【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

カレンダー

コメント新着

お気に入りブログ

ゴーステッド Ghosted New! ジャスティン・ヒーハーフーさん

台風つづく ちーこ♪3510さん

父との別れ。 天野北斗さん

松河屋老舗☆ fujiうさぎ=^・^=さん

憂きも一時 小烏丸の”てる”さん

プロフィール

hoshiochi

hoshiochi

キーワードサーチ

▼キーワード検索

全て | 料理&お菓子&旅&演劇&その他2 | フランス映画 | 韓国ドラマ・赤と黒(ナップンナムジャ) | その他の地域の映画&ドラマ | アメリカ映画 | 韓国映画 | 真田広之 | 韓国ドラマ | アメリカドラマ | その他のジャンルの日本の小説 | 日本のミステリー小説 | イギリスドラマ | よしながふみ漫画&ドラマ&映画大奥 | 漫画・アニメ | 日本ドラマ | 中国&台湾映画 | 日本の作家が書いた歴史小説 | 海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル | 東欧・ロシア映画 | イギリス&アイルランド映画 | オランダ映画&オランダドラマ | 北欧映画 | その他のジャンルの海外小説 | 日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | 日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル | 日本映画 | 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | カナダの映画&ドラマ | ドイツ映画&ドイツドラマ | 日本のファンタジー小説 | 海外のミステリー&ファンタジー小説 | 堺雅人 | 日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇 | 三浦しをん:まほろ駅前シリーズ | 山田風太郎 | 香川照之 | 松山ケンイチ | 海外の作家が書いた歴史小説 | ジェイク・ギレンホール | イギリスドラマ:SHERLOCK | 塩野七生 | 吉田鋼太郎 | イタリア映画&イタリアドラマ | ローズマリー・サトクリフ | 大杉蓮 | ベネディクト・カンバーバッチ | インド映画 | 長谷川博己 | 内野聖陽 | 林遣都 | ムロツヨシ | ジョシュ・オコナ― | 井浦新 | 菅田将暉 | ディーン・フジオカ | 台湾ドラマ&中国ドラマ
November 28, 2020
XML
みなさん、こんばんは。今年の日本シリーズはあっけなくソフトバンクが4連勝しましたね。

今日はフランスの小説を紹介します。

彼女たちの部屋
Les Victorieuses
レティシア・コロンバニ
早川書房

書籍をばっと開くと、様々な髪の色、肌の色の女性達が見える。その中で一人だけこちらを向いている金髪女性が本編ヒロインの一人、ソレーヌだ。

 現代、パリ。目の前でクライアントが敗訴を苦に飛び降り自殺した弁護士のソレーヌは、ショックで鬱になり、精神科医からボランティアを勧められ、ある保護施設で代書人のボランティアをはじめた。女性会館というその施設には、暴力や貧困、差別のせいで住居を追われた人々が暮らしている。自分とはまるで異なる境遇にいる居住者たちの思いがけない依頼に、ソレーヌは戸惑ったが一人ひとりと話して、手紙を綴るなかで、ソレーヌと居住者たちの人生は交わっていく。

 約100年前、パリ。救世軍のブランシュは街中の貧困と闘っていた。路頭に迷うすべての女性と子供が身を寄せられる施設をつくる―彼女の計画は、ついに政治家・財界人も動かしつつあったが…。

 前作『三つ編み』は、異なる場所にいる三人の女性が髪を通じて繋がる物語だった。本編は女性会館という実在する保護施設を通じて二人の女性が時空を越えて繋がる物語だ。とはいっても二人のバックグラウンドは異なる。ソレーヌは文学が好きだったが、共に法学教授だった両親の意向で堅実な職業。幸せになれるかどうかの問題ではない弁護士を選ぶ。ブランシュは大尉との結婚も決まっていたが、救世軍との出会いで自分の天職はこれだ!と決めたら一直線。そもそもの始まりから他人に決められていたソレーヌと、自分で選んだブランシュ。勧めによって、ある種施しのような気分でボランティアを始めたソレーヌと、内なる意思に突き動かされたブランシュ。物語が進む中で、大きく気持ちが揺れ動くのは前者である。決然としたヒロインと、惑いながら道を見つけ出すヒロイン、二人のヒロインの違いを噛みしめて読む。

 顧客はセレブばかりでいわゆるバリキャリに見えるソレーヌ。気ままな独身暮らしを楽しんでいるかに見え、自分でもそのように装っていた彼女は、冒頭に挙げた事件で傷つき、更に自分には“子供は欲しくない”と言っていた元恋人が子供連れで歩いている場面に出くわして打ちのめされる。ブランシュは
「子供をひとり凍え死なせて全人類など救えるわけがない。失敗、惨敗、これまで喫した敗北のなかで、いちばん痛烈な敗北だ。世界を変えようなんて思いあがりもいいところ!自分の行為はばかみたいにちっぽけで、悲しみの大海の一滴の水。この瞬間、すべてがむなしく無駄にみえる。」

どんなに頑張っても減らない貧困と足りない資金と設備にくじけそうになる。ソレーヌを支えてくれたのはボランティアで出会った人達、ブランシュを支えたのは同じ志で隣にいてくれた夫だ。一人でできないことでも、側にいてくれる誰かに背を押されて、彼女たちは自分の部屋=居場所を社会に見出してゆく。そしてそんな彼女たちは、まぎれもなく勝利者=Les victorieuses(原題)である。

 フェミニズムと構えて読まなくても、純粋に読み物としてストーリーを追う楽しみがある。


彼女たちの部屋 [ レティシア・コロンバニ ]​​楽天ブックス






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  November 28, 2020 12:00:23 AM
コメント(0) | コメントを書く
[その他のジャンルの海外小説] カテゴリの最新記事


PR


© Rakuten Group, Inc.