黄金の掛け橋

[三国志めぐり] カテゴリの記事

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  新・昭化古城

  さて……いつの頃だったでしょうか。おととしかな。調べ物をしていたときに、たまたま「昭化がリニューアルした」というニュースを見つけました。たいそうなホームページも出来て、昭化の歌まで出来ていました。それで、いつか行かねば行かねばと思っていて、ずっと行ってなかった新・昭化古城。だいぶ前になりますが、今年の正月に行ってきました。まず広元からバスに乗って行ったのですが、切符を購入するときに「昭化まで」と言ったら「新昭化かそれとも老昭化か」と言われました。どちらか分からなくて「昭化古城だよ」と言うと「お、老昭化か」とのこと。昭化古城がリニューアルされたので”新昭化”になったのかと思いきや。では、新昭化はどこかと言うと、老昭化いわゆる昭化古城から１０ｋｍほど離れた宝輪だそうです。何回も来てるからか。バスに乗っても街を歩いてても、誰かしらに「あれ、日本人じゃない？また来たのね」といわれたりしました。毎回感じるのだけど、ここの人は、接しててとても嫌気を感じない。何も変わることなく、自然に接することができる。こんな印象を与えてくれる昭化の人たち。昭化の街がリニューアルされて、城壁の上に楼が出来て、いろんなところが門票制になっても、古めかしい雰囲気が薄れても、昭化の人は変わっていなかった。今回は、写真で昭化の紹介をします。まずは、昭化の玄関だった城壁。今では、バスの着く駐車場が正面入り口になっていて、ここは中にある広場みたいな感じになっています。付近にあった店や家は跡形もなく壊されて、新しい店が並んでいました。お次は費イ墓。道端に建てられてて、周りが草だらけになっており、墓石が確認できても後に土盛りがあることが分からなかった。いつか、何かの拍子に農民が耕してしまうんじゃないかと心配してたけど、今ではきちんと廟の中にしっかりと保護されています。牛頭山へ登るのも、チケットが必要になっているそうです。標識も出来ました。城壁のある広場に大きな石に”戦勝ハ”と書かれていたので、この写真のものがなくなったと思ったのですが、まだ残っていました。まだ倒れたまま。昭化の街中です。地元民も「変得不古老（古っぽくなくなった）」と言ってました。こんな感じです。その他写真は、MSNスペースにいろいろ貼ってます。http://sichuandaoyou.spaces.live.com/09年の1月「昭化古城・明月峡」を見てみてください。

  2009.04.10

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  昭化古城と明月峡

  2009年のスタートは三国志遺跡からでした。またまた昭化古城へ行きました。剣門関にはまだ行ってないのに。姜維城などにも行ってないのに。四川大学の現役留学生である三国お宅（マニア？）のツァイズが鮑三娘墓に行きたいと言ってきました。私はこれまでに数度も広元昭化に行っているのですが、その近くにある蜀の桟橋”明月峡”には行ったことがなかったので、この二つを目指して出陣しました。午後の列車に乗って広元へ行き、広元から昭化行きの小型バスに乗って昭化へ。昭化に着いたときは夜８時くらいだったでしょうか。おととしくらいに観光化された昭化の街には、提灯が赤々と灯っていました。宿泊先の怡合園に行くと、もう宿はやっていないと。おばちゃんとおじいちゃんが私のことを覚えててくれて「また来たのか」って言ってくれたのがうれしかったです。そして、おばちゃんが近くに新しく開いた現代版の宿に安値で泊めてくれました。近所の風呂屋（シャワー屋）のおじちゃんも覚えててくれてた気がする・・・妄想だろうか。次の日、新しく生まれ変わった昭化を見てまわりました。観光化されて、昭化の落ち着きがなくなった感じもあったけど、やっぱりのんびりしてていい街。お店とか色々出来てて、観光客もちらほら見かけます。街のお店やってる人に商売どうですかいと訪ねれば、「お客さんは以前より増えたけど、自分の車で来てるから、見て何も買わずにすぐ帰っちゃう。」と。ツアー客もいるそうですが「ツアー客の食べるもの、泊まるところは決まってるから、こんな小さい店はもうからない」と。良しも悪しもあるのだなぁと思いました。昭化の事はこのくらいにして。今回、昭化と明月峡を回ったのですが、明月峡が色々ありました。二日目の午後、小型バスに乗って広元へ。広元の南河バスセンターそばにある橋を渡ってすぐ右側にある”８８酒店”に一泊しました。ここは一部屋90元、建物全体に空調がついてるのか、エアコン入れてなくてもポカポカ。空調の空気孔などないのにとてもぽかぽか。大好きです。で、三日目の朝、朝天行きのバスに乗って街まで行きました。朝天のバスの停まる大きな較差点からちょっと坂を上り、右に下る坂を下っていくと明月峡に着くそうです。距離にすると５キロほどとか。しかし、四川地震後の復興がまだ及んでおらず、がけ崩れしたままだと。明月峡に行くには、高速を通ってトンネルを抜けていかなければならないと。そのトンネルというのは来る時に通ったトンネルなのですが、すごく長いし、排気ガスがすごい・・・あれを歩いて通るのは嫌だ！でも、三輪車で行くと片道20元だなんていわれる。５キロほどの道に片道20元は高すぎる。歩いて行けるとか行けないとか、地元民の意見に左右され、結局、三輪車でトンネルを抜けて行くことにした。片道15元に値切って。三輪車が走り出し、トンネルを抜けて少し走ったところで右折した。右手には大規模な工事が行われていて、大型ダンプなどが何台も入っては出て行く。三輪車、その工事中の砂利のなかを走り出した。１０分くらいだったかな。ダンプのタイヤの跡で出来た道を通って、たくさんの水溜りを越えて、砂利が石ころになって、ダンプも入ってきてない雑草だらけのところを走り、三輪車が停まった。明月峡を謳った大きな看板が目に入る。その下には、雑草が伸びきっている駐車場がある。目の前には、小さな建物があり、その奥には柵が見える。久しく人の往来がなかったのだろう、とても静まり返っていた。でも、こんなところに来ても、歩いてかえるのは大変・・・往復で40元出すから帰りもよろしくということにしてもらおうと思って三輪車を降りた。そしたら、おじちゃんも三輪車のエンジンを切り背伸びをして「あっちに行ってみよう」と。地震後、がけが崩れて街から明月峡へくる道が寸断されたため、ここは営業一時停止となっていた。遠回りして、あんなにガタガタされてまで明月峡に行きたいと言う人もそんなにいないだろう。蜀の桟橋は柵の中にある。２メートルほどの高さのある石垣を乗り越えれば中に入れる。ここは、地震後、桟橋のチェックや岩のチェックをしていないため、中に入るのはとても危険。危険です。色々写真を撮ったりしてちょっと遊んで帰った。おじちゃんには、やっぱり申し訳ないので、往復で40元だした。ずっと夢見てた蜀の桟橋。いけてよかった。やっぱり孔明はすごいです。あ、そうそう。費イの墓ですが、廟が出来てて、しっかり保護されていました。なくなることもありません。ただ、入場料として昭化の観光パスポート20元（学生10元）が必要です。これさえあれば、７箇所くらい入れます。まぁ、なんてことない八卦井戸も有料になってましたが。

  2009.04.03

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  諸葛祠の正体

  地図を見ていたら、成都の郊外に”諸葛祠”という地名を見つけたのが始まり。興奮して自転車にまたがって、二度の出陣をしました。一回目　http://plaza.rakuten.co.jp/huangqiaoliang/diary/200601210000二回目　http://plaza.rakuten.co.jp/huangqiaoliang/diary/200802200001二度とも敗走して帰ってきたのですが。今回は強い味方がいました。その名も中国の地図以前見ていた地図は、なぜか開けなくなっているので、違う地図を使いました。それには具体的な諸葛祠の位置が書かれていました。この日は、朝からクラスの皆で塔子山公園へ自転車で行ってバーベキューをしました。私たちの班数名と、ある初級班の数名、合計２０名ほどでした。皆で料理を持ち寄り、肉係り、野菜係り、飲み物係りなど分けてのピクニック。アメリカ人は大量の食パンとジャム、ピーナツバターを持ってきて大量のサンドイッチを作ってくれました。韓国人は、キムパはもちろんのこと、（韓国人以外にとっては）大量のキムチ、チャプチェ、トッポギ、その他などなど赤いものばかり持ってきていました。日本人は散らし寿司、コロッケなど。海外の人は以外にしらないものだったようです。その他ワイン、ビールなど、テーブルの上にはものすごい食品が盛られていました。フリスビーしたり、凧揚げしたり、中国人と綱引きしたり、楽しいひと時を過ごすことができました。諸葛祠には、その帰りに寄りました。今回は、ピンポイントで場所が確定されているので、探す必要がありません。地図の示すところに行くと、そこは高さ２ｍほどのレンガで囲まれています。「これは・・・来たかも」と思いながら入り口へ行きました。鉄格子の門の中には草木が茂っており、１００平米ほどあります。外から覗いていると、中からおじいちゃんとおばあちゃんが「何をしてるんだ！」と出てきました。私は目を光らせながら「ここに諸葛祠があると聞いたんですが、何か残っていますか？」と聞きました。おじいちゃんは「そんなのない！」と。おばあちゃんも「ここには何もない！」と。色々話して理解してもらえたのですが、「そんなのは聞いたことがないよ。祝国寺の間違いだろ」と。中にいた犬は、壁にある５ｃｍほどの穴から私を覗いていました。そこを去り、裏へ回りました。おばあちゃんが屎尿肥料を撒いていて臭いです。「ばあちゃん！ここら辺に諸葛祠があると聞いたんやけど。」と聞いてみたのですが、ばあちゃんは「ここが祝国寺だよ。」と。通じていなかったようなので、一つ一つ説明しました。でも知らないようで、私に寺の行き方を丁寧に教えてくれました。そこを去り、反対側から攻めました。ソファー工場の裏には、まだ民家がたくさん残っています。各家庭の脇には大きな肥溜めがあり、その横を通らなくてはいけないのですが、落ちそうで怖かったです。民家の中を歩いていると、大きな廃屋がありました。で、年寄りがいる家を探して聞いてみました。が・・・ずーーーーーっとここに住んでるばあちゃんも「祝国寺のことじゃないのか？」と。もう、ここは、諸葛祠ではなく祝国寺だ、ということにします。

