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August 15, 2021
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みなさん、こんばんは。終戦記念日ですね。今日もスタインベックの小説を紹介します。

赤い小馬
The Red Pony
ジョン・スタインベック
新潮文庫

  ある年齢になると、関節の節々が痛くなる。成長するために必要な痛みと言われている。そして痛みは、単に肉体的なものに留まらない。

 山奥で両親と雇い人のサリーナスの谷で暮らす少年ジョーディが感じる“こころ”の痛みが、四篇で綴られる。

 『贈り物』
 ある日父親が買ってきた赤い仔馬を、大喜びでジョーディは世話をする。しかし雨に濡れたことが原因で、あっけなく亡くなってしまう。彼が感じるのは、可愛がっていた馬を失う痛み―どんなに愛したものもいつかはいなくなることを知る痛み―である。ジョーディは代償行為として馬の目を喰らっていた禿鷹を散々に痛めつけるが、それでも気が収まらない。わが子の今まで見たことのない姿に父親が驚いて声をかけると、雇い人ビリー・バックが止める。彼はもう一人の父的存在でもある。

『大連峰』
 かつてここらにあった牧場で働いていたと称するヒターノ(ジプシー)の老人がやってきて、「ここは俺の土地だ、俺はここで厄介になる」と言って居座る。父親はこのまま居座られては困ると言うが、ジョーディは誰も何があるか教えてくれない山奥を知っているらしい彼に惹かれる。翌日彼は父親が最初に買った馬を引いて去っていく。今回ジョーディが痛みや喪失感を抱えるのではなく、喪失感を抱く人達をそうとは知らず見送る立場にある。馬は誰からも当てにされておらず、いわば“生きながら死んでいる”状態にあり、故郷ともいうべき牧場をなくしたヒターノも同様だ。彼等の行方ははっきりと描かれないが、同類を見出した一人と一頭が最後の死に場所を得たというのが妥当な見方である。

『約束』
 父親が新しく生まれた仔馬をジョーディにくれると約束。子供に種付けから見せるというのはいかにもアメリカらしいが、出産は母馬の死と引き換えに仔馬が生まれるという衝撃の結果になる。“何かを得るためには何かを犠牲にすることもありうる”という人生の痛みを、ジョーディは言葉でなく目の前の出来事で知る。

『開拓者』
 母親の父―ジョーディにとっての祖父がやってくる。父はいつも祖父がインディアンと大陸横断の話ばかりするのが嫌でたまらないとこぼす。ある時父の愚痴を祖父が聞いていた事がばれるが、その時ジョーディの取った行動は。本編において本作は幕となるが『贈り物』では気遣われる立場だったジョーディが、他人を気遣うことができるようになった点で成長を見せる。いつ、どのような時に、どのような言葉をかければいいか、具体的に教えてもらうわけではない。それでも人間は教科書以外の機会から多くの事を学んでゆくことができる。

 あまり短編を書かないスタインベックが故郷サリーナスを舞台に少年時代を投影して書いた作品。


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最終更新日  August 15, 2021 12:00:19 AM
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