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March 16, 2023
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みなさんこんばんは。ウクライナ南部に面した黒海の上空でアメリカ軍の無人機がロシア軍の戦闘機の妨害行為を受けて衝突し墜落させたとアメリカ政府が発表したのに対して、ロシア側は衝突を否定し、双方で主張が食い違っています。今日もドストエフスキー作品を紹介します。

ステパンチコヴォ村とその住人たち​
フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
光文社古典新訳文庫


 伯父の陸軍大佐エゴール・イリイチ・ロスタネフは退役後遺産で手に入れたステパンチコヴォ村に移住する。軍の規律正しい生活からいきなり村の牧歌的な生活は大転換だが、伯父はうまく馴染んだようだ。伯父は容姿端麗で40歳、若い頃に結婚したが妻は病没し、8歳の息子イリューシャと15歳になる娘サーシェンカが父親と一緒に村にやってきた。

親子3人水入らずののどかな暮らしと思いきや、大佐の母がとんでもないキャラだった!まだ十分に若い伯父の再婚を頑として認めないにもかかわらず、自身は伯父の父と死別後、42歳で癖の強いクラホートキン将軍と再婚。伯母と結婚した理由について語り手セルゲイ・アレクサンドロヴィチが「金持ってると勘違いしたのでは」「単に世話してくれる人が欲しかっただけでは」と身もふたもない理由を挙げているあたり、将軍も人格者ではない。余生を裕福な義理の息子=伯父に頼りっきりで夫婦ともに感謝もせず、伯父は母親にエゴイスト呼ばわりされたトラウマで、せっせと仕送りを続けていた。なんと可哀想な!これだけでも大変なのに、更に目の悪くなった将軍の読み聞かせとして雇われたフォマー・フォミッチ・オピースキンが現れたからさあ大変。

 雇われ人なんだから、そんなに酷いならばさっさと首にすれば?と言いたいところだが、オピースキンは将軍の生前ひたすらいじめに耐え、死後豹変する。気の優しい、流されがちな伯父はともかくとして、気の強い将軍夫人が彼に心酔し、勧める通りに伯父のいるステパンチコヴォ村に「息子の孝行ぶりを試験する」ために「少し暮らしてみる」ためにやってくる。だが、こういう時の「少し」ほど当てにならないものはない。フォマーは居座り、伯父にあれこれ指図する始末。

 もう伯父が人格者すぎ。
「極端に善良であったばかりでなく、やや粗野な感じのする外見とは裏腹に、繊細な優しさとすぐれて高潔な心、鍛え抜かれた雄々しさをあわせもった人間だった。(中略)その心は子どものように純真だった。実際、おじは四十歳になる子どもだった。誰よりも感じやすく、いつも明るくて、すべての人を天使だと思い込み、他人の欠点のことで自分を責め、他人の美点を過大視し、そんな美点のあるはずのないところにまでそれが存在すると思い込んでいる。おじはあまりにも優しく美しい心の持主なのだ。人をちょっとでも悪く思うことを恥とみなし、身近な人をありもしない善行で飾り立て、他人の成功を心から祝福する。いつだって理想の世界に生きていて、うまくいかないことがあれば、真っ先に自分を責める。他人の利益のために自分を犠牲にすることは、こうした人物にとっては使命だった」

 いや非の打ちどころないじゃん(四十歳のこどもってどうなのよとちょっと思うけどさ)さっさと結婚相手見つけて幸せになってくれよと言いたいのに、あのおかーさまがついてちゃこりゃだめだとなるし、セルゲイの従兄は「伯父に求婚させたらだめだから自分が犠牲を払って結婚する(なんでそんな偉そうなんだそして人物紹介の28歳くらいに見えるってなんだ見えるってそしてなんで登場人物の年齢が曖昧なパターン多いんだ)」勝手に算段するし。このカオスをどうやって収拾するんだよと思っていたらやっぱりそうきたか。

 語り手はさすが部外者なので、伯父の心酔っぷりもフォマーの尊大さも冷静に表現してくれているので本当に助かる(実感)。よりによって寒いシベリア流刑地時代にドストが書いた単発の作品。



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最終更新日  March 16, 2023 12:00:22 AM
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