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カテゴリ:┣ ■サイン-自立■
現在の建物は、1902年に竣工した旧三井本館が関東大震災で被災したために建替えられたもの(1929年竣工)で、アメリカのトローブリッジ・アンド・リヴィングストン事務所が設計し、ジェームズ・スチュワート社が施工を行った。による地上7階地下2階建ての鉄筋コンクリート造である。関東大震災の教訓から、その2倍の地震にも耐えることができるように作られていると言われており、これは現行の耐震改善促進法の基準の2倍以上にあたる。新古典主義様式の堂々たる外観を持つ建物で、1998年に国の重要文化財に指定されている。 とWikipedia(ウィキペディア)には紹介されている日本橋の三井本館。本日掲載した写真は表側の中央通りから撮影したものではなく、裏通りから撮影した写真だ。その四つ角に一本の自立サインが立っているが、汚れ具合から判断するとまだそれほど古くないのが分かる。既に設置されていた自立サインが老朽化したから作り替えたのか?それとも新しくこの場所に設置したのかは分からない。 が、表通りの中央通り側には自立サインが無いことを考えると、建築当時からこの場所にだけ設置されていたとは考えにくく、従って何らかの事情で後から設置されたと考えるのが自然だろう。国の重要文化財に指定されているだけあって、重厚感に満ちあふれた外観は威風堂々としており格式の高さを伺わせる。 その建物に負けないだけの自立サインのデザインを考えるのは大変だったろうと思う。過去に掲載した自立サインについては左欄外の■サイン-自立■をクリックすると見ることが出来るが、この場所に似合う自立サインは?と考えるとなかなかふさわしいものが無いのだ。 個人的には2008年01月09日に掲載した『日本橋室町小路の自立サイン』の石の素材を変更すれば似合う気もするが、 この三井本館の自立サインの特徴をいくつか挙げると ・自立サインを支える柱の足元を石でくるんでいる。 ・支柱そのものにも縦線を入れることにより視覚的の単調になるのを防ぐ。 ・通常支柱は"黒子"に徹し、あまり目立たない方がいいのだが、ここでは逆に見せることに主眼を置いている。 ・表示部分本体の上端・下端には他の自立サインではあまり見られない重層構造としている。 このように様々な面で技巧を凝らし、建物の風格に見合うだけの自立サインを造ろうとしたのは分かるが、現時点ではまだまだ新しさを感じてしまう。これが十年、二十年と経過すると自立サインそのものにも風格が出てくるはずなので、時が過ぎるのを待つということなのだろう。
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Last updated
2008年09月11日 13時11分53秒
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