映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。数々のSF漫画で一世を風靡した松本零士さんが亡くなりましたね。
菅原道真が主人公の漫画の最新刊を紹介します。ちなみにこの漫画、宝塚で舞台にもなりました。

応天の門　18
新潮社
（バンチコミックス）
灰原 薬​

前巻から伴中庸に接近していた太皇太后・藤原順子。彼女の宴に偶然呼ばれた道真。そこにはある謀略が。

　伴中庸を象徴する言葉は優しさと優柔不断。いずれも“優”の字が入っている。その感情故に揺れ、その揺れを藤原順子に利用される。一方、島田忠臣を供に宴に参加した藤原基経は優しさとは無縁だ。実の妹高子に対しても、養父良房に対しても、表面だけのつきあいで、徹頭徹尾目的のために行動し、情は見せない。唯一島田忠臣にだけは情らしきものを見せ、道真は単純に吉祥丸の弟として関心を持っているようだ。順子に罠にはめられても冷静そのものだ。勝負は明らか。しかし既に企みは発動してしまった。偶々居合わせた道真は島田忠臣と共に
「何もなかったことにする」
ため動き出す。
　さあどうなる？というクリフハンガーで本巻幕。

　番外編として山路と高子のエピソードが登場。山路は2巻第7話に初登場し
「山路　いかがした」
の高子の台詞と共に登場する。壮絶な過去を抱え孤独な高子の腹心である。しかし最初から最強タッグだったわけではない。何人も辞めた高子の側仕えの代わりとしてやってきた山路と相対するのは、本編の重要人物の一人、藤原順子である。若い頃の順子は頽廃的な雰囲気をまとっており、本編の狂乱を生む悲劇は体験していない。だから高子に
「これからつらいこともあるやもしれぬがいつかそなたもわかるゆえ　賢くおなり」

とおざなりの事しか言えない。順子のビフォーアフターとして見るのも一興。
応天の門 18​
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