に捧げる」何度も刺すチェーザレ。
「心臓はどこだ」
尚も心臓を抉り出そうとするが召使に見つかる。逃げるチェーザレ。馬にのって命からがらフォルリ城を抜け出す。
「これを頼む 妹に渡したい」
「誰の血です」
「ジョヴァンニ・スフォルツァ」

「これは神の裁きです 聖下」

へたりこむチェーザレ。手のひらの血を見る。
涙と鼻水でぼろぼろの教皇
「これは神のおしるしか」
「いいえ聖下 雷のせいです」
「お怒りを示されたのだ 贖わねばならん 我らの罪を 断食と祈りで」
「いつまでです?」
「神が再び我らに微笑むまで」

S3E3「兄と妹」であっさり叶うミッション「カテリーナ・スフォルツァを教皇に跪かせる」に失敗したばかりか「法衣を脱いで鎧をつけるべき」と聞きたい言葉を言ってくれる年上女城主に翻弄され怒りに任せて殺人を犯し戦の種をまくチェーザレ。

S1でもフランス王のイタリア侵攻を予言したサヴォナローラだが今回も“ボルジア教皇の膨れ上がった死体”と教皇の実際の死をほぼ正確に予言。後に「神と話せる」などジャンヌ・ダルクのような事を言い出したので予知能力など特殊な能力の持ち主かも。

第6話悔悛 Day of Ashes
落雷を神の怒りの印と確信した教皇は、悔悛し質素な食生活を送る。それと同時に、新たな同盟を結ぶべく、嫌がるルクレツィアを無理やり嫁がせようとする。

教皇「我々は神の言葉を賜った あの雷がそうだ 悔い改めねばならん」
デッラ・ローヴェレ「見せかけだ これもまた芝居だよ アントネッロ 水差しを運んだ男 あれが毒見役だ」

教会の前で鞭打つ男達。
「フィレンツェを血で洗い清めるのだ」
スフォルツァ枢機卿がフィレンツェにやって来る。

女性がやって来る。
「すべての罪を?」
「洗い清めます」
美しい髪が切られていく。
「財産を手放す覚悟があるか 自らを捧げるか 主イエス・キリストに キリスト教世界の復興に務めるがよい メディチ家は悔い改め強欲と暴利を棄てるか?ここから追放しよう イエスは神殿から金貸しを追い出した 彼等が強盗の巣に変えてしまった」

毒見役特訓を始めるデッラ・ローヴェレ。
「多すぎれば死んでしまう ちょうど適量なら強くなれる 私はカンタレラを飲まされ耐性ができたI was poisoned with cantarella, and I am the stronger for it. 神を信じるか?では飲め」

告解室で問いかける教皇
「教皇は誰に懺悔しましょう 大いなる沈黙」
扉を開いたのはチェーザレ。
「聖下 告解をお聞きください 私は殺人の罪を犯しました 色欲の罪もです」
「暴力と姦淫か 二つは結びつきやすい 続けて」
「妹と家名を汚した者を殺しました」
「お前の任務は殺しではなかった」
「名誉の問題です」
「では肉欲は それも名誉の問題か 相手は誰だったのだ」
「カテリーナ・スフォルツァ」
「だろうな 他におらん それでお前の存在で満たされた彼女はローマ行きを懇願したか 情を交わしたのなら友人では?」
「いいえ 残念ながら敵のままですRemains Enemy.」
「私も罪を犯したが破滅をもたらすのはどちらの罪だ 私のか お前のか そなたの罪を許す」

「全く信じられん 外交に行って戦を始めるとは」
「戦になってません」
「神は雷を落としお怒りを示された 今剣を手にできん 北の軍勢に攻められては困る」
「私を平信徒にしてください 教皇軍を率いカテリーナを連行します」
「行軍には仏師がいる 教会には軍を北へ送る金がない これではまた同盟を結ぶしかない 大切な妹にお前が言って聞かせろ 結婚させる お前が愚かな行いをしたせいでな」

教皇のスローライフに付き合わされる枢機卿達。食事は毎日イワシ。
毒見役が一口所望。「誰が毒を盛るというのだ」
なけなしのイワシを食べられてしまう教皇
「毒でも盛られた方が陰鬱な一日が明るくなるなPoisoning would brighten the procedings in an otherwise gloom-laden day.」
「ベルナルディーノ修道士 死にそうか?」

フィレンツェにて
スフォルツァ枢機卿「最愛の御子へ挨拶と祝福を授けにきた ジローラモ・サヴォナローラに 私はアスカーニオ・スフォルツァ」
「副尚書か」
「そなたが熱心に神に仕えていること 聖下もお悦びだ 神の声が聞こえるそうだな 聖下も関心をお持ちだ 本当なのか?」
「私は神の代弁者 神の声が聞こえる」
「聖下がローマで話したいとのこと」
「まだ懲りないのか あのボルジア教皇は 最後の男色家が地獄で焼かれるまで」
「ローマに来れば別の運命が」
「サンタンジェロ城か」
「まさか ヴァチカンだ」
「枢機卿か」
「救済に値をつけることなどできぬ No man can put a price on sainthood.」
枢機卿の帽子を落とすサヴォナローラ。

ルクレツィアの部屋に行くチェーザレ。
「心臓を捧げると誓った ジョヴァンニ・スフォルツァの心臓だ 剣についた血で許してくれるか?」
「お兄様が誓っても私は受け取るなんて言ってない」
「受け取るか?」
「無垢な頃に戻りたい あの男に嫁ぐ前の私に」
「無理だよ お前も私も」
そこへ教皇がやって来る。
「ジョヴァンニが寝てるの」
「チェーザレ もう話したか フォルリで起きた出来事だ そのためにまた同盟が必要になる 結婚がな」
「なるほど 私がまた売りに出されるのね 前回の同盟がどれほど強固でした?」
「父の願いだ 結婚させたい それだけだ」
「私は結婚しません もう二度と 諦めて下さい」
「何と恩知らずなことを」
「何と思われても結婚はしません」
「嫁ぐのは娘の義務だ」
「お父様の選んだ獣に凌辱されろと?」
チェーザレに「お前は何も言うな」
「まだ何も」
「考えが聴こえてくる」

座り込むチェーザレ「兄妹そろって宣戦布告か」

ヴァノッツァの所へ行く教皇
「ルクレツィアに何を言った」
「別に何も 不幸な結婚で疵つけたのはあなたですよ また結婚を?」
「させたいと思ってる」
「なるほどね 新たな財源が必要なのね 再婚はまだ早い」
「決めるのは娘ではない そなたが説得してくれ」
「残念でしょうけどあの子は恋をしたの 子供を見る度恋人を思い出す」
「実はチェーザレを北部に行かせた 外交上の重要な任務だ 不幸な事故が起きた」
「チェーザレに?」
「ジョヴァンニ・スフォルツァに 彼は運悪く転んでしまった チェーザレが持つ剣の上に」
「私がいれば刃をねじ込んだわ」
「北部を敵に回した 同盟が必要だ 甥が数日中にルクレツィアに求婚に来る そなたにこの件で大使を務めて欲しい 婿を見定めて欲しい」
「用が済んだらお帰りを 湯が冷めてきた」
「そなたは実に美しい よく一緒に湯あみを」
「今は快楽を断つのでは?」
まんざらでもなさそうなヴァノッツァ。

