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みなさんこんばんは。ヒョンビンが結婚しましたね。今日はルネサンスに実在したイギリス人の傭兵隊長の伝記を紹介します。
フィレンツェの傭兵隊長ジョン・ホークウッド Le Armi,I Cavalli,L’oro Giovanni Acuto e i condottieri nell’Italia del Trecento ドゥッチョ・バレストラッチ 白水社 和栗 珠里 (翻訳) ジョン・ホークウッドは、フィレンツェの傭兵隊長として名高く、死後その肖像画がパオロ・ウッチェッロによって大聖堂に描かれるほどの人物だった。冒頭場面はフィレンツェで営まれた彼の葬儀だ。最初は聖職者、次に彼と縁のあった騎士達、政府高官、そしてこんな有名人の葬儀に立ち会うのは初めてだ!の市民(単なるミーハー)が続く。 盛大な葬儀を営んでもらった彼は、フィレンツェ人ではなく、イタリア人でもなかった。彼は14世紀の初めイギリスに生まれるが、次男坊で家は継げない。折しも百年戦争のさなかフランスに渡り、戦いの日々に明け暮れるが、やがて英仏間の和平により軍隊は解散。故郷に帰るあてもない彼は、傭兵となってイタリアへ向かう。当時のイタリアは国家という態を成していない。教皇領があり、都市国家が勃興し、それぞれが異なる外国と結んでいるという複雑さを持ち、一種の戦国時代の様相を呈していた。必ずどこかで戦闘が行われるわけで、政治・軍事面で重要な役割を担っていた傭兵はまさに売り手市場だった。 顧客の中には教皇や聖職者もいるが、これがまた何とも胡散臭い。シエナの聖カテリーナが 「キリスト教徒を相手にするのはもうおやめなされ。神のお気に召しませぬゆえ。その代わりに、あの者どもを負かしにお行きなされ」 と十字軍参加を促す手紙を出すが、そもそも「汝、殺すなかれ」って聖書でも言ってるじゃないか!殺す相手を変えろってどういう助言だよ! またある時、教皇の依頼で護衛をしたが、なかなか支払ってもらえない。督促するとやたら 「愛する息子にして高貴なる」 と褒めちぎり、あげくの果てには 「引き換えに天国を得るであろうと保証している」 と言うが、いや、現世でのご褒美ないと、部下ついてきてくれないから! 最強ホークウッドの前に、ある時は依頼主、ある時は敵の傭兵隊長として立ちはだかったのがミラノの名家ヴィスコンティ家だ。有名な同姓の監督は傍流の家系である。大司教も輩出し、事実上ミラノのシニョーレ(僭主、藩主)として君臨したヴィスコンティ家から依頼を受けたホークウッドはフィレンツェやボローニャに攻め込むが、突如契約を解除して敵方につく。その後もヴィスコンティ家はホークウッドと契約を結び、費用をフィレンツェに払わせるなど、なかなか強かだ。散々悩まされたにも関わらず、フィレンツェが彼の終焉の地となり、生存中に記念像の建設まで決められたのだから、大した厚遇ぶりである。イタリア都市国家は恨みつらみを抱いたままでは生き延びられなかったのだ。 同じ戦国時代といっても、自身もプロの戦闘家&戦略家であり、その時限りの傭兵を率いる傭兵隊長は、戦国時代に専門職の兵士がいなかった日本にはないシステムだ。もし出現していたら、日本の歴史は今より早く進んでいたのか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
April 1, 2022 12:00:21 AM
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