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カテゴリ:その他のジャンルの海外小説
みなさん、こんばんは。石原さとみさんが第一子を出産したそうです。めでたいですね。短い期間存在したワイマール共和国で詐欺師と知り合った青年視点から詐欺師を描いた小説を紹介します。
いかさま師ノリス (エクス・リブリス・クラシックス) Mr Norris Changes Train クリストファー・イシャウッド 白水社エクス・リブリス・クラシックス 1930年代、ワイマール文化が咲き誇るベルリン。イギリスの由緒ある家の生まれウィリアム・ブラッドショーが列車で乗り合わせたノリス氏は、立派な身なりをした教養人で貿易業をしているというがどこか緊張していた。ウィリアムは「きっとちゃちな密輸でもしてるんだな」と思い、気の弱そうな彼を何かと庇うようになる。 「こんなふうにたやすく保護者めいた気持ちになるのは危険きわまりない。にもかかわらず、それが以後も私たち二人の関係を左右することになる。」 お礼と称してノリスに誘われたウィリアムは、彼を介しブーツを履いたアニー、彼の貴族の友人で性癖を秘密にしているプリーグニッツ男爵、アシスタントと言いながら、さながらアーサーを脅しているようなジェローム、共産党グループの指導者の1人であるルートヴィヒ・バイエルら癖のある面々と出会う。 アーサーとの出会いで、ウィリアムがまず気づくのが彼の鬘である。思わずウィリアムが直そうかと手を出したくなるくらい鬘は不格好で、おそらく他人もそう見ているが、アーサーは鬘を手放そうとしない。鬘=アーサーであり、周囲から不自然かつ生きづらそうに見えながらも、その暮らしを変えることができない男というわけだ。ノリスは贅沢な乱痴気生活をしては困窮して姿を消しては、次に現われたときには大金を手にしている。政治週刊誌のベルリン特派員ヘレン・プラットや、ドイツ系アメリカ人の遊び人フリッツ・ウェンデルらウィリアムがアーサーを引き合わせた人は皆「彼はいかさま師だから気をつけた方がいい」と忠告するが 「正直なことを言えば、アーサーは自分のものだという思いが多分にあった。私がアーサーを発見した。だから、所有の権利は私にある、と。」 年下でありながら庇護者で、若干彼を甘く見ていたウィリアムは、ある時彼に代わり、取引先に知り合いの男爵を引き合わせるよう頼まれた事で、決定的な事実を知る。 原題Mr Norris Changes TrainのTrainも、実際の列車というよりは「河岸を変える」の意味で、言う事を次々と変え、何が真実なのかわからないまま世界各国を行き来する謎の男アーサーの生き方そのものを表している。しかもそんな怪しい生き方をしながら「なんで自分がこんな目に遭わなければならないのか」とあくまで他罰の姿勢を崩さない。一種失敗したヒトラーのようでありながら、共産党に入ったことでヒトラー率いるナチスからは狙われる。ヒトラーがもう一人のヒトラーを追う構図にも見える。 「ここに集うのは、誰かに会うためではなかった。顔を見せに来たわけでもない。いわんや、世間の義理を果たすためでもなかった。ひたむきに耳を傾けているが、かといって他人事というのとは違う。ただの見物人ではなかった。知りたいという静かな情熱を胸に、男の話を自分のものとして受け取っていた。思いを代弁してくれているのだ。一同がみずからの属する階級の声を聞き、そして思い出したように爆発するような拍手で応じていた。そんな彼らの情熱、そして強烈な意思を前にしては、私も気持ちを高ぶらせずにはいられない。いまの私はあくまでも傍観者である。もしかしたら、このような状況に共感する日が来るのかもしれないが、一緒になって熱狂することはさすがに考えられなかった。」 まるでヒトラーの演説のような描写は、実はウィリアムがアーサーに誘われて出向いた共和党の集会である。ヒトラーが政権を取った1935年に書かれた作品で、そのものずばりを描く事ができなかったが故の置き換えであろうが、当時なぜドイツが一人の男に熱狂したかという理由の一端がここに見えている。 2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。 いかさま師ノリス (エクス・リブリス・クラシックス) [ クリストファー・イシャウッド ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
May 9, 2022 12:00:20 AM
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