マキャベリと会うチェーザレ。
「マキャベリ殿 ローマへようこそ」
「こんな所で出迎えとは」
「ここへはメディチ家の別邸の鎧戸を届けに来ました 邸宅は石を投げられています 大きな石を ここの方が安全だと メディチ家は確かに敵が多い」
「銀行は?沈みゆく船か」
「私は銀行家ではないがもう沈んでいるかと」
「メディチ家の大使として内情はご存知のはず」
「確かに私は密約に通じ意見も尊重されています あの方は何も決められないので だが私はあくまでも使節 伝言が仕事」
「ではその伝言とやらを」
「失われかねません それが真実です」
「金は今どこに?」
「値千金の答えを誰もが知りたがっています 残高は移されるそうです 少額ずつあちこちに 分かりません 今はまだ 分かるまでここへは鎧戸を開けに来たと」
「もう少し具体的な情報があると助かるのだが」

「結婚しないのは私のせいだと お父様の機嫌を損ねたわね お父様にはあなたの配偶者を選ぶ権利が」
「お母さま 前夫はけだものよ 私はむさぼり食われた 愛する人のぬくもりで疵は癒される」
「打つ手はあるわ」

教皇「どう思う ベルナルディーノ このイワシが毒入りでお前が死ぬとしたら?」

教皇「枢機卿の帽子は」
スフォルツァ枢機卿「投げ返した」
「デッラ・ローヴェレがサヴォナローラに会ったとか」
「うるさい犬は黙らせねばならん」
「異端?」
「それも最悪のだ 火あぶりに値する」

二人の枢機卿を呼び出したジュリア、ヴァノッツァ、ルクレツィアは施設再建に教皇庁の公共事業の部局が資金を出すと言い放つ。
ジュリア「底をついたのは事業を始めるずっと前」
ヴァノッツァ「皆さんの邸宅も調べましょうか」
スフォルツァ枢機卿「聖下は改悛のさなか」
「女は危険な生き物ですよ 金をお出しなさい」
「自腹で?」
「冗談か」

「神は自分だけに話しかけると 黙らせねばならん その使命をお前に託そう 忍耐を要する仕事になるぞ フィレンツェに行き神の言葉を説くのを禁じろ 異端の罪に問う」
「笑われます」
「そこで破門を言い渡す」
「認めないでしょう」
「もちろんだ そこで火あぶりの刑に処す 復讐は忍耐を要する 一生待つことすらある」

マキャベリ「銀行の金貨は荷馬車で運ばれます」
チェーザレ「金庫は空ではないわけだ」
「ある所にはあります」
「いくらある?」
「王の身代金ほどには だが足を伸ばす価値はある」
「軍を養える?」
「軍は大食漢ですよ 行かないと」
「別邸の戸を開けに?」
「光を入れに」
「あなたが入れてくれた光に感謝する」
「これからですJust Beginning」

 チェーザレはミケロットにゴロツキたちを集めるよう命じる。
「メディチ銀行の金貨だ 父上はメディチ家を嘘つきの盗人と看做す まだ物乞いの方が信用できる 仲間を集められるか」
「金貨があれば集まります」
「サヴォナローラだけでは足りない メディチ銀行の金貨を父上に」
「聖下はご存知?」
「欲しいものは一つだ 手に入れる 法衣はもう窮屈だ」
「私にはよくわかります」
「ローマと教会と何も知らぬ父上を護るため私は教皇軍を率いる ミケロット お前は軍の隊長となれ」
「私は陰に生まれた身 陰の中にいます」
「まずは金貨だ」

ヴァノッツァ「総督には巨万の富があり甥を溺愛してるの 待ってるわ」
「お遊びじゃないのよ」
「ええ でもそんな気分」
ルクレツィア「巨万の富を持っていて贈り物が犬?」
「ダメです 総督の甥は 犬はいいけど 待って どちらもだめです 彼も犬も」

「また仕事がある まず 私の護衛としてフィレンツェへ その後報酬を手に入れる タップリと 今回は金貨だ メディチの 銀行から持ち出す金貨だ」
チェーザレ「信じてくれ 私はボルジアだTrust me. My name is Borgia.」

ピエロが保護を求めて来る。
「邸宅もろとも金も焼けたか?では一体何の用だ?」

勅書をサヴォナローラに渡しに来たチェーザレだが
「この勅書で尻を拭こう」思い通り馬鹿にされる。
チェーザレ「そなたは火に近づきすぎている 焼かれるぞ」

男色家たちは石を投げられる。
いたいけな少年達がチェーザレを責める。「キリストの名において指輪を外せ」

馬車を襲うチェーザレたちだがミケロットは不審に思う。
「簡単すぎる」

ルクレツィア「気晴らしが…少し面倒に」
ヴァノッツァ「それなら結婚なさい 寝室に頑丈な鍵を」
「ジェノヴァのカルヴィーノ あれはおそらく弟のラファエロ 言ったでしょう 求婚者は兄の方よ 彼が求婚者 カルヴィーノ」

「サヴォナローラは従いません」
「忍耐を試されるな」
「父上に贈り物が メディチの金貨 フォルリを討てます 金はイタリア中に分散されてる かき集めればフィレンツェも征服できます」
「軍の装備に使うと?」
「カテリーナを引きずり出します」
「軍人になりたいか」
「願いはご存知のはず」
「ならば誰が教皇に助言してくれる?誰が私を導き守ってくれるのだ 息子の一人は聖職者 一人は軍人 ホアンを枢機卿にしろと?」
「まさか」
「お前には心から感謝してる だが願いをかなえてはやれん 弟は戻ってくる 必ず生まれ変わってな 新大陸で鍛えられたコンキスタドールと一緒に 頼むから歓迎してやってくれ 暖かく抱きしめて」
「聖下がなさってください 教会の任務があります フィレンツェで」

すっかりチェーザレとツーカーになったマキャベリにあっさりと「あの方は何も決められないので」とディスられるピエロ・デ・メディチ。サヴォナローラに悪の権化のように言われてフィレンツェを追われる。ロレンツォ豪華王の長男ながら才は父に遠く及ばず。

教皇VSサヴォナローラのザ・清貧対決。雷に打たれてイワシだけの少ない食事を毒見役に更に取られながら絶賛スローライフ邁進中の教皇と付き合わされる枢機卿達。サヴォナローラはその先を行き男達が自分で体を鞭打つパフォーマンスを披露。

まだ父に断られる前の会話「欲しいものは一つだ 法衣はもう窮屈だ 私は教皇軍を率いる」と決意表明の後ミケロットに軍の隊長になるよう勧めるチェーザレ。ミケロットの答え「私は陰に生まれた身 陰の中にいます」アンドレとオスカルですかあんたらは。

資金も準備したから今度こそ自分が軍を整備して先頭に立ち攻撃すべしと万端整えたチェーザレがまたもや「息子の一人は聖職者 一人は軍人」という教皇の頑ななポリシーに阻まれる。優等生の兄としては従う他ないが鬱屈は溜まる一方。次回に繋がる火種に。

第7話フォルリ包囲 The Siege at Forli
ホアンがスペイン兵を引き連れて戻り、スフォルツァ家の城を包囲する。チェーザレとマキャヴェリは“虚栄のかがり火”を目撃する。また、ルクレツィアは父に背く。