  2008.04.11

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  崇州道明鎮孔明読書台

  成都の西にある崇州の道明鎮に孔明読書台があると知った。崇州で泊まった旅社の女将さんに聞いたら「あ、読書台ね。あるわよ。」と。こんなところまで読書台の名は広がっているのか！と感動して出発。中心バスセンターから、バスに乗って西門バスセンターまで行く。そこから道明鎮行きの軽ワゴン（２．５元）に乗った。３０分ほどで目的地に着いただろうか。満席のはずなのに行く先で客を拾っている。後ろは６人しか乗れないのに８人も乗っていた。道明鎮に着いたので、読書台の場所を聞いた。すると皆、口をそろえて「読書台は東関だ！」という。ここから東関に行くには、車をチャーターするしかない。崇州に戻って（２．５元）東関に行き（３．５元）、そこからバイクタクシーに乗っても値段的には変わらない。ということで、ここで降りて車を包った。１５分ほど走ったところで降ろされた。ここを登ると読書台だ、と。そこには小さな売店があるだけだった。珍しく車が来たと、見物しに来た地元民に「ここは本当に読書台か？」と聞くと「そうだ」と言う。「諸葛亮が本を読んだところか？」と聞くと「諸葛亮がこんなとこまで来て本を読むか！」と言われた。おぉ・・・それもそうだ。とりあえず山道を登って行った。麓に住む人さえも知らないということは、孔明とは関係がなさそうだ。のどかな山道をテクテク登っていくと、山の向こうに立派な廟が見えた。ここは道教の寺院で、孔明とは全く持って関係なかった。中にはおばあちゃん導師がわんさかいた。友人は「休んでけ、茶飲んでけ、ご飯食べてけ」と、手を引っ張られて奥の院へ消えていった。まぁ実際、何を言ってたのかよく分からなかったのだけど、時間もなかったので何も分からないふりをして早々に帰途に着いた。写真は廟内にあった、作りかけの像。ちょっと男前。と、日記を書いてて気がついたのだが、資料には『丘陵の上に廟があって・・・』と書かれている。山な時点で、ここは全くの無関係なものだと分かったではないか。敗戦！！！

  2008.04.05

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  大邑子龍廟などなど

  今日４月４日は冬至から数えて１０５日目で、陰暦の清明節になる。中国ではこの日、お墓掃除をするのが習慣となっており、日本で言うお盆のような日でもある。中国では今年から連休の形態を変え、今まで休みでなかった清明節は、３日連休となった。初めて大邑に行ったのは確か、２００５年５月。留学生のヤマグチさんと自転車でＱｉｏｎｇ ｌａｉに行った帰りだった。かな？「大好きな趙雲の遺蹟を見ることが出来る！」と、自転車疲れも吹き飛んだのを覚えている。次に行ったのは確か、去年の１０月国慶節の時だった。かな？今はどうしているか分からない友達のバイクに乗せてもらって、小雨の中を大邑の劉氏庄園へ行った時の帰り。「職業学校の中に健在する廟を見つけに！」と思ったものの、友人の「帰ろう」の一言で取り消し。今回３回目の大邑となったのは、『清明節には子龍廟で廟会がある』との情報を手に入れたからだ。留学生で遺蹟めぐり仲間の２人と出陣。市内バスに乗り金沙バスセンターへ。連休とあってか、切符売り場にはものすごい行列が出来ていた。大邑へのバスは乗客が一杯になったら出発。高速道路をずっと走るので４５分ほどで大邑へと着いた。そこから市内バス２路に乗り、静恵山公園へ。公園は人でにぎわっていた。子龍廟を目指すべく山の上へと登っていく。３年前は石畳だった道も、今はコンクリートできれいに舗装されている。頂上には、以前と変わらぬ子龍廟が私たちを待っていた。お参りに来たのか遊びに来たのか、子供が多い。子龍廟から上がる香の煙で周辺が霞んで見えて、まだここが廃れていないことに喜びを覚える。この廟を守ってる人に「清明節のときに廟会があると聞いたんですが」と聞いてみた。おじさんとおばさんは熱心に色々教えてくれたのだが、一緒に話すし、おばさんは方言が強かったので頭の中がごちゃごちゃに。おばあちゃんが言うには、以前は廟会が開かれていたが、ここ最近はやっていないとのこと。友人と香セットを買い、お参りをして帰った。山を下りるとき、人の流れに沿って西側へ向かって下りた。下りていくうちに、この山が墓地だったことを知った。斜面にはたくさんのお墓があり、たくさんの人が線香を上げている。ここでは見かけなかったが、遠くから爆竹を鳴らす音も響いてくる。きっと、成都からもたくさんの人が里帰りし、午前中にお墓参りを済ませる人が多いのだろうと思った。次は職業高級中学（高校）の中にある子龍廟。学校の警備員に「入るな」と止められたのだが、私たちは”八仙過海各xian神通”で学校にはすんなり通してもらった。学校に入るや、目に飛び込んできたのは、右側に広がる池だった。池のほとりには廊があり、池の中央を白い橋がかかっており、（以前の）中央には亭があり、ゴミなど浮いてるのですが、遠めに見た限りでは「こんなに立派に残っていたのか！」と感動しました。そこからさらに奥へ進むと、壁に囲まれた廟が左側にありました。この廟は上から覗いて見たのですが、半壊以上でとても危なく誰も近づけない状態でした。青白江区の武廟みたいでした。廟の隣には六角亭があり、これも屋根の一部が崩れていて、囲いはないものの、いつ壊れるか分からない状態でした。中には机などが積まれていたそうです。その奥に行くと、墓があります。石碑や説明書きは何もなかったので墓かどうか分からないのですが、地形的に墓の一部のようでした。あと、私が見た中国ネット上の写真に同じものが写されていたから墓と決めました。大満足で後を去りました。学校を出て、目の前にある商店のおじいちゃんに聞きました。「あっち（北側）の山の上に子龍廟があると聞いたんですが、知ってますか」するとおじいちゃん、自信満々で「あっちに子龍廟がある！」と答えてくれました。まだ作りかけで２ヶ月どうのこうのとか言ってたんですが、遠くないって言ってたし、おじいちゃんの言葉がよく解らなかったのでお礼だけ言って北を目指しました。少し歩いて地元民に聞きましたが、誰も知りません。さらに、通りかかった男の子が普通語で「子龍廟は静恵山だぞ。俺たちも行くから着いて来い」なんて言っていましたが、お礼だけ言って先へ進みました。また少し歩いて聞いてみると「子龍廟なんてあちいにはない。あっちにあるのはｗａｎｇｊｕｎｌｏｕだ」と。「ｗａｎｇｊｕｎｌｏｕ・・・ｗａｎｇ ｊｕｎ ｌｏｕ・・・ｗａｎｇ、ｊｕｎ、、、望、軍、楼？お、望軍楼だ！趙雲が軍を眺めたところじゃない！？」ということで、士気高々と進軍しました。左側の山からは爆竹の音がひきりなしに響いてきます。たくさんの農民が曲がっていく小道を見ると、その上に手書きで書かれた小さな看板がかけられていました。←望軍楼周囲にはたくさんの菜の花が咲いています。反対側から来た人にも場所がわかるように、反対側にも看板がありました。→望軍楼　ではなく　←望軍楼戻っちゃうよ。そこから、のどかーな田舎道をずっとずっと歩いていきました。途中、傾斜がきつくなり、太陽も出てきたのですごくきつかったです。山の上からはイベントが行われているのか、スピーカーを通して甲高い声が聞こえてきています。おじいちゃん、おばちゃん達が暑い中、元気に山を登っていきます。頂上には廟が２つあり、手前のものは確か観音を祭ってたと思います。趙雲はその後ろの廟に祭られていました。どちらもたくさんの香があげられていました。趙雲廟の向かいには劇台があり、川劇をやっていました。川劇を見に来ている地元の人たちは楽しそうにそれを鑑賞していました。お菓子やお茶をつまんでいる人、草むらに寝転がって昼ねをしてる人、奥さんに「帰るよ！！！」と叩き起されてた人などなど・・・地元の人の生活を垣間見ることができて、すごく良かったです。清明節、天気のいい日に外に出て、お茶飲みながら川劇を見て。その後は山を下り、崇州で宿をとりました。明日は崇州の道明鎮にあると言われる孔明読書台へ出陣！

  2008.04.04

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  九里堤

  卒業論文の前準備として、行かざるを得なくなった遺跡めぐり。じっくり作戦会議する時間もなく出発しました。今回の出陣の仲間は、成都大学の日本語教師よねさんです。午前中、先生と論文の進展状況についての打ち合わせをし、その後、よねさんと新疆スパゲティを食べに行き、出陣準備を整えました。始めはよねさんのリクエストである娘娘廟に行きました。娘娘廟周辺は、政府と道教協会の間で、土地の買収価格でちょっともめてるそうです。今にも壊れそうなボロ屋が並んでいる娘娘廟の周辺、でもその裏には文殊院や文殊坊が昼も夜も客を集めています。ここは劉シンの一族を祭っている廟で、道教の道志が守ってきたそうです。なので、三国遺跡というよりは道教の隠れ廟みたいな感じになっています。民家の中を入っていくと、線香のにおいが漂ってきます。外の壁には『拆』の字が大きく書かれており、今にも壊れそうな廟はとても寒々しく感じます。その後、九里堤へと向かいました。私の資料によると、九里堤中路と北路の交わるとこに遺跡があるそうです。それで、よねさんと色々話ながら、その交わる所に向かって歩いてると・・・・あった！道のすぐ脇にありました。何か、簡単に見つかったのが悔しかったんですが、まだ残っているという古代の土堤が見当たりません。そこで、隣にあった線路を奥へ歩いて行くと・・・写真を撮ってるじいちゃんと休憩中の若いコックさんがいただけでした。他に古代の遺跡らしいものはありません。じいちゃんに遺跡の事を聞いたら「知らない」と。でも、以前、このあたりに諸葛廟があった、今はもう壊されただろう、と言っていました。じいちゃんはとても親切で、隣にいたコックに「この近くに土堤はないか？」と聞いてくれたのだけど、若いコックは一言「不暁得」。じいちゃん負けずに「諸葛廟はあるのか？」、若いコック「不暁得」。ということで、じいちゃんとお別れしました。その後、あっちへ歩き、こっちへ歩き、川沿いを歩き、マンションを抜け・・・・・あきらめて帰りました。また陣を立て直してからにしようと思って。その後、学校に戻って今日の感想をまとめつつ資料に眼を通してたら。「土堤は細長い石で保護されている。その上に大理石をはめ込んでおり、説明が刻まれている。」・・・・・・細長い石。保護。写真に写ってるのが、まさに古代の土堤だったのか・・・土堤の上に草なんて植えてしまって・・・歴史的価値の欠片も見当たらない・・・

