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カテゴリ:その他のジャンルの海外小説
みなさん、こんばんは。ドラマ『冬ソナ』で一世を風靡したヨン様は俳優業を休んで総額25億円以上らしいですよ。すごいですね。今日もマーガレット・アトウッドの小説を紹介します。
寝盗る女〈下〉 (カナダの文学) The Robber Bride マーガレット・アトウッド 彩流社 上巻は、三人の中で最も賢いと思われているトニーが、まんまと夫をズィーニアに奪われるエピソードまでだった。下巻は他の二人-カリスとロズ-のズィーニアとの関わりと、二人の半生を描く。また、上巻で三人はズィーニアの幻を見るシーンがあり、てっきり思いが強い故の現象だと思っていたが、実はこれにも理由があった。 ヨガのインストラクターをしているカリスの前に、ズィーニアが現れる。トニーのパートナー、ウェストに殴られたとご丁寧に顔に傷までつけ、おまけに自分は癌とまで言う。上巻を読んだ読者は、ズィーニアの言葉が嘘だと知っているが、困った人、理不尽な扱いを受けている人を見過ごせないカリスはズィーニアを受け入れ、そのために同居人のビリーとの間がぎくしゃくする。 三人目のロズは、父親から譲り受けた財産で事業を行っている。恋焦がれたミッチと結婚したが、彼の浮気性だけが悩みだった。トニーやカリスからズィーニアの事を散々聞かされていたにもかかわらず、彼女の前に現れたズィーニアが「戦争中あなたのお父さんに会ったことがある」と言ったことから、すんなり彼女を受け入れてしまう。しかしやはり彼女も男を取られてしまう。つまり、全員寝取られ女になるわけだ。 現代社会で男達が優位に立つ社会の抑圧に苦しめられているカリスとロズに比べ、ズィーニアは男たちを思いのままに動かす。三人の女性達は、愛する人を奪われて勿論ズィーニアを恨んでいるが、どこかで彼女に憧れる部分もあるのも否めない。“女の敵は女”ではないわけだ。その格言めいた言葉さえも、男達が自分に都合よく作り出したものかもしれない。 最後まで心中も生まれ育ちもブラックボックスだったズィーニア。悪女かどうかの答えは、もう誰ももらえない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
February 6, 2022 12:00:20 AM
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