教会の中を馬に乗ったホアン登場。騎士が付き従う。
「誉れ高きガンディア公ホアン・ボルジア」
皆拍手で迎える。

ホアン「お土産を」
ルクレツィア「あれは何?」
「わが妹よ お前への土産だ 豹という」
「スペインにいる獣?」
「もういない」

「エルナンド・デ・カバーリョス 真のコンキスタドールです」
教皇への土産は葉巻煙草だが糞と間違えられる。

フィレンツェでは少年僧たちが歌を歌いながら町を練り歩く。
「猊下こちらへ」
「あれは?マキャベリ殿」
「神の子ら サヴォナローラが生んだ害虫」
「寒気がしてくる」
少年の一人が振り返る。

「まずこのクソを手に取るんだな ああ 葉巻だな」
「口に入れます」
「丸ごと?」
「端をくわえます そこに火を 先端に火をつけます ここが肝心です 大いなる悦びが訪れる」
「快楽は求めない クスリではないのか?」
「火をかざしたらくわえたまま息を吸って」
口から煙が出るのを見て驚く枢機卿たち。
「これは何という?」
「喫煙です」
「喫煙か 確かに煙を吸う」

教皇「わが妻 尽くしています 身も心も 妻は身重です」
ホアン「でかしたぞ 遂に雄牛がやったな 実にめでたい」
「男の子です わかりますよ」
「お前も立派になった 何というか気分が…」
「吐き気を?すぐにおさまります」
「そうか 葡萄酒は?Wine?」
「いいえ 水しか飲みませんNo, I only drink water. The clarity of water gives clarity of mind.透明な水が頭を明敏にする」
「私と気質が似ておるな 本題だ カテリーナ・スフォルツァ」
「フォルリの“あばずれ”生きてますか」
「戦になりそうだ 旗手として教皇軍を率いてくれ フォルリの城を包囲するのだ まず機会を与えろ 聖なる都ローマに来て跪く機会をな 彼女が拒むなら財産は好きに没収しろ お前のものだ 報酬は十分だろう あの高慢の鼻をへし折ってやれ」
「神の恵みによりお受けします」

ホアンは病に苦しんでいた。

デッラ・ローヴェレ「フィレンツェの様子は?」
「サヴォナローラ修道士が神の都にしつつあるとか」
「用心せねば マキャベリを中心にボルジアの密偵がいる ボルジアの罠に用心せねば」
「あの方には地上にいて欲しい 殉教する者はもういる」
「大義を達成できそうだと知らせては?」

教皇「ホアンは結婚したぞ お前も兄にならいなさい」
ルクレツィア「それは?」
「葉巻だ」
「クソでなく?匂いは同じ」

ホアンを診る医師「この病にかかる時は既に脳をやられてます 水銀です 少量で 飲みすぎると死ぬ あちらを救うのはこの小さな器具です 痛いですよ 傘のような部分を開く それが肝心です 開くと膿がきれいに取れて外に出てきます」
めっちゃ痛がってるホアン。

サヴォナローラ「私達は選ばれて教会を浄化するのだ 頬をなでるそよ風のごときものだ だが死後の世界は永遠である 現世の日々が最後の審判に繋がる 誰か分かるか 最後の審判とは何なのか」
「この世界は虚栄に満ちている 鏡に映るものは幻にすぎない きらびやかな衣装は投げ捨てよ」
外には山と美術品と書物が捨てられている。何かを探すマキャベリ。
ミケロット「彼は説教を続けています」
サヴォナローラ「ここで立ち上がり反論する者は?」

ミケロット「これは?」
マキャベリ「虚栄だ 魔女の如く焼かれる」

フォルリに教皇軍がやって来る。
エルナンド「城内の人数は?」
ホアン「わからない 数では勝てそうだ」
「希望的観測でしょう?厳しい話になる 城主と話を あばずれと話してください 白旗を掲げながら 軍は森で待たせます 大砲の射程外で」
大砲を見て怖気づいたホアンは戻っていく。

ルクレツィアはホアンにもらった豹をカルヴィーノに渡す。

フォルリ
ホアン「カテリーナ・スフォルツァか」
カテリーナ「いかにも私です」
「我々の護衛の下聖なる都へ出向き教皇に忠誠を誓うよう命じる アレクサンデル6世に」
「ローマの大淫婦は息子をよこし人を殺した そしてまた一人」
「護衛にこんな子供を?剣を持てるのか?」
「ボルジア一族全員より価値がある」
「警告する 従わぬなら裏切り者と看做し財産を全て没収する」
「ここは私の土地 私の財産よ 奪えばいい 大砲に屈しないなら」
息子ベニートが人質に取られる。カテリーナは城内に。
「行ってはなりません 危険です 戻って下さい」

ホアン「生まれて15年か あと何年生きる?母に愛されてる?どれくらい愛されてる?」
ベニート「どうでしょう あなたはどれほど?」
「質問は俺がする お前は答えるだけだ お前を拷問する まずはここからどうだ?鋭い刃物で血が流れる 死ぬかもな どんな気分だ」
「私は何も知りません」
「拷問は情報を引き出すためじゃない 母親への見せしめだ」

カテリーナ「教皇軍が来たことはいずれ伝わる ルドヴィーゴの援軍が来たら攻撃を」
「当てになりますか」
「風のように気ままな男だが親族だわ 万一の時は助け合うの」
ベニートが引き出され吊るされる。

カテリーナ「子供を拷問する気か」
ホアン「ボルジアより価値ある子ならな」
エルナンド「これが高貴な行い?子供への拷問です」
「驚いたな 見ていられないならスペインに帰りやがれ」
涙を流すカテリーナ「あの子がどうなろうと奴らを生かしておかぬ」

フィレンツェ
チェーザレ「華やかなフィレンツェがこのありさま」
マキャベリ「情報によると弟君がスペインから戻りカテリーナを連行しに向かったとか」
「弟の幸運を祈ろう 彼女には牙が」
「教皇軍は既に城を包囲しています」
「寝床でなく?」
「ミラノ公ルドヴィーゴが進軍しています 教皇軍は奇襲を受けるでしょう」
「早馬を立てれば間に合うか?」
「どれほど早く走るかによるでしょう 一刻を争います」
マキャベリの私宅の扉を叩く子供がいる。
しばらく考えたチェーザレ「聖下から命じられている ここで任務を果たすようにと 弟は軍人 戦術も教わってる 自軍くらい守れるだろう 自分の身も」
ミケロット「神の子らが扉を」
マキャベリ「いずれ神が来る」

求婚者の弟を誘惑するルクレツィア。

マキャベリの家の扉を叩く少年ヴィンツェンゾ 扉に十字架を書く。
「虚栄を」
マキャベリ「まず聞け うちの戸に十字架を書くのはやめること それで」
「虚栄を棄てるんだ 金と銀 装身具 本も全部  虚栄を棄てろVanity. Your gold, your silver, your trinkets, your books. Give up your vanities.」
マキャベリ「ないよ 私には知性だけ それは捨てない この外見だぞ 虚栄心などないI have no vanities. I have only my intellect, which I am reluctant to relinquish. And as you can see... with these looks, I have no vanity.」
「永遠の天国か永遠の地獄だぞ どっちがいい 虚栄を棄てないと神がお怒りに 窓を割られたいか」
「神は窓を割るまでに落ちぶれたか」
扉を開けてフクロウの剥製を差し出すマキャベリ。人を食っている。