  2007.12.14

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  成都市内の三国志遺跡

  行ってきました。成都市内の遺跡です。久々の三国志関係の更新です。去年か一昨年の国慶節の時に、一緒に漢中・勉県・昭化などを回った留学生仲間のミッシェル（日本人）が「文殊院の裏手にも遺跡があるから、今度、行こうと思ってる。」というのを聞いて、早速２人で行ってきました。以前にネットから拾い集めた中国語の資料の中に『成都近郊の三国遺跡』というものがあって、以前はそれを読むのに辞書がないと意味が分からなかったのですが、今はその文書を読むのが苦でなかったので、それを読んでメモし、出陣の日に備えました。まずは、文殊院の裏にあると言われる遺跡。文殊院の近くの西馬通街５０号に”娘娘廟”があり、ここには劉禅の五男である劉シン（シンは言遍に甚）とその妻３人が祭られてると資料に書かれていました。そこで、文殊院の真裏へ行きました。すぐに西馬通街という標識がありました。それから奥の方へ入っていくと、すぐに”娘娘廟”と書かれた門がありました。が、閉まっていました。しかもかなり荒れている感じです。その隣でマージャンをしてた人民に「廟の中に入りたい。」というと「壊された！中のものは文殊院にあるんだハ！」と言っていました。ミッシェルが”古娘娘廟”という手書きの張り紙を見つけ、更に民家の奥のほうへと入っていきました。もちろん無断で。すると、その奥に何かを祭っている場所がありました。ここは劉備家廟で、蜀の皇室の遺跡です。成都市の寺院調査員によると、蜀漢の時代に建てられたそうです。この廟のなかには劉シンとその妻３人の絵が祭られていました。この廟は２００４年くらいに取り壊されるという危機にあったのですが、７歳で出家した道家の孫至興大師（女性）がこの文化遺産を守るために、この地へ来たとのことでした。この廟を守り切った女性大師は、去年逝去されたそうです。この廟を守っていたのが道家の道長ということで、この廟内には、道家の像などが中心にありました。道教は宗教で、道家は宗教ではなく哲学だそうですが、現在この廟を守ってる人や参拝に来た人たちの態度を見ると、かなり宗教心を帯びてる感じでした。こんな、民家の奥にある小さな廟だけどもが、けっこうな参拝客が来てて驚きました。早々とそこを去り、次は桓侯巷へと向かいました。桓侯巷は、衣冠廟の漿洗街の東側にある小道です。去年の冬に行ったことがあり、ミシェルに紹介したら「行ってみたい。」とのことだったので、現状を見に行きました。しかも、資料には『”漢張夫子衣冠墓”と書かれた石碑が残っている。』とあったので、かなりの期待をして行きました。桓侯巷に着いてから、そこのアパートのおばちゃんに「張飛の石碑はどこにあるか知ってますか？」と聞くと、「すぐ裏の駐車場ハ」と言っています。そんな確信的な返答をいただき、すぐに指差す方へ行って見ました。アパートの隣には工事中の公園があり、その中心に亭が建っています。かけよって行くと、亭の中に小さな碑と、その後ろに大きな石碑と山がありました。工事をしてる職人さんに「これは張飛の石碑か？」と聞くと、嬉しそうに「そうだ！」と答えてくれ「石碑が見つかった場所はどこだか知らない。でも、この石碑は本物だ！時間がたって腐化してしまったから、字が消えてしまった。写真を撮って行け！」と撮影に協力してくれました。『成漢墓』と書かれた石碑の裏には説明が書かれてありました。１９８５年、この石碑を考古学者が調べたところ、東晋成漢時期のものだと認定されたそうです。墓の中からは、ハニワのような古代のものも出土したと書かれていました。職人さんたちは、タイルをはめたり、木を植えたり、配管したりと忙しそうでした。なので、後に墓と言われるであろう山に座ってるおばちゃんも記念に写真に収めておきました。帰る途中、１人の職人さんに「お前達はどこの人間だ？お前達の言葉は聞き取れないぞ。」と言われたので、「あたし達は日本人ですハ。」と言うと、その職人さん「俺を一枚撮ってくれまいか。」と言ってきました。なので、工具を手にし、廟をバックに一枚撮ってあげました。職人さん、取り終わった後に「その写真、俺にくれまいか。」と。なので、次の日に写真を焼いて、持って行ってあげました。かなり喜んでくれ「お前は信用できる奴や。ありがとう、ありがとう、本当に感謝するけん。日本語で『謝謝』て何ち言うん？お前の名前を教えてくれ。」と言うので、中日友好のために書き残しておきました。謝謝：ありがとう（阿利ガ頭）と。最後は洗面橋へ行きました。ミシェルが数年前に成都に来たときに迷子になり、偶然ある公園で像など三国志に関係するものを見つけて、それがどこか覚えてなくて探したいけど分からないと言ってたのですが、私の資料に『洗面橋広場には像などがある。』と書かれてて、そういえばこれじゃなかろうか、という事で確認しに行ってみたんです。すると、ありました。一環路と漿洗街の交差するところに広場があり、馬の像と３８ｍにも及ぶモチーフみたいなのがありました。ここは、劉備が関羽の衣冠廟に行くときに、ある橋を渡る前に必ず手と顔を洗ってた、という事から、その橋に”洗面橋”という名前がついたそうです。その橋あった場所に、今の広場が作られたそうです。成都市内の遺跡、けっこうあるものなんですね。授業の終わった午後、「ちょっと黄忠村まで・・・」とか「張飛廟の建設は進んでるかな・・・」なんて、確認しに行けそうです。もう壊されてしまった遺跡の復活も期待出来そうな感じです。

  2007.05.13

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  長江三峡～白帝城

  前日に乗った寝台バスはこんな感じ。足を入れる空間が、前の人の枕になるのだ。身長は１６０センチ以下対応。１７３センチの私は、足を伸ばす事のできない苦痛な場所だった。そんな疲れも、ベッドの上で一晩休んだらもう消えてしまって、白帝城を目指していた。宿からタクシーでバス駅まで行く。最近、タクシーを使うことが多くなったのは、こういう小さな都市だと、タクシー初乗りが２～３元、１．４ｋｍごとに０．４元しか料金が加算されないのだ。体力や時間を使うよりも、タクシーに乗ってしまったほうが楽なのである。でも、今回の旅で知った・・・こういう観光地の運転手は、成都のタクシーと違ってメーターを倒してくれない。そう、客を騙す人民運転手がいるのだ。でも、そんなことも経験で、ケンカして時間を無駄にするくらいなら百数円くらいくれてやったほうが良い。バス駅から、白帝城方面へ行くバスへ乗り込む。十数分後、一緒に乗っていた女の子が降りる。「すぐそこが白帝城だ」と、私も降ろされる。彼女は１０元渡してお釣は６元、私のお釣は５元。とりあえず文句を言った。そうしても無駄なのは分かってるけど、ストレス発散のために言ってみるのも悪くはない。バスに乗る前は５．５元だと言われてたのに、なんで５元になったのかも不思議だ。白帝城が目の前に見える。ダム建設のため川の水位が上がって、白帝城は小島に取り残された感じだ。私が今まで走ってきた道路と小島を結ぶ大きな橋を建設していた。私は橋の下の工事現場をくぐり抜け、白帝城へ向かった。階段の下に人間を運んでくれる籠屋さんがいて、「３０元でどうだ！」と言ってくる。私は手を振って無視して歩き続けた。最後には「１０元ならどうだ！」と言ってきた。けっこう急な階段を太陽が照りつける中登るのはやはり大変なことで、汗が湧くように出てくる。午前中だというのに、すでに昼間のように暑い。少し登ると、すぐに入り口が見えてきた。門にはおばちゃんとおじちゃんが座っている。学割有効の表示がなかったのだが、とりあえず学生証を見せた。案の定、学生証や軍人・老人など一切の割引は利かない。身長１．２ｍ以下は無料、１．４以下は半額、それ以上は一律５０元。周りに客もいなかったことから、私は値切り作戦に出た。「わざわざ東の国から来たんだよ、ライトアップしてないんだから安くしてよ、学生でお金も無いんだよ。いいじゃん、いいじゃん。」反応を見る限りでは、言葉が足りないようだ。更に続けた。「じゃ何なん、１．２ｍ以下は無料、１．４ｍ以下は半額、じゃ２ｍの人は１００元なん？私は背が高いけん、まさか８０元とかっち言わんやろ？」と言ったら、二人は大笑いしてくれた。『これは行ける！』と思ったのだが、そんなに甘くなかったようだ。５０元渡して入城した。鮮明に覚えてるのが、以前来たときに正門を見て感動し、人が居なくなるのをずっとずっと待って、写真を撮った。それ以外のことは記憶にない。この門の前に自力で来れた事が嬉しい。城内には、幾人かの観光客がいた。私は城内をくまなく歩き回った。考えていたことは、次にどこに行くか、だ。巫山に行く船に乗って三峡の景色を楽しむか、そのまま帰途に着くか、もっと下流に行って他の遺跡を見て回るか。城内で仕事してる人たちによると、２時半くらいに定期船がくるそうだ。それに乗って巫山に行くのも良いと思ったんだけど、何となく疲れてたので帰ることを選んだ。１６：３０奉節の街から重慶行きのバスに乗り込む。成都行きのバスもあったのだが、重慶を見て回ろうと思って重慶行きを選んだ。もう二度と乗りたくないと思った寝台バス。今回のバスは前回乗ったものより高級で、シートも気持ち広い。１６５ｃｍ以下対応といった感じ。でもこのバス、重慶に着いたのが深夜の２時過ぎで、私は夜明けまでネットカフェに居た。それが原因で気分も崩れてしまって、６時成都に帰るために火車（列車）駅へ向かった。最近、成都―重慶間を４時間ちょいで結ぶ運賃５２元の火車が開通したのだ。それに乗って帰ろうと思ったのだが、切符売り場の光景を見てその火車に乗る事を諦めた。６時半１００元払って、成都行きのバスに乗った。「これで成都に帰れる！」安心感に満ちてバスに乗ってウトウトしてたら、いきなり爆発音が聞こえた。前を見ると、バスの天井から真っ白な煙が噴出していて、真下に座っている乗客は悲鳴をあげながら頭を抱え込んでいる。煙はすぐにバス全体を包み込んだ。バスが停車し、乗客はどんどん降りる。きっとエアコンのガスが爆発したんだろう、車内はスプレー臭い。太陽が登っている７時だというのに、重慶は暑かった。そんな中で、代わりのバスが来るのを待った。３０分ほどして代わりのバスが来たのだが、さっき乗ってた型と全く一緒のバスで、不安を感じずにはいられなかった。１２時、成都北站近くのバス駅に到着し、今回の旅は終わった。成都に帰り着いた時はとても安心した。バスやタクシーで騙されるようなことはない・・・。観光名所なんて嫌いだぁ白帝城内の武侯祠（左：２００６年　右：１９９８年）今回の旅の写真集は、フリーページの三国志めぐりの”四川火車站”を見てください。

