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映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

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June 23, 2024
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みなさんこんばんは。童話「エルマーのぼうけん」で知られるルース・スタイルス・ガネットさんが亡くなりましたね。今日は恋愛小説を紹介します。

いつか、どこかで​
Where or When
アニータ・シュリーヴ
高見 浩訳
新潮社

「タイミングがすべてなのだ」
これは作中の主人公、チャールズの言葉だ。彼がキャンプで出会った少女ショーンの存在を知ることも、大人になって関わりを持つことも、それによってそれぞれの家族が変わってゆくことも、二人のタイミングがあわなければ、起こり得なかったことだ。でも、人生は大抵そんな出来事の連続だ。だからやはり、タイミングが全てなのだ。

 本書の刊行にもやはりタイミングが重要だったと思われる。実は本書は、先に発表されたシュリ―ヴの『パイロットの妻』以前に発表された作品である。そして、『パイロット…』が夫に不倫された妻の側に立った物語であるのに対し、本作は既婚者同士が恋に落ちる物語であり、両者は合わせ鏡のような存在である。もし、逆のタイミングで刊行されていたら、果たして好評を得ていただろうか?普通に考えれば、裏切られる側の立場に立った作品の方が共感を得やすいのだから。

 本作は、少年の頃に思いを遂げなかった二人の男女が未遂だったからこそ再会によって一層熱情を燃え上がらせてゆく過程を、冷静かつ官能的に描いてゆく。ともあれ、無条件に不倫を美化しているわけでもご都合主義的にストーリーを運んでいるわけでもない。分別ある大人なのだから、分別やら理性やら、自分でいくつも防波堤を作っている
「胸の奥では、自分の人生がそんなに簡単に変わるはずがない、と思っていた。子どもがしだいに成長し、家屋が緩慢に土の中に沈み込み、結婚生活が、それとわからない程度に、ごく微かに腐食してゆく、その程度のささやかな変動はあるにしても、それ以上の変化など起こるはずがない、と思っていた。」

「少年時代の思い出がどんなに甘美であろうと、その甘美さに身を任せたいという衝動がどんなに強かろうと、誘惑に負けたが最後、これはどこまで暴走してしまうかわからないからだが-にもかかわらず、自分の思いがどんなに潔癖であっても、それは不純さと無縁ではありえないことを、彼は承知していた。」

それでも、31年という年月も現実も越えて突っ走ってしまう所に愛の恐ろしさと凄さがあり、その裏には、激しさの陰で傷つく者や哀しみがある。勿論、愛の素晴らしさを見て取る読者もいることだろう。セックスを描いていても、この著者は意外に冷静だ。ジャーナリストという経歴を見て、ああなるほど、と思った。彼女の冷静な視線を感じ取ることができたので、本作を、単なる不倫小説として切り捨てることなく読めた。もちろん、少女時代の思い出を描くことも、不倫行為を少しばかり薄める効果があったのだが。

 いつか、どこかで会った誰かを、あるタイミングで思い出すことが出来た方が幸せなのか。
それとも、歌のように「だけど、それがいつだったか、何処だったのか、誰も知らない」くらいにおぼろげな記憶であった方が、幸せなのか。さて、あなたはどちらですか?

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最終更新日  June 23, 2024 12:00:30 AM
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