「いつまでご子息をあの男の手に?」
カテリーナ「復讐の時を待つ」
「今なら弓矢一本で総司令官を討てます」
「殺せる?やって」
ホアンの足に矢が当たる。
「矢を放つごとに 一人やられるたびに息子の指を切り落としてやる 見ろ 最後は首も斬り落とす」

ヴァノッツァ「お見通しよ あなたの心の中は 恋に落ちたんでしょ」
ルクレツィア「わからないわ 心はまだパオロに でももし結婚するなら お父様に身を売られるならせめて相手は自分で選びたい」
「結婚は互いのための合意よ 売買とは違う」
「私には売買よ 金を貰い羊を売る その羊が私 カルヴィーノはやめて」
「あの弟?そうでしょ」
「いけない?」
「許されないことよ 諦めなさい 次男では何の利点もないわ 彼が好き?」
「わからない 恋はしたくない 辛いだけよ」
「でも求めてるのね」
「そう 欲望はある いけない?」
「どうかしら」

「枢機卿 金は捨てたか?」
マキャベリ「ボッティチェリです」
「デカメロンを持ってくれば ボッカッチョなら面白がる」
チェーザレ「これで物語を書いたかも」
「101話目を」
「ボッティチェリが燃えていく」

サヴォナローラ「ボルジア枢機卿 これが虚栄のかがり火 近づきすぎると法衣に燃え移るぞ マキャベリ殿 著書は燃やしたか?必ず汝の家に行き探し出して投じてやろう この炎に」
サヴォナローラが振り返るとミケロットがいる。タイマン張ってます。
一瞬振り返るサヴォナローラ。

教皇「迷っていては敵が有利になるばかり 結婚するのだ」
ヴァノッツァ「例のアルフォンゾ・ダラゴーナは?」

「スフォルツァ殿 間もなくフォルリです」

「私を裁くのは神のみ 私は決して 決してローマの大淫婦に跪かない これが答えよ 息子を奪うがいい だが見えるか?ここが 私はあと10人でも子供を生める その子供達がお前を墓に送り込む」

その時教皇軍の背後から襲撃が始まる。ホアンは一騎で一目散に逃げる。地獄絵図である。

嵐を呼ぶ弟ホアンがスペインから帰還。コンキスタドールは連れてきたが父の期待通り“生まれ変わった”かどうかの答えはラストで判明。史実ではチェーザレがフォルリ城を攻撃している。

ルネサンス版「ゴッドファーザー 」と銘打つからには絶対狙ってやっている聖下聖座にて葉巻をくゆらすの図。マキャベリが虚飾排除を説くサヴォナローラボーイズにフクロウの剥製を渡すのはフクロウが知恵の女神のアトリビュートで知恵の象徴だから。

カテリーナ・スフォルツァの髪を下ろしたカールが素敵。“息子をあと10人”は正確には反乱軍に対峙した際の発言だが彼女を出した以上ここで登場させるのが効果的。「風のように気ままな男だが万一の時は助け合う」何気にカッコいい紹介をされているイルモーロ。

第8話真実と嘘 Truth and Lies
ホアンは自ら犯した背信行為によって追い込まれていく。自らの意のままにことを進めるべく、策略をめぐらすルクレツィア。そして、デッラ・ローヴェレは、刺客を送り込んでいた。

二人の枢機卿がフランス王シャルルの死を伝える。
教皇「浮かれてるな いい知らせのようだ」
「フランス王シャルル8世が死にました」
「それが楽しいのか」
「いいえ 楽しくは」
「どうやら頭をぶつけて亡くなったとか 庭球のあと低い戸口を潜り損ねて」
「あの背丈より低い戸口とは奇跡です」
「王は小柄な体に強靭な精神を宿していた そなたたちよりずっと 恥を知り跪け ロザリオの祈りを12回唱えなさい 王が安らかに眠れるよう いや やはり…36回にしよう」

車いすで登場するホアン。右足を引きずっている。
「奇襲されました 四方から ルドヴィーゴの軍が森から大挙してきた 必死で戦い負傷しました 弓矢でこの足を 私は動けなかったが皆果敢に戦い続けた 兵は神のために戦い教皇のためと散っていきました 私は倒れついに意識を失った 戦が収まり気づいた時聞こえてきたのは塀の断末魔の声 私は闇の中を逃げました」
教皇「勇猛は良いとして肝心の勝利はどうした?屈辱的な敗北でなく」
「ミラノまで噂が届いてた それは確かです フィレンツェのチェーザレはなぜ私に警告しなかったのか」
「知る由もない」
「進軍を知らないはずはありません チェーザレはマキャベリと一緒だった マキャベリは密偵と一緒だった 何でも知ってる」

 チェーザレにカテリーナの息子を見せるエルナンド。
ミケロット「その手は?見せろ」
エルナンド「指を折られたのです」
チェーザレ「誰がやった?」
「わかりませんか」
「ホアンがやった?」
「殺せとの命令でしたが」
チェーザレ「ホアンがここへ?」
「彼は死んだと思ってる 私が保護しました」
ミケロット「傷口が悪化してるな いずれ手か腕を失う 今殺してやろうか」
「真実も葬ると?彼は戦の全容を見ています 弟君がしっぽを巻いて逃げるのも 名誉の問題です 私は子供相手に戦はしません」

笑うチェーザレ「英雄の御帰還か」
ホアン「止まるな」

黒い服の教皇「弟は命を懸けて戦った 弟が奇襲にあうと知りながらお前は警告しなかったそうだな」
チェーザレ「フォルリでの真実は見た者に聞くべきです」
「大勢が命を落とした 贖わねばならん 隠れた真相があると言うのか」
「兄弟の仲違いは禁止 それゆえ弟を称えも責めもしません」
「もしお前を枢機卿の任から解きフォルリで指揮を執らせていたら勝利していたか?」
「最後までとどまりました」
「真実はいずれ調べる それでは もう一つの頭痛の種について話そう フィレンツェではかがり火がたかれサヴォナローラが説教を続けているとか 説教を禁じる勅書は手渡したな?」
「それで尻を拭くと」
「いよいよ異端の罪に問う」
「鼻で」
「鼻で笑われるか 分かっておる」
「私に異端の罪に問う権限はありません」
「慌てるな 権限は与える もう一度フィレンツェに行くのだ 神の代理人であるかのように彼の前に立て」
「聖下のお望みなら」
「私だけの望みではない これは神の御業と心得よ」
「そうだ この書物のどこかにあるはずだ 教皇の権限によりあの修道士に破門を言い渡すことができると 神に授かった力で地獄に送るのだ 儀式でな」

ホアンが待っていた。
「何を聞いた?」
「誰から?」
「エルナンドだ」
「お前が勇敢だったということ 味方の兵と最後まで共に戦ったこと ボルジアの名に恥じず一族の名誉を守ったこと 他に何を聞くと?」
「父上に何を言った?」
「私が何を言う?真実を知ってるのはお前だろう」