  2006.08.23

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  長江三峡～張飛廟

  高校生の時に読んだ、横光さんの書かれた漫画三国志で三国志を知り、その戦いが行われた場所に行って三国志を感じたい！と思った。コンビニでバイトして貯めた２０数万で初の遺跡めぐりに選んだ場所は三峡。三峡はダムが出来て景色や一部の遺跡が見れなくなるとコンビニの店長の息子さんに聞いたからだ。親がどれだけ心配してたかなんて、当時の私には全く分かってなかった、と今はそう思う。当時の私は高校生で、器が小さかったためにあまり楽しめなかった。原因は、同じツアー客のおじさん達だ。三峡下りのツアーには、主に中年の夫婦が中心に参加していて、若い高校生の娘が１人と言うことで、おじさん達はやけに世話を焼いてくれる。今思えば、大変嬉しいことなんだけど当時の私にとってはすごくウザったい事で、１人で来ている私の写真を撮ってくれたりする時も眉間にシワをよせてしまったり。ご飯中「コレを食ったか、アレを食ったか」とうるさかったので、饅頭だけ食べてすぐに席を立ってしまったり。一緒に歩き回るのが嫌で１人で街へ出かけて行ったり。皆さんに迷惑をかけた旅でもあった。８年（くらい）経った今、自分の夢でもあった、陸路から三峡を攻める！旅に出た。でも結局は、観光客扱いされて、地元民に”銭”だと見られてしょげて帰ってきたのだ。成都２３時発、万州８時着の列車に乗って出発。万州の駅でボーっとして、青龍爆布（滝）に行く。火車駅を出て左に少し歩くとバス停がある。そこで青龍爆布に行く乗り合いバスに乗せてもらった（５元）。１時間ほどして滝の入り口に着く。滝を橋の上から見下ろせるのだが、最近ニュースで言われてる水不足は、ここまで影響を及ぼしていた。とりあえず園内に入る。門票は５０元だ。学生証を見せると２０元まで安くなり、公園の絵葉書（６毛切手付き）セットまでプレゼントしてくれた。学生証を必要以上に見る係員、「あ、この子日本人よ！」と彼女が言うと、狭い部屋で休憩（仕事）していた７人の係員が代わる代わる話しかけてくる。「俺が案内してやるよ！いや、こいつに行かせよう！何？嫌だ？じゃぁお前が行け！」と、とても親切だ。心だけ頂いて、公園を見て回った。公園を出て万州の街行き（西山バス駅）のバスに乗り、西山バス駅から張飛廟のある雲陽を目指しバスに乗った（１３元）。１時間半後、雲陽に到着。張飛廟の行き方を訪ね、廟への船の出てる川岸へ向かった。川岸には数艘の船が泊まっている。どれも小さい船だ。券売り場のようなところへ行き、張飛廟行きの船はどこから出てるか聞く。返事はとてもぶっきら棒だが、悪意なんてないのが中国人。たぶん。指を指された方向へ歩く。小さな船の上で可愛いおじいちゃんが仕事していたので聞いてみる。おじいちゃん、笑顔で「この船だよ」と教えてくれ、「まだ出発には時間があるから隣の船で休みなさい、隣の船は涼しいよ」とも言ってくれた。嬉しい。張飛廟行きの船は片道２元、５：５０～１７：３０の間、約１時間に１本、１日１０回出てるそうだ。私は１６：２０の船に乗って廟へ行き、１７：３０の船が廟に着いた時にそれに乗って帰った。張飛廟は、日中はほとんど客がいないそうで、夜になると観光船がたくさんくるそうだ。ライトアップされてるせいだろうか、儲けのためか・・・門票は昼間は１０元、夜は４０元になる。雲陽の街へ戻り、奉節まで行くことにした。船で行こうか、バスで行こうか。とりあえず値段と時間を見て決めようと思い、船券売り場へ行き値段と時間を聞いた。最終は１９：００で２３：００に奉節着、翌日の始発は１０：００、一番安いもので５０数元する。バスを調べにタクシーでバス駅まで連れて行ってもらおうとしたのだが、運転手が言うには、「この街から奉節行きのバスは出てない。重慶から奉節行きのバスが通る道まで行って、バスを拾うしかない。」と。なので、そのままバスに乗る事にした。バスに乗る場所へ着くと、すぐに奉節行きのバスが来た。バスは座席ではなく、寝台バスだ。それに乗り込み、何時に着くか聞いた。運転手が言うには２１時に着くとのこと。しかも４０元。バスのほうが断然良い。・・・と思っていたのが間違いだった。バスはすぐに山道へ入り、山の中の狭い狭い一方が崖になってる道を猛スピードで進む。日も暮れて辺りは真っ暗で星が光っているというのに、ガンガン走る。２１時を過ぎても山の中。２２時になっても灯りも見えない。２３時、やっと灯りが見え出し、２３時過ぎやっと雲陽に到着した。・・・・・・どうりでバスがないわけだ。と、乗って分かった。安全性を考えると、船が良い。雲陽に着き、バスの運転手に安全な宿を紹介してもらい、その日はゆっくり休んだ。張飛廟 （左：２００６年　右：１９９８年）張飛廟内　桃園の誓いの像　（左：２００６年　右：１９９８年）

  2006.08.22

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• もう１つの諸葛祠

  成都は盆地の中に位置するため、太陽の出る日が少ないです。「成都に太陽が出ると犬が吠える」という言葉まであるくらいに、太陽が珍しいです。そんな成都に、今日は朝から眩しくて見つめられないほどの大きな太陽が出ました。犬も吠えていました。旅行が好きな私は、地図を見てるだけで、とても充実した時間を送ることが出来ます。それで、四川省を極めるべく、四川省地図を買ったのです。約１６０ページにわたって、四川省の各市区、県ごとに、小さな郷や村の名前、各城市の大まかな地図まで書かれています。大きさもＡ５とちょうど良く、頑丈なビニールカバーまで付いて２０元です。買うに値すると思ったので即買いました。ある日曜の朝、地図を見ていると、成都市の南、四環路（高速道路のみ）の付近に”諸葛祠”という地名を発見したのです。『三国志ファン、特に蜀のファンにとっては”諸葛祠”は聖地にあたるではないか！！！』などと１人で興奮しながら、いつ出陣しようか考えていました。この冬休みは、泊まりの旅行は行かずに日帰りの出来る範囲での三国志遺跡めぐりをやる予定で、記念すべき今年第１回目の三国志遺跡めぐりは”諸葛祠を探す旅”に決めました。四川大学の南西の二環路東五段から南へ伸びる『錦華路』を降りていきます。地図的に１時間くらい走ったら四環路が見えてくるので、そこから１キロも走らないところを西へ行くと、諸葛祠という地名があります。行き過ぎると『中和鎮』に着きます。・・・・・地図が正しければ。天気も良いし、士気高々と自転車をこいでいました。二環路を渡ると、雰囲気がガラっと変わります。電動自転車が減りモーターバイクが増えてきました。女の子の着てる服や髪型がシンプルに変わって、男性は茶色か黒っぽい背広を来て大きな荷物を埃まみれになって運んでいます。たくさんの子供が外で遊んでいます。３０分ほど行くと家具の卸売り屋が数件並んでいて、高そうなソファなどを扱ってる店もあります。包江橋という町では、町全体がソファの布か何かを売る店でした。道路の両側に並んでる店が、全部同じで異様な感じ。需要があるからなのでしょうが、どの店の人もヒマそうです。トラックの行き交うその町を出ると、四環路が見えました。「もうすぐだ」と四環路を越えて先へ進むとすぐ、四環路の数キロ先にあるはずの中和鎮に入りました。そう、四環路の書かれている位置がだいぶズレていたのです。そんなことに構わず、目的地である”諸葛祠”の地名を探しました。小さな道、小さな集落を見つけたらそこへ行き。色んな人に聞きこみをし。でも、たどり着く事が出来ません。ますます想いは増します。あるおじさんに聞いたらこんな答えが返ってきました。「これは”祝国寺”の書き間違えだろうよ」あぁ・・・・どうりで。祝国寺の標識ばかり目に入るんだ。

