映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさんこんばんは。連続テレビ小説「おしん」などテレビドラマのナレーションでも親しまれた俳優の奈良岡朋子さんが肺炎のため都内の病院で亡くなりました。93歳でした。今日もアジアの映画を紹介します。

世界
The World​

監督＆脚本
ジャ・ジャンクー

出演
チャオ・タオ

　北京郊外にあるアミューズメントパーク「世界公園」。エッフェル塔やピラミッドなど世界40か国のモニュメントが10分の1サイズで再現されている観光スポットだ。この会場でダンサーとして働くタオは、毎日あでやかな服を身にまとい舞台に立っている。職場では同僚たちから「姐さん」と慕われ、プライベートでは世界公園の警備主任として働くタイシェンという恋人がいるが、観客に振りまく笑顔とは裏腹に、将来に対して漠然とした不安を抱いていた。より多くのお金を稼ぐために転職する友人、恋人との結婚が決まる同僚、女であることを利用してキャリアアップをはかろうとする後輩、そして年上の女性に心動かされるタイシェン。憧れ、不安、失望、そしてささやかな悦び。様々な思いを抱く中、ひたむきに踊り続けるタオ。北京の町も2008年のオリンピック開催を前に日々変わっていく。

　主演のチャオ・タオが実際に世界公園で働いていたことがあって思いついたとか。それにしても何でも偽物を作るのが好きな中国が世界の名所をパクってつくったアミューズメントパークなんて似合いすぎ。それでも結構国内のお客は入っているようで、ピサの斜塔では必ず皆決まったポーズを取る。

　この映画から20年くらい経っているので今の中国ならばだいぶ垢抜けているだろうが、映画の中では北京オリンピックを控えているというものの、どこか垢抜けない服装の人達がいる。町の至る所で工事をやっていて、田舎から出稼ぎにきた若者たちがいい金になるから働いている。まるで一度目のオリンピックの時の日本みたいだ。ソ連から中国に出稼ぎに来ている人もいたから、潤ってはいるのだろうけれど、都会に来た誰もが幸せになれるわけでもなく、いきなり富を得られるわけではない。うまく波に乗っていける人、乗っていけない人と分かれて、格差が生まれる。共産国家ではあってはならないのだと思うが、共に産んでもその産んだ結果を皆が享受できるわけではないから、共に栄えはしないのか。




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