映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさんこんばんは。公的年金に上乗せする“個人型”の確定拠出年金「iDeCo」について、政府は、掛金の限度額の引き上げに向けた検討を進め、年内に結論を出したい考えです。貯蓄から投資へのシフトを促すねらいがあり、今月まとめる「骨太の方針」にこうした内容を盛り込む方向で調整しています。
今日はホラー短編集を紹介します。

カーミラ　レ・ファニュ傑作選
Carmilla
J・S・レ・ファニュ
光文社古典新訳文庫

『カーミラ』
【ガラスの仮面】で北島マヤが罠にはめられ、芸能界を追放された時に、真相を知ったライバルの姫川亜弓がリベンジを果たすために出演した劇として記憶していた。今回やっとフルバージョンを読了。母を亡くし父に溺愛されて育ったローラは、十字架が立っている道(はい、十字架大事なので覚えておくように！）を避けようとして馬車が横倒しになったのを目撃。中からぐったりした若い女性とつきそいの婦人が出てきた。ローラの父は、婦人が用を済ませる間、若い女性カーミラを預かろうと申し出る。ローラは、かつて幼い頃寝床で見た美しい女性にカーミラがそっくりだと気づく。しかし誰もその女性を見た者はいなかった。カーミラは次第にローラに執着するが、ローラは急速に具合が悪くなっていく。そんな時、娘が謎の病で急死したという将軍がローラの家にやってくる。カーミラの正体は重要アイテムが出てきたのでわかると思うが、ご想像の通り。しかしあの人、名前を本質的に変えず、ただ並び替えているだけなのに、よくばれなかったもんだ。

『シャルケン画伯』
後に有名な画家となったゴットフリート・シャルケンは、若い頃不滅の巨匠ヘラルド・ダウの姪ローゼと密かに両想いになっており、後は父親に打ち明けるだけだった。しかしロッテルダムのファンダーハウゼンという男が突然現れ、巨額の資産と共にローゼにプロポーズ。ローゼの意思とは関係なく二人の結婚は決まるが、ある日ローゼが変わり果てた姿で現れ、奇妙なことを言う。「死者と生者は決して一緒になれない」さてその意味とは。

『幽霊と接骨師』
三重の伝聞体。語り手の盟友で教区司祭のフランシス・パーセルが残した手稿の抜粋。手稿は、パーセルがテリー・ニールから聞いた話の抜粋。地主の幽霊が出ると噂の屋敷で、テリーの父が寝ずの番をすることに。ある夜本当に地主の幽霊が現れて、足を治して欲しいという。ただでさえ口が悪く、更に幽霊の足を治すなんてとんでもない！と嫌がったが。これはユーモラスな幽霊譚になるのか。

『クロウル奥方の幽霊』
昔の館って隠し部屋や隠し階段があって怖い。これもその一つ。老婆が語る昔話というスタイル。若かりし頃の老婆がアップルウェイト邸のアラベラ・クロウル奥方に仕えるためにやってくる。しかしそのことを知った村の人から「あの人は悪魔にとりつかれていて、半分幽霊みたいなものだ」と言われる。邸には叔母シャッターズ夫人の紹介で向かったが、案の定クロウル奥方は恐ろしいことを口にする。奥方は後妻で、クロウル氏には前妻との間に9歳の息子がいたが、いつとも知れず行方不明になったのだ。はい、ここで気がついた方、ご想像の通り。奥方は報いを受けるのか？

『チャペリゾッドの幽霊譚』『緑茶』収録。
​
カーミラ レ・ファニュ傑作選 （光文社古典新訳文庫） [ レ・ファニュ ]​​楽天ブックス