  2006.01.21

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• めざせ！牛頭山・姜維像

  高校生のころに読んだ三国志に大きな衝撃を受け、中国大陸の三国志遺跡を回ってみたいと思い、すごく行きたかった牛頭山へ―――２００５年の国慶節、ついに登頂することが出来ました。昭化の街を出て西へ行くと、右手に伸びた舗装中の道路がある。そこから登ることは、前回の旅ですでに調査済みだった。村の人によると、片道２時間半くらいで牛頭山山頂に行けるそうだ。朝７時　宿に荷物を預かってもらい、お粥とバオズ（肉まん）を食べ、牛頭山へ向かった。舗装中の道路は、雨上がりだったので、赤土にたくさんの人と牛の足跡が残っている。道路脇には、これから舗装に使うであろう石などが点々と積まれている。車が余裕ですれ違えるほどの広い道路で、昭化にこんな道路は必要なのかと思うくらいに大きい。道に落ちている動物のフンと、まだ乾いてない赤土を避けながら歩いていると、目の前にある山の中腹の１つの建物に気が付いた。『きっと、あれが天雄関だ！』と、その建物を目指して歩く。何度も道を間違え、農作業中の人たちに道を訪ねながら、１０時３０分やっとの思いで天雄関・甘露時へ到着した。たくさんの古ぼけた石碑がある。本堂の右側にあった祠内には、三体の大きな像があった。１つは劉備に見えなくもなく、１つは張飛っぽいが、残り１つは関羽だろうか。寺の管理人さんに聞こうと思い、碑も１つひとつ見たかったのだが、体調不良のせいかここまでたどり着くのにかなり疲れたので、そんな気力もない。３体の像にはあまり威厳が感じられなかったので先を急いだ。この甘露寺を抜けると田畑が広がる。収穫時期を迎えた金色の稲に囲まれた石畳に沿って、先へ先へと進む。この辺りの水源になっているのであろう池に出たり、下に見える昭化の街を眺めたり、ここで自然と一緒に生活するのは大変だろうなどと考えながら歩いた。牛頭山の山頂も見えない中で、何度も分かれ道に遭う。不安を抱えたまま歩いていると、とうもろこしを収穫していた農民を発見したので、道を訪ねた。すると、お父さんは自分の可愛い娘を案内として立たせてくれた。お父さんは娘に「普通語で話すんだぞお～」と見送った。１１時半　小さなガイドを先頭に士気を取り戻したのだが、急な山道に体がついて行かず、何度も休憩をもらいながら登った。『昭化から２時間半でなんて、どうやったら行けるんだ。丘みたいな小さな山だと思ってたけど、かなり急じゃないか。お腹空いて死にそう。二人とも歩くの早いよ・・・』などと考えながら、頑張って頑張って登った。ここで、ちょっと休憩を取ることにした。小さなガイドも息を切らしていて、何だか顔が引きつっている。ガイドをさせられた事を後悔しているのか、恥ずかしいからか、無口なだけなのか、ずっと喋ってくれない。名前を聞いても教えてくれない・・・と思ってたら、地面に何か書いている。「あなたの名前？」と聞くと、小さなガイドは「ぱぱ」と一言。それから、３人のお姉ちゃんの名前や弟の名前、お母さんの名前なども教えてくれた。ちょっと元気になったところで、再び出発した。霧で覆われていて、周りが見えない。うっそうと茂った山の中を抜け、岩がゴロゴロしたトゲのある背の低い木の生えた道をひたすら進んでいく。すると、小さなガイドが前方を指差した。差した方向を見ると、さっきまで見えなかった牛頭山の特徴ある形をした山頂が見えていた。そして少し進んだところに”牛頭山”と書かれた大きな石碑が建っていた。天雄関を出発してから１時間半くらい経っていた。それから１０分くらい歩いたところに、崩れそうな急な石段が現れた。空腹と疲労で、一段一段が辛い。やっと登りきったところには、誰も住んでいない廃墟があった。以前は生活をしていたのだろう、かまどなどがあった。その隣に、霧に包まれてひっそりとしてる小さな池がある。そう、ずっとこれを見たかった―――姜維井戸。戦いに敗れた姜維が牛頭山に逃げ込み、その時に掘った井戸だそう。井戸と言うよりは小さな池で、井戸の傍にある一本の古い木が井戸を見守っている。この井戸から更に登ったところに寺があるのだが、疲れ切った体に追い討ちをかけるような、長い長い急な階段を登らなければいけない。野生なのか放し飼いなのか分からないがヤギが居て、ヤギの落とした糞がそこらに転がっている。草むらで用を足せばいいのに、何で階段を選ぶのかも分からない。１５分くらい登ったあたりで、真上に寺が見えた。やっと頂上だ。ものすごく小さな寺で、６畳くらいの庭を囲んで建物が建てられている。正面の本堂には神体が祭られている。ここには姜維像と孔明像があるらしいのだが、そのじいちゃんの言ってることが分からなくて、姜維像だけはどれだか分かったのだが、孔明像はどれなのか分からなかった。それよりも、気力と体力が残ってなくて、やっと出来たのは壁に描かれていた張飛をカメラに納めただけ。寒さと空腹に耐えながら休憩していると、外が騒がしくなり、数人の観光客がこの小さな寺に入って来た。３０歳前後の仲良し家族グループだ。なんとも楽しそうで余裕な顔をしている。しかも、美味しそうにパンを食べている。『・・・分けてもらうしかない。』そう思った私は、彼らが話しかけてきたことを良いことに聞き取れないふりをして、外国人アピールをしてみた。すると、罠に掛かった彼らの一人が「俺達の車で一緒に剣門関に行こう」と誘ってくれた。さらに、パンも頂いた。１４時　休憩を取ってパンを食べたので、疲れもだいぶ回復し、彼らと一緒に山を降りていたのだが、彼らは違うところから登ってきたみたいで、『小さなガイドは一人で帰れるから、俺達はこの道から降りよう』と言ってきた。まだ所々道がじるいし、いくら地元民だからって、７歳の女の子を山の中で一人になんて出来ない。お父さんから預かった娘を手元に届けるまでは、離すことなんて出来ない。という事で彼らの誘いを断り、小さなガイドの家へと急いだ。小さなガイドの家は、山の中にある農家。彼女の着ていた服は全体的にほころんでいて、古着なんて比では無かった。他に兄弟が４人もいて、こんな山の中に住んでいて、きちんと学校に行けてるのだろうか。そんな事を心配しながら、彼女ら一家と別れた。振り返って手を振ったときに、一家が家の前で並んで見送ってくれた、まるで一枚の写真のような光景が、まだ心の中に残っている。１６時　昭化古鎮へ到着。荷物を受け取り、ミニバスで広元へ向かった。広元府南バス站から成都昭覚寺行きのバスが７５元くらいであったので、それに乗ってゆっくり帰った。やっぱり成都は空気が悪い。

  2005.10.05

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• 勉県から広元へ

  バス站のおばちゃんによれば、朝７時に街の東側の信号機のある交差点を広元行きのバスが通りかかるというので、朝早めに起きて交差点まで行った。勉県には、信号機はここにしかないようだ。交差点の隣には、最近建設されたと思われる大きな運動広場があった。その広場の中心には、シブい顔をした真っ白の孔明像が立っていた。超カッコいかったです。その孔明の周りで、たくさんのおばちゃんと老人が体操している。孔明を中心に、広場の周りをゆっくり早く歩く人たち。寒いのにも関わらず、上半身裸になって大声健康法をとってるおじちゃん。７時４５分くらいになって、やっとバスが来た。漢中発の広元行きで勉県乗車にも関わらず、漢中発と同じバス代２８元を取られた。隣に座ってたおじさんも「俺達と同じ料金だなんて、このバスは高すぎる」と言っていた。１０時４５分くらいに広元火車站前に到着。それからすぐに、昭化へ行くため、市内バスに乗って府南バス站へと向かった。バス站に入ろうとすると、後ろからバックパックを叩かれた。こんな大胆な泥棒がいるのか！と思ったら、前回昭化に行ったときに訪れた先の楊さんだった。伝統的なうちに住んでるから見に行っただけなのに、あれから半年も経ってて、しかも広元のバス站で気が付いてくれたのが、すごく嬉しい。やっぱり昭化はいい街だ。１２時　楊さんと同じミニバスに乗って、昭化へと向かう途中にある”鮑三娘墓”で降ろしてもらった。以前来たときに比べて、草木が伸びている。ここ数日の雨のせいで碑が泥だらけになっていたので、持っていた水とウェットティッシュを使って軽く掃除をした。すると、何をしてるのかと興味を持った子供達が遠巻きに近寄ってくる。ついには父ちゃんまで出てきたので「私達は日本から来た三国志好きなんです。」と言った。すると、すごく喜んでくれて、墓の入り口となっている家の壁際に倒れてた（しかも草置き場にされていた）鮑三娘墓の由来が刻まれた説明碑を見せてくれた。一家と別れ、通りかかった昭化行きのバス２元に乗って、再度昭化へ向かった。半年振りの昭化。国慶節だったので、観光客が少しいたぐらいは特に何も変わってない気がする。とにかく荷物を下ろそうと、怡心園という一泊１０元の伝統的な造りの宿へ行った。宿の人も私のことを覚えててくれてて、以前と同じ部屋を貸してくれた。連れの迷女も、この簡単だけど今までのどのホテルよりも雰囲気が良い宿を気に入ってくれた気がする。広元バス站で会った楊さんに「昭化に着いたら家に来てちょうだい。息子があなたのことが大好きで、ずっと待ってるの。」と言われていたので、まず楊さん家に行った。この楊さん家は『益合堂』という門前に説明碑が建てられている伝統的な家で、３００年くらいの歴史があるそうだが、まだまだ普通に生活をしている。そこの１０歳くらいになる男の子がとても可愛い。「ぼくも大きくなったら日本に留学するんだ。」なんて言ってくれて、涙が出そうになった。その楊くんの案内で、村の傍を流れている河へ遊びに行った。連れの迷女はまだ若いので、走る楊くんに追いついて一緒に遊んでる。歩きながら、それを遠くから見守る自分。ばあちゃんの気持ちが分かった瞬間でもあった。その河原では、ヒモを使って牛に木を引っ掛けて、畑を耕していた。昭化では牛や水牛をよく見かけるが、牛を使った農業を見るのは初めてだ。日本では、この木で作られた農機さえ珍しい。それが、ここでは、普通に使われている。中国の発展というのは一部に過ぎないんだと感じた。でも、ここ昭化は、このままであってほしいと思う。前回の楊くんは白目をむいた自分の顔を撮ってくれと言っていたが、今回も同じく白目をむいて大きく口を開けてポーズを撮る。でもちょっと大人になってしまったのか、ムービーで撮ってあげてると、お腹を出して『いや～ん』みたいなポーズをする。楊くん・・・何を見たんだ。「ねえちゃん。前は６月に来て、今回は１０月に来たから、これから半年ごとに遊びに来てね。半年経ったらまた来てね。」と言って楊くんと分かれた。そのあとは、昭化古城周辺に散らばる三国志遺跡を見に行った。費[ネ韋]墓は除草されており、下に落ちて割れたままだった碑も無くなって、きれいになっていた。そして、文化革命で壊された建物だけの武侯祠が、数日の雨のせいで斜めに傾いていて、”武侯祠”の看板も剥がれ落ちていて、ドアも無くなっていた。危険なのでそのうち壊されると思うのだが、どうか再建されることを願う。さあ！明日は長年待ち続けた牛頭山だ！姜維、まってろよー■□■□■国慶節遺跡めぐりの写真はこちらから■□■□■