ひたすら続くイワシの食事とお毒見。
教皇「あと14日で悔悛の期間が終わる 我々は荒野に留まろう」

デッラ・ローヴェレ「だが一つ障害がある ベルナルディーノ 毒見役だ 彼が教皇の側にいる限り大義は果たせない 邪悪な教皇を殺すのは祝福に値する だが毒見役を殺すのは」

「懸念されるのは一言ですと 失明 痴呆 死です」
「それは三言だろ」
「膿が広がれば切ることも」
「足を?それが運命か 痴呆の上に足も失うのか」
「ローマの先人たちに重宝された薬物 外国に売れば大金が稼げるでしょう 通称阿片 時にこうも呼ばれます ケシの実の涙」
「何と詩的な」

教皇「カルヴィーノ・パッラヴィチーニと役立たずの弟や随行員がまだ滞在している 費用は教皇庁持ちだ ルクレツィアはいつ出てくる?返事を先延ばしにさせるな」
ヴァノッツァ「引き受けなきゃよかった 葬式の手配の方がまし 死人はどならないI wish I hadn't been volunteered for this. Far better to arrage a funeral. The dead don't bicker.」
「パッラヴィチーニ家には巨大な権力が 今日中に婚約だ」
「力は尽くします なぜ私がやるかは疑問ですけど Why I am charged with this task remains a mystery.」
「ずっと疑問のままでよいWell, long may it remain so.」

「我々は愚弄されてる ローマからヴェネツィアまでだ サヴォナローラはフィレンツェで悪行を説いてる どの酒場の壁にも落書きがしてある カテリーナの口から出たという言葉 “息子をあと10人”」
チェーザレ「私も耳にしました」
ホアン「下品な空想ですよ」
「噂では息子を人質にされた彼女が城壁でスカートをまくったとか“息子をあと10人生めるTen More Sons”と」
「嘘ですよ 父上」
「頼むから真実を話せWe Would Know the Truth.」
「息子を人質に取り城を包囲しました そこにルドヴィーゴが奇襲を 息子は戦の最中死にました」
「お前は戦い抜いたのか?」
「なぜ訊くんです?御覧を 痛くて死にそうだ これ以上何をしろと?」
「わかったから座れ チェーザレ」
「私からは何も」
ホアン「ルドヴィーゴの進軍をなぜ警告しなかった?」
「知らなかったのだ」
「ぬけぬけと」
「聖下の命で任務に就いていた」
「兄上がカテリーナと寝なければ流血など」
「“息子をあと10人Ten More Sons”」
チェーザレに殴りかかろうとして教皇に止められるホアン。
「落ち着け 戦や政治の失敗より害があるのは何だと思う?愚弄されることだ Do you know what is more poisonous than failure in war or politics? Ridicule!」

デッラ・ローヴェレ「教皇は芝居がかった悔悛の日々を送っている 今さらながら禁酒と禁欲に励み断食を初めて知ったようだ 毒見係は買い出しもする 魚の匂いは嫌か?」

エルナンド「ベニートをあなたに委ねます どうか保護を 死なせてはなりません」
チェーザレ「あなたは賓客だ いて下さい」
「猊下 駆け引きに加わる気はありません ボルジア家をはじめ スフォルツァ家 オルシーニ家 メディチ家 この美しい土地で神に富を授かりながら飽き足らず多くを求めて殺し合う 私はごめんです フォルリでのことは話しました 真実をです お父上も既に真実に気づいておいでだ 失礼します 私の死体がテヴェレ川に浮かぶ前に」

少年「私が取ってかわる教皇の毒見係ですがどんな人物かご存知?毒見係にふさわしい資質を知りたくて」
「では善人ですね?」
デッラ・ローヴェレ「間違った質問だ 問題は彼が誰に仕えているかだ」

ヴァノッツァ「どちらが好き?」
ルクレツィア「決められないわ ヘーゼルナッツのトローネと果物の砂糖漬け」
「一体何の話?」
「名前の話よ あなたは誰?あなたはボルジア どちらも手に入るのよ」
「わかったわ つまり愛と欲望についてね」
「そして結婚」
「どちらがラファエロ?」
「関係ないわ 飽きたらまた別の愛人を ルクレツィア こっちを見て 食べて」
「おいしい」
「ほら 分かったでしょ どちらも楽しめる」

ホアンは阿片窟に連れて行かれる。

ミケロット「お前をどうしよう ローマに流れ着いた迷い犬 お前の母は淫乱 十分な理由になる」牢からベニートを出すミケロット。
ベニート「聖下 お話がございます」思わず倒れ込む。
教皇「そなた何をされた 何者なのだ」
「カテリーナ・スフォルツァの息子です 本当は何があったのかお話します フォルリの包囲戦で」
離れて見ているチェーザレ。

教皇「ホアン 夜更かしだな」
「徘徊してるんです 痛くて眠れないのでI'm a sleepwalker. This wound will not let me rest.」
「癒すべきは魂ではないか?Is it your body or your soul that needs healing?フォルリでの敗北を贖っては?」
「裏切られたんです もし奇襲のことを警告されてたらとっくにカテリーナをここに連行してます」
「息子のベニートは?」
「息子?奴が何です 死にました ささやかな慰めだ」
「しばらく休戦だな 軍を再編しよう」
「私が治るまで」
「お前に代わる指揮官を探す」
「指揮官は私です この私が教皇を護り家族を守る 全身全霊で」
「ホアン その状態では何一つ守れやしない お前自身すらな」
「私から剣を奪うなら 地位や尊厳を奪うなら ただでは済みませんよ もし私から名誉を奪うなら殺してください 私の命を差し上げます」
「ホアン ホアン もう寝ろ」
「地位が安泰だと分かれば寝ます」
「お前の地位はお前だけのものだ さあ立て 休むんだ」
深く溜息をつく教皇。

スフォルツァ枢機卿「聖下より送り届けるようにと」
ベニート「聖下からです オリーブの枝を」
チェーザレ「和平か」

ラファエロと逢引するルクレツィア。
毒見係の後をつける少年。

ベニートを送っていくミケロットとチェーザレ。
ミケロット「溺れるのは夢を見るようだと」
チェーザレ「なぜ分かる?死者に聞いたのか」
「ご命令を 片付けます」
「彼はオリーヴの枝を」
「和平がかなうと?」
「無理だろう」
「指は元に戻らない 復讐の匂いがします 今殺させてください それで片付く」
「かもしれん だが」
「お前を溺死させると申し出たらご主人様に止められた」

ルクレツィアはパッラヴィチーニ家のプロポーズを受ける。一同拍手する。

馬を下りベニートも下ろしたチェーザレ 
「よく覚えておけ 逃がすのは慈悲だ」
ミケロット「いずれ牙をむきますよThis dog will come back to bite.」
「エルナンドが言ったろ 子供相手に戦はしない」

毒見係を突き落として殺してしまう少年。
「告解したいのだな」
「人殺しです」
「何という 我らを許したまえ」

「戸口の角に頭をぶつけてフランス王シャルル8世が亡くなったんだって(どんくさ!)」と笑っていたら教皇にロザリオの祈りを12回唱えるようお仕置きされる(すぐに36回に増やされる)二人の枢機卿。ちなみにこれは史実通り。

