ファーレ立川アート作品の第104回目掲載です。
Googleストリートビューで見てもこの地が閉ざされた空間にあるのは容易に想像出来るが、それにしても七方位観という言葉は初めて知った。検索をかけてもファーレ立川のこの紹介ページがトップに出てくるとは聞き慣れぬ言葉であるのは確かだろう。作品の意図はなかなか掴みにくいが、初めて見たときには何故この場所でこの形と思ってしまう不思議な存在だ。
以下全文引用
コアシティ立川からファーレイーストビルへ向かうペデストリアンデッキは、柳健司さんの赤いゲートを通り抜けたところでふたつに別れています。そのまま前に進むとファーレイーストビルの南側を通り抜けて北口大通りに出ます。もうひとつは、すぐに向きを変えて昇降口になり、ファーレイーストビルの東南端に降りていきます。この昇降口の下の空間は、ビルに挟まれているうえにペデストリアンデッキに陽射しがさえぎられ、昼でも薄暗い場所になっています。いわゆる「デッドスペース」で、どうしようもない空間なのですが、アメリカのジミー・ダーハムさんはわざわざこの場所を選んで作品を作りました。
この作品には「ガラガラヘビ星と7つの方位」というタイトルがつけられています。一見してここにアート作品があるとは気づきにくいのですが、植栽の中に置かれた石と、それにからみつき壁面へと伸びていくワイヤーの構成がダーハムさんの作品です。ダーハムさんはアメリカ先住民チェロキー出身です。方位観は世界観の根幹にあるもののひとつですが、チェロキーは東西南北・上下・そして心の中へという、西洋とも東洋とも異なる「七方位観」をもっています。壁をつたって張り巡らされたワイヤーは、この七方位を象徴的に示しているものといえそうです。ここは暗い空間です。もし、この作品や、柳さんが設置したネオンが無かったら、不吉とすらいえたかも知れません。しかし、ダーハムさんの作品は、暗さを緊張感に昇華し、内省的で静謐な空間を作りだしていると思います(ですから、くれぐれもここにゴミを投げ込んだりしないでくださいね)。
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