  2005.10.04

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• 勉県遺跡めぐり

  ずっとパラパラと降っていた雨は上がったものの、道が悪いことは確実。そんな事を話しながら、勉県にある三国志遺跡をめぐった。朝、孔明の墓である武候墓に行った。勉県の観光地といえば”武候墓”と言われてるそうで、県城を走る公交車５路には『武候墓』と書かれたプレートが掲げられていた。初めての土地で、どこで降りれば良いのか分からない。そんな時は「武侯祠に行きたいんです」と誰かに言うと、皆が「着いたぞ！降りてあっちに行け！」と一番良い場所で降ろしてくれる。不親切なようで親切な中国。親切なようで不親切。武侯墓に着き、学生票を１５元で購入。団体客も来ていたし、次の遺跡探しに時間を喰いそうだったので、買っておいた線香を上げ、ざっと見て周るつもりだった。・・・でも、有名な場面を再現した人形などが置かれてあり、雨が上がった後の静かな雰囲気がとても良かったので、ゆっくりしてしまった。しかも・・・お土産（宝の山）が！！！トランプとか絵葉書とか人形とか。いろいろいろいろ。欲しいものを狙ってるかのように売られていて、使わないくせに切手と絵葉書を買ってしまいまちた。自分のためのお土産を大切にバッグに終い、歩いて定軍山へと向かった。ここは、魏と蜀の戦場になった場所。調べによると、山頂にはいくつかの遺跡があるようだ。ずっと降っていた雨で登ることが出来ないかもしれないと思いながら、道路の状況と下調べのために、行けるとこまで行ってみた。道を教えてくれたばぁちゃんによると、最近山の上に”廟”が出来たそう。この廟は、山の下からでも見ることが出来た。「まずは廟確認だ！」と、休み休み山に登った。廟では、たくさんの人が線香を上げに来ている。ちょっと信仰が厚い感じがしたが、祭られている人形の事を聞いてみた。・・・分からなかった。おばちゃんの「お粥を食べていけ」という言葉に甘えてお粥を食べたのだけど、本来は、お参りした人が食べるもののようだ。ただ食べるだけでは申し訳なかったので「では、ご飯を頂いたのでお参りしていきます」と言ったら、かなり本格的に参らされた。ここで時間を使ってしまったため、定軍山山頂は諦め、次の遺跡へと向かった。１４時半　３路の公交車に乗って武侯祠へ向かった。列車の中で会った勉県出身の女の子と武侯祠の前で再会。線香を上げて１時間ほど武侯祠を見て周り、他の遺跡へ行った。まずは三輪車タクシーで孔明読書台へと向かう。５分ほど走ったくらいで三輪車は止まった。見ると、右手の小高い丘の上に２つの碑が建っている。ものすごく感動している私達に、彼女は「ここからしか行けないの」と、畑の真ん中のまだぬかるんでいる細い道を軽快に降りて行った。その子は道が通れるかどうか、朝、下見に来てたみたいで、しかも「危ないから私がまず先に行くわ、大丈夫だったら呼ぶから動かないで」と、靴を泥だらけにして先頭を切ってくれた。何とかして碑の下まではたどり着けたものの、碑はさらに２ｍくらい高い丘に建っていた。ここまで来ると、何としてでも碑の前に行きたい・・・。登ろうとしたが、赤土で靴が滑って登れない・・・掴む物も、手が切れてしまいそうな草しかない・・・足を引っ掛ける石もなく、２歩目の足を置けば滑って下に戻ってしまう・・・む。『泥だらけになってもいい、降りれなくなってもいい、上に行きたい。』何回も滑りながら、とにかく必死になって赤土を登った。覚悟を決めれば登れるもんなんだなぁと思った。でも、降りるときに足を滑らせてお尻を着いてしまった。そして、読書台から１００ｍくらい先にある古陽平関へ。ここは公交車３路の終点でもあるのだけど、ここには昔からの関門がまだ少しだけ残っている。道路からは、２年ほど前に作られたといわれる関門が見える。その関門の上から、昔から残っている関門が見えるのだ。と言っても、高さ１．５ｍ、長さ２～３ｍの土の壁が２つあるだけ。それでも、昔の関門はどこからどこまで続いてたのかとか、敵はどこから攻めて来たのかとか、関門から見える景色を眺めながら時間の流れを感じることが出来た。１７時半　関門を後にし、馬超祠と墓へ。すでに門が閉まりかけていたのだが、女の子が交渉してくれて中へ入れてもらえた。しかも、３人で門票１枚４元。祠内はまだ作りかけの建物もあるから安いのだろうか。完成したらきっと、もっと高くなるだろう。連れの三国迷女は馬超大好きで、すごく感激していた。昨日買っておいた香り付きのちょっと高めの線香を上げてお参り。その後、裏にある墓を見に行った。墓にはタバコをお供えしていて、『日本も中国もタバコをお供えするんだぁ。しかも馬超にも・・・』なんてお供え物の共通点を発見しながら、馬超祠をあとにした。祠内には勉県周辺の遺跡を紹介している昔の資料もあった。連れの三国迷女ヤヨイは、墓の前に線香立てなどの台を寄付すると誓って帰った。そして最後、馬超祠の対面にある馬超墓碑と、そこから県城方向へ１００ｍちょっと行ったところにある、高さ２．５ｍくらいある孔明墓碑を見て、女の子と別れて３路のバスに乗り県城へと戻った。明日は広元市昭化鎮へ向かうため、広元行きのバスが通る県城の東側で宿をとった。この日の晩餐は、２人で大きな回転テーブルを囲んだ。明日は久々の昭化だ！■□■□■勉県の遺跡の写真はこちらから■□■□■

  2005.10.03

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• 漢中から勉県へ

  列車の中で会った漢中の女の子が８時半に迎えに来るということで、宿の近くで朝ご飯を済ませて彼女達と会った。彼女は年の離れた感じのお兄さんも連れて来ていた。まずは歩いて虎頭橋に向かった。ここは、反乱を起こした魏延が馬岱に斬られたとされる橋。元来の場所はどこなのかよく分からないけど、石碑関係は全てここに保管されている。行ったのが朝早すぎて、開門時間の１０時まで時間があったので、魏延の墓かもしれないとされる墓を探しに行った。調べによると、魏延墓は石馬坡小学校の中にあるそうだ。その小学校は虎頭橋から１０分くらいのところにあった。彼女達が管理人のおじさんに魏延墓を聞いてみたけど、「ない」そう。おじさんは現地訛りで話していたので何を言ってるか分からなかった。そして、市内バスに乗って古漢台へ向かった。ここは博物館みたいな感じで、出土した古いものなどが展示されている。彼女達は現地人だから５元で入場できるらしかったのだけど、現地人門票がなくなっており、一般客と同じ３０元払わなければいけないようだった。彼女達は、私達が見学し終わるまで外で待っておくと言っていたが、さっきの魏延墓を納得するまで探したいとの思いもあって、彼女達とそこで分かれて古漢台を見学した。古漢台では魏延墓の前に建っていた２匹の石馬が保管されているのだが、私達が行ったときは修復中で無かった。１５時　人民広場近くにあるバス站から勉県行きのバスに乗る。人を拾いながら行くのでとても遅い。１時間ちょっとかかって勉県に着いた。それでも６．５元ととても安い。勉県に着いて、公共バスに乗って木牛流馬処へ行った。ここは、諸葛亮孔明が兵糧を運ぶために仕掛けのある荷車を作らせた場所。奥さんが設計したらしいが、どんなものを作ったのかは、今でもはっきりしないそうだ。そのあと、勉県行きの公共バスに乗って途中下車し、劉備漢中王設壇処へ行った。ここは名前の通り、劉備が漢中王を宣言した場所だ。小さな農村の中にひっそりとあって、それでも立派に保護されている。おじいちゃんが祠まで連れて行ってくれ、鍵の管理をしているおじさんに電話をして「５元払うから開けてやれ」と交渉してくれた。嬉しそうな顔をしたじいちゃんばあちゃんや子供達が着いて来て、この祠を作るのにたくさんの日本人が寄付したことを教えてくれた。おばちゃんは「家でご飯を食べていけ」とまで言ってくれた。もう陽も暮れかけていたのもあって、おばちゃんの誘いを断り、皆と写真を撮って分かれた。利益以外に本当の”友好”に発展するといいなぁ。通りかかった公共バスに乗って勉県県城に戻り、一泊２５元のちょっと良さげなカビ臭くないホテルで宿を取った。服務員の態度の良さと、シャワーの作りに驚いた。さあ、明日は勉県周辺の遺跡めぐりだ！

  2005.10.02

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• 成都から漢中へ

  １０時半　成都発の列車に乗り込み、漢中へと向かった。中国では１０月１日から一週間、建国記念日のために休みになる。この国慶節を利用して巡る遺跡は、漢中市内にある遺跡と勉県周辺にある祠や墓、もし体力が残ってたら昭化古城へ行くという予定。今回の遺跡めぐりはこれまでと違って一人じゃない。この９月に四川大学へ留学に来た三国志遺跡めぐり迷女。ただの石碑を見るためだけに、あるかどうかも分からない物を探すことだけに、時間と体力とお金を使う人が身近にいるのはとても頼もしい。成都站から乗る人は街中で普通に見かける中国人だけど、列車が一駅過ぎるたびに、すごく大きな荷物を抱えた貧富の差を感じずにはいられない中国人が乗り込んでくる。数字を読めない人もいて、騒ぎながら自分の座席を探していた。自分達の向かいに座っている３人の若者たちも途中で降り、すぐに大きな荷物を抱えた人たちが乗ってきたらどうしよう・・・なんて考えていたけど、彼らも漢中まで行くようで安心した。一人は勉県出身、二人は漢中出身で、それぞれの遺跡の場所なども知っていて、私達を案内してくれると言ってくれた。知らない土地で下手に時間を費やすのもムダなので＆強引な誘いに断りきれずに、案内をお願いした。初対面の人に聞かれるような質問には何となく答えられるようになった私の中国語。これが、漢中出身の女の子には『中国語が話せる』と思われたのか、話好きなのか、ちょっと早口で難しい単語を使ってずっとずっと話し続ける。私達の疲れた顔を気にせず、話し続ける。「疲れてるから聞き取れないわ」と言う隙もない。いや。聞き取れてないのに「うんうん」という私が悪いだけか・・・２０時　予定通りの時間に漢中に着いた。漢中は雨がぱらついていたせいか、泊まった宿の布団がちょっとカビ臭かった。

  2005.10.01

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• 綿陽－富楽山・西山公園

  朝、眼が覚めたら雨音が聞こえる。雨の道路を走る車の音も聞こえる。昨日からの雨は、少し弱くなったもののまだ止んでいない。９時に宿泊所を出発し、牛乳を飲んで１２路のバスに乗って富楽山へ向かった。市内にあるため、１０分ほどで到着。富楽山には”富楽山公園”と”富楽堂”というバス停があり、富楽堂站で下車したほうが感動が大きいと思う。どちらも三国志を感じることは出来るのだけど、富楽堂から入ると黒くて大きくてカッコいい銅像が迎えてくれるのだ。私は、立派な入り口が迎えてくれる富楽山公園站で下車し、門票５元を買って入場した。階段をずっと登っていくと１つの亭があり、亭の屋根にはフ城の会の絵などが描かれている。一緒に階段を登っていた観光一家もその絵を指差して何やら言っていた。この人たちも三国志好きなんだろうと思うと、ちょっと嬉しい。きれいな池や建物を簡単に見て、三国志ワールドを求めて上へ上へと登って行った。五重塔が遠くに見える。車で入れるようになっているので、敷地が広くて道路も広い。足の痛みや疲れ、雨と良くない条件が重なっているので、歩いていてもあまり面白くない。さっきまで見えていた塔もどこにあるのか分からなくなった。すると、左に小さな道があった。その上には、土で作られた建物があったので、大きな道路から外れてその道を通った。草が茂っており、あまり人が通らなさそうな小道を登っていく。登るごとに道は険しくなり、ものすごい草でおおわれて気が付いたら獣道になっている。すると、１つの墓石を発見した。「おぉ、誰だ！？」と思って丘を登ったら『☆紅軍兵』なんて書かれていたので、すごく怖くなって逃げた。すると、いきなり視界が開けて、私を待っててくれたかのように劉備と孔明の像が目の前に現れた。綿陽のきれいな街も一望できる。五重塔も目の前にある。いつのまにか雨も止んでいる。気持ちいい風が吹いていた。五重塔内には、三国志エピソードの絵や像が展示されている。階を上がるごとに歴史も進んでいく。劉備が都からの督使への賄賂を拒んだ場面なんてのもある。呂布が貂蝉といちゃいちゃしてる後ろで董卓が怒ってたり、劉備の乗った「凶馬」と言われた馬が河を渡る場面もある。ずっと見て登ったが、ここの管理は良くない。窓ガラスは汚れており、説明牌も下に落ちてたりしている。私でよかったら掃除するのに・・・なんて思いながら、フ城会館へ向かった。途中、劉備とホウ統の像があったのだけれど、伸び放題の草木に囲まれており、葉が劉備の顔にかかっていて威厳もなにも無い。やはり、三国志遺跡めぐりには草刈り鎌が必要だ。フ城会館を見学し、五虎上将・蜀漢四英の像に感動して、次なる目的地、西山公園へ向かった。市内まで戻り４４路バスに乗り換え、西山公園へ。ここも市内なので１０分くらいで着くし、門票も２元だ。きちんと管理されていて綺麗なのに安い。蒋エン[王宛]の墓と祠があり、祠内には蜀の地図や古いお金、三国志の本、卓上サイズの黄金関羽像もあり、大矛や大薙刀も展示されている。祠の正面には蒋エンの大きな像が手を組んで迎えてくれている。そして、蒋エン墓へと向かった。入り口からは階段の先にある墓が見える。両脇に首の落ちた石像が並ぶ階段を登っていくと、ホウ統墓と同じくらい立派な墓がある。でも、お参りした跡はなかった。公園だから線香など上げたらいけないのだろうか。いや、見落としていただけかもしれない。１６時。西山公園をあとにして、成都行きのバスに乗った。今回の旅では、このまま昭化古城の牛頭山を目指すはずだったが、靴ズレが痛くて靴も濡れていたし、服も濡れていて替えがなかったので断念した。今度はもう少し高い雨合羽を持って行こうと思った。成都から羅江・綿陽の三国志遺跡めぐりは、ポイントだけ抑えるなら日帰り出来ると思います。