ホアンがスペインから連れてきたのはコンキスタドールだけでなく体を蝕む深刻な病。当時の治療法も現代なら毒としか思えない。痛みの治療に阿片を用いたことが後の粗暴な言動を招いたともいえる。

第9話火の試練 World of Wonders
ついに家族関係が危機的な状況を迎えてしまう。教皇がルクレツィアの赤ん坊の洗礼を行うことを決め、ホアンはその子の命を脅かす。そしてチェーザレは冷酷な決断を下すことになる。

ルクレツィアが目覚めると豹が部屋にいた。笑うルクレツィア。兄は弟に譲ったのだ。

「教皇聖下 お嬢様と結婚できません」
「私はローマ教皇 その娘と結婚できないというのか なぜだ」
退いて弟を紹介する兄。
「言いたいことはわかっておる」
「お嬢様をください」
「先に本人に確かめるのが筋ではないのか」
「私は高潔な人間です 結婚の祝福を頂きたいと存じます」
「立場をわきまえろ 一方次男のそなたには絵筆しかない」

スフォルツァ枢機卿「毒見役のベルナルディーノが死にました 釣りの途中で溺れたのです」
「安らかに(求婚している次男に)そなたは許さん 皆思い知れ」

「ヴァノッツァ 知ってたか?娘が婚約者の弟に熱を」
「ルクレツィアはそんな愚かでは 私も偽りの結婚をさせられた あの子は愛に正直よ ボルジアだもの」
ルクレツィア「お父様に従って結婚するつもりでした でも心に従うなら結婚はしません 家族は壊れてます 私の心のように」

灰が舞うフィレンツェ。
マキャベリ「多くの絵画が灰に」
「サヴォナローラの“虚栄のかがり火”か」
チェーザレ「火を絶やさぬよう何日も物をくべ続けた」
「民は豊かに暮らしていた 全てを奪われても彼に従うのはなぜだ?」
「その理由がわかればあの男を引きずり下ろせます」
「破るべきは言葉の魔力か」

代わりの毒見係が選ばれることに。
教皇「アナテマの準備を2日で整える 市民の前で異端の罪に問う そしてローマでは大聖堂から儀式により」

マキャベリ「サヴォナローラは人心に潜む恐怖を利用しています 地獄に落ちるという恐怖を 別のかがり火がたかれます」
「なぜ処刑される?」「魔女だから 人を地獄においやる女だと 奇跡を売り物にする その嘘を暴けば火あぶりにできます 魔女のように」
生きたまま焼かれる女性。
マキャベリ「天使でさえ天国から地獄に落ちる ましてや人は簡単に悪魔の餌食になるIf angels can fall from Heaven into Hell, then so we can all. The demon waits to devour us.」
チェーザレ「悪魔に挑むしかないThen go wrestle with the demon we must.」

チェーザレ「サヴォナローラ ボルジア枢機卿だ 教皇アレクサンデル6世の代理として権限を行使する」
サヴォナローラ「教皇の使いだ 教皇の私生児!そこら中にいる不貞の子の一人だ」
「サヴォナローラ修道士を断罪する 聖下にひざまずくのを拒んだ罪だ」
「あの教皇にそのような権限はない わが権限はずっと上から授かっている ローマの罪深い教皇よりもな」
「では試してみよう 火の試練で 裁きを下すのは全フィレンツェ市民 私はその神殿でそなたに挑む 主は水の上を歩かれた そなたが火の中を無傷で歩くなら私も後に続こう」
「子らよ 神は私に話される 私は火の中を潜り抜け続く枢機卿だけが焼かれるだろう」

ホアン 独り言である。「お前は昔を覚えてるか?友だった 喜びを分かち合った だが今は苦しみだけ どっちが裏切った?答えろ この野郎 ああ またか お前は黙って俺を支配する」

火がたかれる。バチカンでは破門が言い渡される。
サヴォナローラ「神よ 見届けた前 いざ証明せん アレクサンデル6世は教皇ではないと 彼は信仰さえなく神を信じてもいないと 私は火の中を歩き示そう 我が言葉は神のものであると」
儀式と破門を言いわたす儀式がクロスカット。
歩き出すサヴォナローラ。じっと向かいから見つめるチェーザレ。サヴォナローラの衣に火が付く。“燃えろ”声を出さずにチェーザレが言う。やがて熱くて堪えられなくなったサヴォナローラが戻って倒れる。皆火を消そうとするが市民は“裏切り者”とブーイング。にやりと笑うチェーザレ。

チェーザレがミケロットに「捕らえろ ローマに連行する」

阿片で独り言を言いルクレツィアとチェーザレが怪しいと思い出すホアン。

へたりこんでいるホアンに教皇「どうした 酔ってるのか?」
チェーザレ「サヴォナローラは失脚し神に見放されました」
「まだ勝利とは言えん」
「拷問すれば彼も認めます」
「誰も教皇を非難できないと示さねば 公開処刑だ 跡形もなく焼き尽くす」

デッラ・ローヴェレが鍛えた少年は見事毒見係に。

サヴォナローラ「嘘が死んだ馬の膿のごとく口から出てくるな Lies ooze from your mouth like pus from a dead horse! 私が向かうのはサンタンジェロ城だ」
チェーザレ「もはやそういうことだ」
「真の告解は拷問によってのみ引き出される 軟弱者に拷問は荷が重かろう 気長に待つことだな」

復活祭で粗食期間は終わったが教皇一人がイワシ料理を続けると言い出したら枢機卿も付き合わざるを得ない。

ジュリア「なぜ自分を罰するの?立派にお勤めよ 貧民にはパンを 皆を祝福なさっています 神の御心に従って それで充分では?」
「そうだな そうかもしれん 自分の事ばかり考えていた」
「まだ祝福すべき人が」
「誰かな」
「ルクレツィアの息子 孫のジョヴァンニ あの子に洗礼を施してあげて」

ルクレツィア「監視?」
教皇「楽しんでいた 麗しい光景を」
「楽しみを再開なさるの?」
「長く荒野にいた だがこの子まで荒野に放り出すのは罪だ」
「やっとしていただけるのね 念願でした」
「祝いの会を開こう 美しき聖母子のために」
「代父はチェーザレに」

ホアン「やっと私生児に洗礼を?」
ヴァノッツァ「あなたも私生児よ」
「母上のおかげでね なぜ来たんだ 父上に捨てられたろ」
「ホアン 変わったわね いい子だったのにWhat happened to you Juan? You were such a lovely child」

毒見役が水に毒を入れたが教皇が葡萄酒を呑むと言われ失敗。

ルクレツィア「お父様 贈り物があるの 天使と乙女の」

チェーザレ「天使だ」
ホアン「いや 生身の女だ 兄上も法衣の下で高ぶってるくせに」
「町で皆口ずさんでるそうだな 息子をあと10人 美しい踊りを台無しにする気はない」
「だから息子が死んだ なぜ首を振る?」
「カテリーナの息子は生きてる フォルリに返した 聖下に話をさせるためだ」
「惨めな野望のためだろ 俺の地位が欲しいか 俺の鎧や俺の剣が だが聖書にある放蕩息子は俺だ 父上にとっては常に最愛の息子は俺だ いい加減諦めろ 一生聖職者でいろ」

