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みなさん、こんばんは。大泉洋さんがコロナ感染、井上芳雄さんもコロナ感染で舞台を一部中止したそうです。
今日は第二次大戦の舞台裏を綴った書籍を紹介します。 怒号の日々: リンドバーグとルーズベルトの闘い 大戦前夜1939-1941 Those Angry Days-Roosebelt,Lindbergh,and American’s Fight Over World War II リン・オルスン 河内 隆弥 (訳) 国書刊行会 一介の郵便パイロットが、大西洋単独横断飛行を成し遂げた事で、一躍ヒーローとなる。アメリカン・ドリームを体現したような男性がチャールズ・リンドバーグだ。富豪の次女と結婚し、軍部からも意見を聞かれるほどになった彼は、その頃アメリカを二分していた一つの考え方―孤立主義者の非公式リーダーにしてスポークスマンだった。 孤立を素直に「世界のはぐれ者になる」と考えてはいけない。当時アメリカは、第二次世界大戦に参加するか否かで揺れていた。参加すべきと考える人達を介入主義者、逆の考え方を孤立主義者と呼ぶ。リンドバーグは後者だった。他所の国の事にわざわざ首をつっこむ必要はないと考えていた。トランプ元大統領が標榜した「アメリカ・ファースト」に近い。世界の要人を相手にしなければならないFDRことルーズベルト大統領も、相手がリンドバーグという素人だからといって、余裕かましていられない。とても表に出せないような手段も用いて彼を追い詰めていく。 フランスは早々と降伏し、イギリスもダンケルクでようよう兵士たちを回収できたものの、軍艦も飛行機も足りず反撃ができない。それでもチャーチルは「we shall never surrender」と意気盛んだった。アメリカを当てにしていたからだ。しかし、アメリカは第一次大戦で懲りていた。アメリカが参戦するなりあっという間に形勢が逆転し、存在を全世界にアピールできたが、多くの若者を失い、損失も大きかった。戦争が二度と起きないように国際連盟が創設されたのに、結局は復活したドイツにーロッパの弱小国は手もなく占領されてしまう。ならば、先の戦いは一体何のためだったのか?敗戦処理は間違っていたのではないか?米軍がアフガン撤退を決めた後、タリバンが政権を掌握し、あっという間にこれまで政権の中枢にいた者達が亡命したのは記憶に新しい。歴史は繰り返すのだ。介入が過ぎれば「世界の警察気取り」と揶揄されるが、さりとて手を出さなければ「それが大国の責任」と言われ、世界規模の出来事が起これば常に当てにされるのがアメリカという国だった。 もともと、ドイツはアメリカとは戦争をしたくなかった。欧州の小国なら相手にできたが、アメリカは国も大きく民も大きすぎる。後にソ連を攻めて攻めきれなかったドイツに、もう一つの大国を相手にする余力はない。東方の某国が真珠湾攻撃をして米国に戦争を仕掛けなければ、アメリカは第二次大戦に参加しなかったかもしれない。さすがに国土をやられれば真っ二つだった世論が一つにまとまる。奇襲という卑怯な手段ならなおさら怒りが火に油を注ぐ。9.11テロ後のアメリカを見よ。日本が勝利を掴む手段として選んだ真珠湾攻撃が「飛んで火にいる夏の虫」だったとは。権謀術策とは無縁のリンドバーグと、政治の世界を知りぬくFDRの対立を終わらせ、そして孤立VS介入で揺れ続けたアメリカを一つにまとめた功労者が、敗戦国日本だったなんて。ああ、情報分析が出来る人間が、あの頃の日本にいたならば。 怒号の日々 リンドバーグとルーズベルトの闘い 大戦前夜1939-1941 [ リン・オルスン ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
March 24, 2022 12:00:20 AM
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