銀座2丁目 カルティエ(Cartier)サイン
それにしても初めて見た瞬間にちょっと立ちすくんだ 銀座界隈にははっと驚くサインが結構あるが、その中でもこれはピカイチどこがすごいかって言うと、この外装パネルの仕上げ。これだけの特殊な色合いの外装材を使用しながら、その色むらをほとんど見ることが出来ないのは、ちょっとすごい。皆さんがよく買い物に行くショップが入居している建物の外装・内装の仕上げを見て欲しいのだが、これと同種の仕上げをしているところは、あまりお目にかかることが出来ない。なぜかっていうと、一つはコストで、もう一つは仕上げの難しさぱっと見たところ「真鍮の硫化いぶし仕上げ」か「カラーステンレス」のどちらかの仕上げだと思われるが、これがオーダーメイドの時にはなかなかうまくいかないのだ。大量に出荷している既製品ならば、表面全てが均一の色合いになって、色むらが発生しないのだが、オーダーメイドでこういう色合いを出そうとすると、10枚のうちの数枚は色むらが発生して、使い物にならなくなるのだ。 つまり作り直しだから我々で請け負ったときには、1枚のパネルあたりの単価が50,000円とすると、やり直し費用を含めて1枚あたり100,000円ないしはそれ以上で積算する。つまり全部失敗して作り直したとしても、赤字にならないような、かなり高めの数字を出すのだ。このクラスの仕事になると、安ければいいって言うものではない。「金は出す、だからいいものを作る、ちょっとでも不具合があったらやり直しだから」そういう暗黙の了解が施主と我々の間では成立するのだ。従って当然のことながら手も気も抜くことは一切許されない。袖看板の仕上げの綺麗さ、丁寧さはプロの我々でも感心するこの銀座カルティエ(Cartier)の夜景はまだ見たことはないが、照明はおそらく当代流行のLED。百聞は一見にしかず、サイン業者は自分の目で確認することをお勧めする。