  2005.08.09

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• 徳陽－ホウ統（鳳雛）墓

  朝、少し寝坊して９時に家を出た。この日は、留学前から成都の情報をもらってて、この半年とてもお世話になった紅瓦寺さんが帰国の旅へ出る日だったので、見送りに北火車駅まで行く予定だった。けど、寝坊のおかげで見送りも間に合いなさそうだったので、電話で「下次見！」と見送った。９時。小雨が降っている。近所のバス停”九眼橋”から６０路に乗って、一時間ほどで昭覚寺汽車站に着いた。汽車站に着いてすぐにバスの切符を買って、バスの発車を待っていた。まずは、ホウ統墓を目指し徳陽市の羅江までの切符を買った。羅江行きのバスは４０分おきに出ているし、徳陽行きは１５分おきの発車だから、時間を気にしなくていいのが嬉しい。羅江・徳陽行きは高速しかないみたいで、高速を通るからか、バスの切符に保険が付けられる。保険と言っても１元だし、他の人も保険を付けていたので迷わず保険つきにした。１０時半に成都を出発、１２時には羅江に着いた。バスに乗る前に「白馬関で降ろしてください」と運転手に言ったので白馬関あたりで運転手が降りるかどうか聞いてきた。でも、高速から遠いのか近いのか、位置関係がまったく分からなかったので、羅江まで乗って行った。羅江に着いて、徳陽行きのバス白馬関下車の切符を買った。羅江から白馬関までは１１ｋｍくらい離れており２元で連れて行ってくれる。徳陽行きも５分おきに出ているので、待つこともなくバスに乗れる。バスに揺られていると、おじさんに「おい！いつ降りるんだ、もう白馬関だぞ！」と言われたのでバスを降りた。『こんな所で降ろされてどうしよう』なんて思ってたけど”ホウ統祠→”と書かれた大きな標識がきちんとあった。その道を２０分くらい歩いて行くと赤い壁の建物が見えた。「おぉ！これが・・・ホウ統祠かぁ？？？牛小屋になってるし。」赤い門の入り口は塞がれていて、数頭の牛が雨宿りしていた。ホウ統祠は、左のほうにある立派な門から入ることが出来る。１３時。こんな雨のなか外国人が来たということで、門番の人たちは何だか嬉しそう。１０元で門票を買って中へ入った。平日だからか雨だからか、観光客が一人もいない。入ってすぐ左に食事処があり、皆そこでトランプをやっている。ここは小さな公園みたいになっていて、墓あり祠あり演武場あり碑廊あり、牛小屋になっていた赤い門の内側は大きくてもハクのない張飛の像があった。観光客が私以外に誰もいないので、管理の目も厳しくない。大きなホウ統像に一礼して、柵を越えてホウ統と一緒に記念撮影をしてみた。あまりに嬉しかったのか２時間近く見学して、落鳳坡へ向かった。何もない道を歩く。靴が雨で濡れて、靴ズレが出来てしまって歩くのが辛い。それでも『蜀軍が通ったのはこの道かな』とか『どの山が[各隹]山かな』とかいろんな事を考えながら歩いていた。１５分くらい歩くと左側に”落鳳坡”と書かれた石碑が建っていた。ちょっと感動したのだけど、周りには何もなくて草木が茂っているだけ。・・・どうしよう。右側には”古驛道”なんて書かれた石碑が倒れて割れている。それ以外に何もない・・・墓は！！！？落鳳坡の石碑の左側に草で覆われた小道を見つけた。石が置かれているので道なんだろうけど、雨水が溜まってるし草で前が見えなくてどこに通じているのか分からない。『もっと下調べをしてくれば・・・』と思いながら進むと、いきなり目の前に立派なお墓が現れた。狂喜しながら墓を一周し、帰った。今度は晴れてるときに行って、線香をあげようと思う。祠の入り口の案内図には八卦陣の場所が書かれていたが、地元の人は「俺もどこだか知らない」と言っていた。バスの通る道まで戻るのに、来た道を戻った。途中、崖の上に”張飛照将台”という石碑を見つけた。羅江まで戻り、綿陽行きのバスのチケットを買う。綿陽行きは３０分おきくらいで１０元（保険付き）、最終は１７時３０分。１７時５０分、綿陽に到着。まだ雨は降っている。思ったより大きな街で、大きなデパートも一通りあり、道路も広くて成都みたいにゴミゴミしていない。空気も何となく澄んで感じて、とても住みやすそうな街だった。明日は、綿陽観光だ。

  2005.08.08

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• 昭化武侯祠

  宿屋の主人に勧められたとおりに、朝５時半に町の周りを散歩した。山と河と畑以外に特に何もなかったのだけど、朝早くから水牛を引いて畑仕事をする町の人々が見れた。この町は古い建物がそのまま残っていて、実際にそこで生活している人がたくさんいるのだけど、修繕無しでまだまだ住めそうなくらいしっかり造られている。せっかくここまで来て、町を見ないのは勿体無いので、今日は昭化の町を探検することにした。探索と言っても四川大学の体育館くらいの広さだから、すぐに見終わる。一通り写真を撮って、帰ろうかどうか考えていたところ、一人のおじいちゃんが来て「向こうにある石碑は見たか？費[示韋]の墓だぞ。」と教えてくれた。この費[示韋]墓はすでに昨日見たので「私はそれを見に来ました。」と言うと、「じゃあ、○○は見たか？費[示韋]墓の右側の壁にある。」と言っている。よく分からなかったけど、何かあるらしいので見に行った。すると、費[示韋]墓の手前に”武侯祠”と書かれたひどく古い建物があるのを見つけた。扉には鍵がかけられていて、祠内には何もないそうだ。それでも中を見てみたくて、壊れかかった扉を手で押してみたら、扉が崩れそうになった。「中国共産党参上」みたいな文字が書かれていたので、中にあった碑や像はすでに壊されて無いのかもしれない。けど、祠がきちんと残っているという事は、もしかしたら・・・もっと勉強して、今度は武侯祠について聞きに行こうと思う。もう少しここに居たい気持ちを抑えて広元駅へと向かった。待合室で待っていたら、折りたたみ自転車に視線が集まる。隣に座っていた男の子が自転車を指差して何か言ってきたけど、四川語だったので聞き取れず、質問の想像も出来なかった。「私、中国人じゃないんです。も少しゆっくり話してください」と言うと、すごく驚いていた。またまたありがたいことに、この彼も自転車を運ぶのを手伝ってくれ、しかも「俺の車両の席が空いてるから、あっちに行かないか？」と、旅の相手をしてくれた。この彼は航空学院に通ってる学生で、日本に少し興味を持っていたようだ。「サヨナラはありがとうの意味か？」とか「バカヤロゥとかコンバンハーとか知ってるぞ」なんて話をして、和やかな時間を過ごせた。火車が成都に到着したと同時に「勉強頑張るぞ！」という気持ちと、少し残念な気持ちになった。満天の星空を毎日見ることが出来たら・・・成都は緑が多いけど、空気が汚れている。

  2005.06.12

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• 昭化古城へ

  朝８時。出発の準備をしていたら、ドアの鍵を外から開ける音が・・・ドアが開いて顔を出したのは宿主のおじちゃんで「もう朝だよ～起きたかぃ？」なんて言ってる。「おまえ、ノックしろよ！勝手に開けるなよ！」と心の中で叫んだ。昭化古城へはどう行くのかは知らないので、とりあえず火車駅近くのバス駅へ行ってみた。たくさんの行き先と時間が書かれている看板を見ていたら、ベンチに座って話をしているお兄さんが「どこに行くんだ？」と聞いてきた。「昭化古城に行きたいんです、バスはどこから出ていますか？」と聞くと、「火車駅前の橋を渡って右にずっと行ったところにある”河南バス駅”から出てる。」と教えてくれた。折りたたみ自転車を広げて広元の街を走る。思ったより大きな街で、高級マンション街もある。火車駅から１０分ほど走ったところにあるのが河南バス駅だ。広元から昭化古城までのバス代は７元、時間だって６時～１８時まで３０分おきくらいで出発している。直接行くことが出来なかった以前に比べると、すごく便利になった。高速をビュンビュン飛ばして、バスは３０分ほどで昭化古城の門の前に着いた。門の前で「あぁ・・・これだ。これを見たかったんだ・・・」と耽りつつも、早々と宿を探しに行った。近代的な旅館もあれば、四合院（伝統的な建物）を宿にしているところもある。四合院宿にはシャワーが付いてないのだけれど、近所にシャワーがあるみたいだったので四合院に泊まることにした。部屋は一番奥にあり、ベッドとテレビ、椅子しか置かれていない簡単な部屋だ。けど、この町の雰囲気にすごく合う。これで自分の部屋に、冷暖房・冷蔵庫・シャワートイレ、全部そろっていたら勿体無ささえ感じるくらいだ。とりあえず荷物を降ろし、初めの目的地”牛頭山”へと向かった。この牛頭山には、私の好きな三国志の武将にちなんだ遺跡がある。山を見たら登りたくなるのもあって、かなり気合を入れていた。町の人に牛頭山の場所を聞くと「あっちに見える高いのがそうだ」と教えてくれた。はるか向こうには、独特の形をした山頂の山が見える。道にたくさん落ちている水牛のフンを上手に避けながら、ずっと進んでいった。道路が砂利道に変わったくらいで、どこから登ればいいのか通りかかった人に聞いてみると、「ここら辺どこでもいい」と言う。確かに登れるような道はあるんだけど、何か遠いような気がする・・・けど、とりあえず登ることにした。途中、道がなくなったり獣道を通ったり、山の中にある家にたどり着いたりしながら１時間くらい登っただろうか。見たこともない草木に囲まれ、牛頭山の山頂がどの方向か分からなくなり、今まで道と思っていた道がすでに道じゃなくなってて、山の下に見えていた河も見えなくなっていた。蜂の飛ぶ音を近くに聞きながら、とにかく急いで下山した。とっくに昼も過ぎていたので、山登りは諦めて、違う遺跡を見に行くことにした。夜、宿に帰り、宿屋の主人にシャワー場まで連れて行ってもらった。「この人、日本人だから普通語でゆっくり喋ってやって」と心使いを頂いて、シャワー屋の主人に渡された。広元の旅館のシャワーは水しか出なかったので、広元より田舎の昭化はどんなシャワーなのかと心配していたが、留学生宿舎のものよりも少し快適だった。帰りは途中まで見送ってもらいながら、少し話をした。私の言った事が通じてるかどうかは分からないけど、そこの主人はとても接しやすい。歓迎しすぎないし、質問攻めもないし、ガツガツしてないし、冷たくもない。ここの主人と言うより、この町の人ほとんどがそんな感じだった。自分達のリズムをしっかり持っていて、誰も崩せないような気がする。シャワー屋の主人と別れ、満天の星空の町を散歩した。成都では、どんなに晴れて月が綺麗に見えてても星が一つしか見えない。でも、昭化では空いっぱいの星が見える。たくさんの星を見て、昭化の人に出会って、中国の人、料理、空気、買い物などで荒んだ心が洗われた感じだ。明日は朝早く起きて、綺麗な空気をたくさん吸いに行こう。

