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みなさん、こんばんは。
オリンピック組織委員会会長は橋本聖子さんに決まりましたね。 今日は独裁者たちの最期にスポットをあてた評論を紹介します。 独裁者たちの最期の日々 上 Les Derniers Jours des Dictateurs ディアンヌ・デュクレ エマニュエル・エシュト 清水 珠代 (訳) 原書房 独裁者の死はできるだけ悲惨な方がいい、二度と独裁者になろうなどという人が出てこなくなるから。とはいうものの、独裁者は二十世紀にこれだけ登場した。上下巻で二十四人の独裁者の死が紹介されている。 1 ドゥーチェの二度目の死 3 ペタン元帥は四度死ぬ 12 ポル・ポトは六度死ぬ などのように、007じゃあるまいし、まるで死んだ回数を競うようなタイトルもある。 1 ドゥーチェの二度目の死 2 ヒトラーの自殺 の二人は、最近映画で復活させられた。まあ、こんなパロディ&風刺精神豊かな作品も、絶対に彼等が復活しないと分かっているから作れる。二人は「独裁者は悲惨な死を迎える」という、いわば勧善懲悪の見本のような死になっている。 1 ドゥーチェの二度目の死 劣勢に立たされた時の、ヒトラーのムッソリーニに対する「こいつと組むんじゃなかった」感があからさまだ。死んだ途端にムッソリーニとその妻に加えられる暴行は、これまで民衆が抱えていた鬱屈の表れとはいえ恐ろしい。 4 魔のソファ スターリン断末魔の五日間 パロディ映画「スターリンの葬送行進曲」がある。事ほどさように独裁者はパロディにしやすいらしいが、死後しばらく放っておかれたのは史実。独裁者も善しあしということ? 5トゥルヒーリョ、熱帯のカエサル マリオ・バルガス・リョサの『チボの狂宴』に描かれた、ドミニカ共和国で30年にわたり独裁政治を敷いてきたトゥルヒーリョはロマン将軍に追われ銃弾を全身に撃ち込まれて死亡。まるで映画のような最期だった。ただ彼を引き立てたのは、中南米に拠点を持ちたかったアメリカであり、彼が失脚すると見捨てるというえげつない事をしている。 6 ゴ・ディン・ジエム、「自己流愛国」大統領の死 事実上フランスの傀儡政権の初代首相。仏教徒の弾圧により一挙に支持を失い、また暗殺により亡くなる。独裁者で畳の上で眠れた人は少ない。 7 パパ・ドクの静かな死 ハイチの政治家で本名はフランソワ・デュヴァリエ。パパ・ドクは愛称。親子で30年間独裁政治を敷きデュヴァリエ王朝とも呼ばれる。心臓病のため早くに亡くなり息子を後継者に指名するが、19歳の息子では抑えにならず失脚。要は英才教育(子育て)の失敗か?の失敗か? 8 フランコの果てなき苦しみ 軍部でのしあがってゆきやがて総裁に。ただし自分の死後はブルボン王朝復活を願っていた点が意外だ。 9 毛沢東の長い死 亡くなった時にTVニュースが彼の写真いっぱいだったのを覚えている。当時はSNSがなかったが、もしあったら今の中国のパワーならばSNS乗っ取りもありえるのでは。全世界への伝播が返って恐ろしい。そして現在国家主席である習近平氏の任期制限が最近撤廃された。中国は独裁者を好むお国柄なのか。 10 フワーリ・ブーメディエンの最期の日々 クーデターで倒れたり国を追われる独裁者が多い中で、葬儀の間中人々の嘆きを背に受けていたというのは珍しい。 12 パフラヴィー二世、最後の皇帝 我々の世代では言いやすいようにパーレビ国王と呼んでいた。ホメイニ師の写真や大判のポスターがTVニュースで出回っていて、師の方が独裁者イメージがあった。 独裁者たちの最期の日々 上 [ ディアンヌ・デュクレ ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
February 19, 2021 12:00:19 AM
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