映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。「ムツゴロウ」の愛称で親しまれた作家の畑正憲さんが亡くなりましたね。
ドラマ化が決まったおかざき真里さんの漫画を紹介します。

かしましめし(3)​
おかざき真里
祥伝社


　上司のパワハラに心が折れ、仕事を辞めた千春は未だその記憶に苦しみ続けている。後の巻で明らかになるが、実力がある千春を事務所のトップがやっかんでパワハラしたらしい。やっと外に出て仕事を受けることができるようになったが、未だに全く別人の何でもない一言に怯える事がある。

　社内恋愛に破れ異動を言い渡されたナカムラは、今までバリバリ仕事していただけに、やる気のない同僚たちにうんざり。社内問題児として集められた人達ばかりで、気分は下がる一方だ。そんな中子供を抱えて働く常盤と知り合い、彼女に無理やり仕事をふってくる前上司に、新聞しか読んでいない部長がガツンといってくれる。

　恋人とうまくいっていないゲイの英治はSNSでこっそりデートするが、相手は写真と違いすぎる！おまけに恋人までやってきて気分は下がる一方。そんな時、学生時代冴えない眼鏡君だった瀬川榮太郎がとびきりのイケメンになって現れた。しかし相手は異性愛者で千春と英治が恋仲だと思っている。彼に嫌がられないために、敢えて嘘を通そうとする英治。

　いい事ばかりでも、悪い事ばかりでもない日々。彼等が普段感じている生きづらさが、一日にして消滅することはない。また、自身のもやもやを言葉にしても、100％わかってもらえるわけでもない。それでも、アップダウンを経ながら、三人は少しずつ前に進んでいく。毎回引きが不穏で気になるが、次巻を読んで拍子抜け。まあ確かに大変な事ではあるが。

　ナカムラは常盤に「家にご飯食べに来てください」と誘う。本巻でも、榮太郎がやってきたりと、以降、三人だけの食事に他人が混ざる事が増えていく。全ての価値観を共有しているわけではないが、楽しくご飯を食べる時間を共有することで、暖かな気持ちになれる。コロナ禍で個食が増えてしまったが、本来食事は団欒とイコールだった。

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