「妹よ やっとその私生児も洗礼を 聖下に祝福をさずかり地獄から救われた 俺は天使から愛されてる 俺のしたことはお前のためだ ジェノヴァの絵描きと結婚するようなら奴を始末してた」
「だからパオロを殺したの?あの馬丁よ 家族のため?」
「父上がかわいがってなきゃその子ブタも川に捨てた」
「あなたも私も兄弟も私生児よ」
「ああそうかもな 俺たちはボルジアの私生児だ そこが大きく違う 子豚ちゃん踊りに行こうか」赤ん坊を抱きかかえるホアン。
血相を変えるルクレツィア。
向い側からホアンを見ているチェーザレ。

少女たちの所にやってくるホアン。

「毒のこと教えて」
「確実に命を奪うものだ」
「今夜は喜んで殺せるわ」
「父上を悲しませる 父上は道楽息子を愛してる 従順な息子より 理不尽だ」
「では殺せない」
「誰が傷つくにせよ お前の心は守る」
振り返ると教皇がいた。

少女たちは“息子をあと10人”と歌い出す。一人の女性を引き留めるホアン。

「弟のことで話が 破滅に向っています 家族を巻き添えに」
「昔のようにまた愛せるだろ」
「私が弟を?愛で救えるでしょうか」
「暗い夜を抜け出させてやれ 嫉妬に囚われるな」
「守ってやれと?」
「そうだ お前が必要だ 助言者として 支えるのだ 枢機卿として」
「兄が必要だ」

ホアンはなおも少女を攻める。
「もう一度言ってみろ」
ミケロットが割って入る。「お考え下さい 賢明じゃありません 死体はどうします 押す場所が違います ここを押せば間違いなく死にます」

ホアンが出ていくのをミケロットが見ている。阿片窟に入るホアン。

「兄上 無礼を謝りに来たのか」
「そうだ もう許してる」
「わかるか 大きな井戸の淵に腰を掛け足をぶらぶらさせてる 井戸の壁面に煙のように流れる情景の数々 その情景こそが人生だ 俺達が見えるんだ 兄弟で仲良く一緒に歩いてる その幻は涙の産物」
「血の涙か」
「いや けしの涙だ 何もかも見える 誕生 もちろん死も だが奇跡だ 苦痛はない 俺は苦しんできた 生まれてからずっと 兄上も 苦しんでるだろ 分かる」
「そうだ 苦しんでる」
「終わらせたいな?」
「ああ 終わらせてやる」
ホアンを刺すチェーザレ。
「許すのは神だ ボルジアは決して許さないThe Borgias Wiil Never forgive. 」
テヴェレ川に落ちていくホアン。

キリストの放蕩息子の実話を地で行く賢兄愚弟の関係に遂に終止符が打たれる。妹の息子のために代父を務める長兄とその息子を弄ぶ次兄。自分もかつてはその子のように“lovely child(いい子)”だったのに阿片で現実と幻をさまよい兄に粛清されるホアン。

『ボルジア欲望の系譜』」は理知的・知性派ほっそりタイプ本作では巨体の激しい扇動家とキャラ造形が真逆なサヴォナローラ。実像はどちらが近いのか。実際火の試練は挑んだ側のキャンセルによって行われず。予言し火あぶりという点でジャンヌ・ダルクと重なる。

第10話告解 The Confession
次々と危険な告解がなされる。チェーザレはサヴォナローラの名声を葬り去ろうと決意し、一方ルクレツィアは衝撃的な決断を下す。そして、教皇は瀕死の状態に陥るのだった。

拷問されるサヴォナローラ
ミケロット「罪を認めれば終わる 終わらせたいはず 違うか 楽になりたいはず どうする?署名しろ」

教皇「二つお前に任せたな 異端者の自白書と弟の居所だ どちらか一つでも成果があったか」チェーザレ「サヴォナローラは拷問中でじき罪を認めます」
「もう何日もたっておる 弟の方は?」
「ローマ中探させました」
「それで?もっと努力しろ 人がただ消えるわけはない」

スフォルツァ枢機卿「友人宅や売春宿は探したな?遺体安置所を当たれ」

アルフォンゾ・ダラゴーナがやって来る。ルクレツィアと行き会う。
「ビシェリエ公でサレルノの領主です」
「そう ルクレツィア・ボルジア?かわいそうに ついてきなさい」
「ルクレツィア様に求婚を?随分お若いこと」
ルクレツィア「マントを脱いでTake off your cloak.」
アルフォンゾ・ダラゴーナ「お返しにあなたも脱ぐ?If I remove my cloak, what will you remove in return?」
「You'll see.どうかしら お嬢様への求婚は多い ある者は小麦 ある者はもみ殻 見分けるのが私の仕事です」
「小麦でももみ殻でもない アルフォンゾ・ダラゴーナ 生身の人間です」
「回って」
「お望みなら」
「大変結構」
「今度はあなたの番」
「お望みなら」
「大変結構」
「それで次は?いつまで品定めをするつもり?」
ルクレツィア「徹底的に 新しい馬はまず調教するでしょう?あなたのことも試させてもらう Just as one would have one's groom break in a new horse, so it is with my lady's loves and me.」

デッラ・ローヴェレ「神はその栄光の道にそなたを選ばれた」

サヴォナローラ「無垢な少年たちを堕落させる 私はフィレンツェの罪を洗い清めた」

アルフォンゾ「ここだ いつルクレツィア様に私のことを?もし君が推薦してくれたら君ともまた」
ルクレツィア「だめよ 私達は二度と会えない お嬢様のもの」
「不適格と伝えて そして一緒に来て」
「教皇の娘より私を選ぶの?」
「こんな美しい人は初めてだ」
「かわいそうに もう行かないと」

チェーザレ「人体があんな苦痛に耐えられるとは 死ぬ寸前まで拷問したWho thought a body could stand so much pain! We've tortured the man near to death.」
マキャベリ「 間違った信仰にしろ信仰の力は強い 火の中を歩けると思ったほどにThe strength of a faith misguided is still a strength. He thought he could walk through fire.
「歩けないと教えてやった」
「権力の座から引きずり下ろし肉体を痛めつけた あと足りないのは告解だけ」
「その通りだ 公に述べたことは公に否定させる 死んでも毒になり得る ローマには告解が必要だ」
「ではお与えなさい」

孫をあやす教皇を見てルクレツィア「喜んでるわ」
教皇「あまり会えんな 心にかかることが多くて」
「ホアンは戻ります いつものように」
「領土ですね また求婚者がいるの?」
「まあな アルフォンゾ・ダラゴーナだ」
「まだ子供でしょう?私が好きに形作れる粘土の少年?A boy of clay to mold into a man of my liking.」
「会ってくれ すぐ追い返さずにな ちゃんと会え 従順な娘としてだ」
「義務なら会います あくまで義務として」

やってきたルクレツィアにアルフォンゾはびっくり。
アルフォンゾ「あの…私は…」
「はい?何か聞こえました?彼と結婚します まだもいでいないリンゴのような方 明日にも結婚します 口づけを 頬にね」
皆拍手
教皇「なんとめでたく喜ばしいことか 子というのは親にはわからんものだな」

ホアンらしき遺体が見つかったという報せが入るが別人だった。
教皇「安置所を探したのか もう死んでると?」
スフォルツァ枢機卿「念のためです」
意を決して自ら探しに行く教皇。

