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カテゴリ:┣ ●立川の散策●
ファーレ立川アート作品の第45回目掲載です。 色とりどりのカラーボックスは一体どのような目的で製作されたのか、今となっては知るよしもないけれど、ここに至るまでの様々な労苦は残された建築物からある程度推し量ることは出来る。 機能的に殆ど意味のない壁、予期せぬつまずきでも怪我をしないよう設けられた植栽の緩衝地帯、作品と外壁との間に挟み込まれるように植えられた二本の樹木。色とりどりのカラーボックス。錆びた鉄の箱だけがその意味を知っているのかもしれない。 以下全文引用 北口第一駐車場の東側の壁に、錆びた鉄の箱が7個取付けられています。これはアメリカの彫刻家・美術評論家のドナルド・ジャッドさんの作品です。ジャッドさんは1994年にお亡くなりになっており、ここファーレ立川の作品が遺作となりました。 先に記したとおり、駐車場の東側にあるコンクリートの壁にこの作品は設置されているのですが、注意してみてみると、壁は駐車場から離れて建っており、何の機能も持っていないことがわかります。この壁と作品の設置については、以下のような事情があったのだそうです。 ジャッドさんはこの作品のプランを病床で作り、作品の完成を待たずに亡くなりました。ジャッドさんは死後の作品の設置を禁じた遺書を残しており、そのためにファーレ立川への作品の設置は見送られることになりました。しかし、ジャッドさんの娘さんが、ジャッドさんは自分の死をわかっていてこの作品のプランを作ったのだから設置してもよいだろうと主張し、法律的なこともクリアして、設置することが出来るようになったのです。ところが、建築物の設計変更のため、はじめジャッドさんが設置を考えていた壁面は存在しないことになってしまいました。そのため、ジャッドさんが設置を想定していたのと同じ壁を一年がかりで作り上げ、そこにジャッドさんのアシスタントが作品を設置したのです。 この作品は非常に地味で、ちょっと彫刻作品とは気づきづらいのですが、7個の箱が全部見える場所に立つと、作品が非常に厳密な寸法で作られているのがわかります。設置場所として無用な壁を作らなければならなかった事情がうなずけます。 関連記事
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