「もう力が入らない もう気力が残ってない」
斃れるサヴォナローラ
「そんな やりすぎたな」
無理やりサインをさせて
「他言させるな」と言い置いてチェーザレは去る。ミケロットはサヴォナローラの舌を切る。

ジュリアと出かけた教皇はホアンの死体を見つける。

勇んで告解書を届けにきたチェーザレはホアンの死体と対面する。
チェーザレ「何事です」
教皇「ホアンが川からあがった 犬や猫 死産で棄てられたしょう婦と一緒に 我が息子が」

教皇「誰がこんなことを?誰が これほどホアンを恨む?」
ルクレツィア「“誰がこれほど恨む”?大勢が恨んでいます 本当に大勢」
「何を言うか そなたの兄が無残に殺されたのだ ”大勢” 大勢と言うのか そなたもその一人か」
「何を言わせたいのです 私が何を奪われたか皆知ってるでしょ なのにお父様は家族の名誉を重んじられた ホアンが死ねばいいと何度も思った それなのにその死を悼めなんて 無理です お父様」
「お前は?弟だろう 涙も見せんとは 心がないのか」
チェーザレ「嘆くのは疲れました 何度も何度も弟の失敗を嘆きました 父上もご存知だった それでも彼を甘やかし続けましたね」
「お前らは出ていけ 私の前から消えろ 今すぐに」
 出ていくルクレツィアとチェーザレ。
ジェレミー・アイアンズ鼻水を出しての熱演。

「わが家族が引き裂かれていたとは」
ヴァノッツァ「父親の目で見てたのね」
「お前もか 死を願った?」
「いいえ 息子ですよ でも時々 幾度となく 生んだのを悔やみました 送りましょう 葬儀を手配して別れるの」
「絶対に埋葬なんかせんぞ」

サヴォナローラが連れて来られ民衆からは石を投げられる。眺めているミケロット。
「地獄で焼かれろ 悪魔の火で」
真正面からサヴォナローラを見つめるチェーザレ。

チェーザレに呼ばれて教皇がやって来る。合図をしようとするチェーザレを止める教皇。
「そなたの告解を読んだ 有害な異端信仰の総てを知った そなたが犯したあらゆる罪をことごとく だが人は罪びとだ 聖なる信託によって今この瞬間も この世とかの世の間に留まっている 悔い改めよ さらば罪は許されん 何をしたにせよ 教皇にはそなたの罪を許す用意がある」
血の付いた唾を教皇に吐きかけるサヴォナローラ。戻っていく教皇。
「火にかけよ」
叫ぶサヴォナローラ。

「お兄様」
「ルクレツィア」
「お願いがあるの」
「何でもかなえよう」
「結婚したいの」
「私とか?いいとも 約束しよう 一緒に逃げるんだ 名前もかえて 小さな漁村でひっそりと暮らす 素性も知られずに」
「アルフォンゾとよ」
「ああ わかってる 結婚式を執り行えと?」
「そうよ」
「愛してるのか?」
「いい人だと思うの きっと愛せる」
「やっといい相手を だが私には無理だ」
「ぜひお兄様に」
「この手はあまりに血と罪にまみれてしまった」
「枢機卿の指輪をはめてるわ」
「それも今日限り 外すことになる」

父を探すチェーザレ。
「妹は結婚するのですね」
「浮き沈みの激しい日々だ」
「食事は何も?」
「粗食にし禁欲し体を鞭打ちあらゆる苦行に励んでいる それでもなお罪を受ける」
「神の御意思では」
「すべて神の御意思だ 殺人犯を探す イタリア中を探す それまで埋葬はしない だめだ 煉獄には遅れない 犯人を見つけないと安らかに眠れまい どこに隠れていようと必ず見つける」「必要ありません」
「犯人を知ってると?」
「知っています」
「誰なのだ」
「知りたいのですか?」
「そうとも」
「私の告解をお聞きください 私を枢機卿の任から解きそして罪をお許し下さい」
「どんな罪を犯した?」
「私は一人で戦い教皇の座を守りました 弱まった家族の力を強くしました 異端者サヴォナローラを失脚させフランス軍を出し抜きました その全てはローマと教会のため そしてあなたのため」
「何の罪を犯した?」
「これは これだけは 自分で決断しました 他の誰も手を下せないもの 皆の恩恵になること ずっと前に私は誓いました 家族とローマとあなたの名誉を汚す者は誰であれ生かしておかないと」
叫び出す教皇
「お判りでしょう 枢機卿の法衣は私には重すぎます 枢機卿の指輪は剣を持つ妨げになる 枢機卿の任を解き罪をお許し下さい 父上?」
「枢機卿の任を解く」
指輪を返すチェーザレ。赤い法衣を脱ぎ足許に。十字架も取る。そして黒い服に着替えるチェーザレ。

チェーザレ「式典係に会いました 葬儀を手配した」
ヴァノッツァ「お父様が許さないわ」
「考えるまでもない 棺をのせた黒い馬車をひかせる でもまずお前の婚約が先だ」
ルクレツィア「お祝いの会は中止よ とてもできない」
ヴァノッツァ「チェーザレ 聴きなさい できないわ」
「いいえ やらねば 時間は一人の悲しみで止まらない」
「傷が癒えるには時間が」
「もう決まったことです」
出ていってしまうチェーザレ。

ホアンと部屋に閉じこもる教皇。祝いの席ではチェーザレとルクレツィアが踊っている。
いつしかホアンは少年になっている。眠っているようだ。一人で夜道を歩く教皇。吐く息が白い。華やかな舞踏会とクロスカット。

ヴァノッツァ「教えてチェーザレ 一体何を祝ってるの?妹の婚約?弟の死?So tell me, Cesare, what exactly ae we celebrating... your sister's betrothal or the death of your younger brother?」
「妹への愛が悲しみに勝りました」
「悲しみ?ではなぜ偽りの歓びを強いるの?弟の墓の上で踊らせるとは」
泥だらけの教皇がやって来る。
「お前に話がある」

呆けたような表情の教皇。
「父上?」
「葡萄酒を持て」
毒見係「清らかでございます」
「手をどうされました」
「我が子を埋葬した 今は分かる これは全て私が招いたことだ」
「父上」
「お前は私自身だ 私のなす事をなす そのように育てた こう言ってたな 弟を甘やかしたと ホアンを甘やかすのは自然にできた お前は私に似すぎてる 人はどうしても自分に似たものを疎んじる」
「愛情を得られないのならせめて罪のお許しを」
「私は…」様子がおかしい教皇。毒見係の目から血が。血を吐き倒れる毒見係。
続いて教皇も。
「父上 そんな…」
皆が集まってくる。

毒見係とデッラ・ローヴェレの告解という名の計画相談。拷問を持ってしても引き出せずいわば偽造のサヴォナローラの告解。とどめがチェーザレの衝撃の告白と枢機卿辞職に繋がる告解。三つの告解が描かれる。

S1で毒を盛られたデッラ・ローヴェレが今度は教皇に毒を盛る(倍返しだ!)。S1S9でまるで聖家族のようにルクレツィアの息子の誕生を祝った幸福な家族が家族の死でばらばらに(生VS死)。ブックエンドのようなエピソード。そしてラスト自体はクリフハンガー。


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最終更新日  July 1, 2020 12:03:01 AM
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