  2005.06.11

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• 成都から広元へ

  どうしても旅に出たくなり、日本にいる時からずっと行きたかった四川省広元市の昭化古城へ行ってきました。広元にある三国志遺跡をどのようにめぐるか・・・時間は一週間しかない。昭化古城は絶対に外せない・・・２００３年の秋、こんな事を必死で考えていた。前年にサーズが流行していて、今年のサーズの動きがどうなるのか分からなかったので旅行を延期したのだが、まさか、自分がこの地に留学することになるとは考えてもいなかった。授業が終わって家に帰り、荷物を整えて折りたたみ自転車を持って出発。１９：３０発の火車の切符を買い、改札を抜けて自分の乗る火車へと向かう。自転車を運んでいたら大学生くらいの男性が心配そうに見ていたので、少しオーバーに重そうにしてみた。すると、やはり手伝ってくれた。「軽いから大丈夫よ！」なんて言いながら更に重そうにしてみたり・・・私の座る座席へ行ってみると、すでに中国人民でいっぱいになっている。「げ・・・怖い。これに６時間か。」と思っていたのだけど、その手伝ってくれた彼が座席を替えてくれるように車掌さんに頼んでくれ、空いてる車両に座ることができた。その手伝ってくれた彼とは途中で別れ、仮眠を取る私を乗せて火車は進んだ。広元に着いたのは深夜１時過ぎ。初めての街だし、夜遅かったということもあったので、火車駅近くの宿を借りた。私の泊まった旅館はお湯の出ないシャワー、汚いトイレ付き、何となく綺麗じゃない二人部屋で３０元。蚊やネズミ、ゴキブリや泥棒に怯えながら眠った。明日はいよいよ昭化古城だ。

  2005.06.10

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• 黄忠墓へ再挑戦

  成都市内の西側にある黄忠村に「黄忠の墓石がある」との情報を手に入れたので、また行ってきました。しかも、土曜日曜と２日間がかりの計画を立てました。中国語のページで検索をかけたり、色んなところから情報を手に入れたので、何を頼りに探すかはもう完璧です。見つけて喜ぶ姿さえ浮かんできます。土曜日。朝から晴れていて、士気高々と家を出発し老南門大橋の上で「黄忠の墓探しもこの橋から始まる」と呟いて黄忠村へ出陣しました。四川大学から黄忠村まで自転車では１時間ほどで着きます。ガレキしかない”黄忠村”と思われる場所の隣のお茶屋さんで、またおじいちゃんに「鶏矢樹はどこですか？」と聞いてみました。やはり、おじいちゃんは工事中の壁で囲まれたガレキを指差して「この壁の中じゃ」と言っています。「間違いない・・・やっぱりココだ！」と、自転車を止めさせてもらい、ガレキの中へ入っていきました。ガレキの中には３～４軒の半壊した家があるだけです。歩き彷徨っていると、片腕しか袖を通してない一人の男の人が遠目からゆっくり追いかけてきます。無視していたのですが、だんだん近づいてきたので怖くなって帰りました。そして、日曜日。敗因のひとつに、「老南門大橋で宴会をしなかった事」があるのではないかと思って、今日は橋の上で朝ごはんを食べました。食べていると、橋の上にいた”背広にブリーフ”姿のおっさんが来て、何か言っています。無視していたのですが、だんだん近づいてきたので怖くなって逃げました。出だしからつまづいてます。昨日発見したのですが、ガレキの中にある一軒の家に”黄忠村”の番地が書かれている家がありました。「黄忠村はココに違いない！」と分かっただけでとても嬉しいです。ここは取り壊しの取り消し通知が出ているようでした。今日は黄忠村周辺を中心に探しました。黄忠小区は都市開発が進んでおり、隙間もないほどマンションが建っており、この開発もまだまだ広がるようです。付近には墓らしきものもなければ、古い家だってありません。墓石は”度暇村”の近くだと聞いたので、またおじいちゃんに「度暇村はどこですか？」と聞いたのですが、やはり「壁の中じゃ」との事でした。以前はあったけど取り壊されたそうです。それを聞いて、探すのを中断しました。このガレキの中にはないと思います。いや、あるかもしれない・・・何かの下敷きになってるのかも・・・けど、たぶん、誰かが保管していて、この黄忠村の開発が整った時点で再建するのではなかろうか。と思います。そのために一軒だけ家を残しているのかもしれません。とにかく、期待して待っておこうと思います。

  2005.05.22

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• 黄忠小区

  三国志時代の蜀の国に、黄忠という一人の老いた武将がいました。老いても弓の腕前は健在で、死に方もカッコ良かったと記憶しています。成都に着いたときに買った成都市内の地図を見ていたら、市内の北西方向に”黄忠”という地名があるのを発見しました。「きっと何かあるに違いない！」と思ってたのですが、よく見ている三国志遺跡めぐりのサイトに掲載されていました。そのサイトには「文化革命で壊された」との情報があったのですが、自分で行ってみたいと思ってたので、ゴールデンウィーク最終日である今日、ずっと行きたかった”黄忠村”へ行ってきました。語学力がないので何も分からずに帰ってくるだろうと思ってたのですが、２日に杜甫草堂へ一緒に行った中国人の友達も一緒に行くことになりました。自力でなく、他力です。バスを乗り継ぎ、黄忠路口で降ります。市内の地図に”●黄忠”とあったので、とりあえずその場所を目指しました。黄忠路という看板が目に入ったので、その細い道を歩きました。その道には家も何もなく、マンションの壁や柵だけでした。ただ、”黄忠小区管理事務所”という建物があるだけでした。そこにいた人に「黄忠の石碑などはないか」と聞い（てもらっ）たのですが、黄忠小区には外から引っ越してきた人が多く、昔から住んでいた人は違う場所に引っ越してしまったそうです。そこにいた人達も外から引っ越してきた人ばかりで、聞いたことがないと言っていました。でも「黄忠団地には地元の人がいるかもしれない」と教えてくれたので、その近くで老人を探して聞き込みをし（てもらい）ました。黄忠の石碑があったとされる場所付近は、開発のためにガレキの山です。マンションが多いため老人も見つからず、二人して「帰ろうか・・・」と話していたのですが、そのガレキの山の隣の茶店で、たくさんの老人がマージャンをやっていました。「聞いてみよう！」と、一番歳をとってそうな方に聞いてみました。ある一人のおじいちゃんが、ずっと昔からココに住んでいる方で、たくさんの事を教えてくれました。黄忠がココに住んでいたことは確かです！そのおじいちゃんは「若い人がこうやって歴史に関心を持って探しにくるのは、本当に嬉しい」と言っていました。また行って、今度は自力でおじいちゃんに話しかけてみたいと思います。会話はムリそうです・・・

  2005.05.07

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• 自転車の旅～趙雲子龍祠

  前々日からのお尻の痛さはあまり取れていません。でも、想像していたホテルよりずっと良いところに泊まる事ができたので、だいぶマシだったのでしょう。今日は、チョンライから大邑を通って成都に帰るルートです。この大邑ですが、三国志関係の遺跡があります。来る前に調べていれば良かったのですが、大邑に行くとは思ってなかったので、調べていませんでした。なので、へんしゅうちょうに電話してだいたいの場所を教えてもらいました。７：１５　　チョンライ【ェβ】【山来】を出発　美味しい焼き饅頭を朝ごはんとして食べる。　すぐ高速道路に入り、高速沿いを延々と走る。９：１５　　大邑到着１０：００　静恵山公園に入り、趙雲の墓に線香をあげる１２：００　大邑を出発１３：３０　崇州で休憩１７：００　成都市を周っている（未来の）五環路に入る１８：２０　三環路に入る１９：２０　紅瓦寺さんの家の近くにてビールで乾杯！なにかあったかと言われれば、今日もやっぱり「自転車をこいだ」だけなのですが・・・キツイ便所でもけっこう大丈夫になったり。大邑に入ったとたん「趙雲～」と言いながら、いきなり元気になったり。紅瓦寺さんがトラックの積荷にぶつけられて溝に落ちそうになったり。（未来の）五環路を三環路と間違えて喜びそうになったり。疲れ果てて会話もなかったり。とにかく、ビールが美味しかった。

  2005.05.06

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• 劉備墓

  先日の中日交流会で、黄龍溪へ行ったときに見た”劉備墓”の看板が忘れられず、行ってみました。ずっとずっと「劉備というのは、あの劉備か」とか「由来もないニセモノか」とか色々考えていたのですが、ある三国志遺跡めぐりのサイトにすでに掲載されており、どうやら皇帝の墓であることは間違いないそうなのです。折りたたみ自転車を持って新南門から黄龍溪行きのバスに乗りました。バスに自転車を乗せるのに、費用が３元かかり、黄龍溪には１時間もしないで到着します。到着後、古鎮には入らずそのまま自転車を広げて劉備墓へ向かいました。子鎮から５分くらい走ると”劉備墓”の看板がありました。「おぉ！これだ、これ」と思ったのですが、看板の空きスペースには電話番号がかかれてたり、看板の目の前でタバコを売ってたりしてて、何とも言えません。村の入り口から１５分くらい進んだあたりで、ひとつの山が見えました。黄土を盛り上げただけなのですが、墓にしてはかなり大きなものです。自転車をとめてその山へ向かいました。墓の入り口には「劉備墓開発是蓮花村人民的一件大事！」と書かれた幕がありました。山の頂上と下のほうの土の色が少し違っていて、増やされた感じです。墓の前で一礼をして、グルっと周囲を回りました。裏側に行くと足跡で出来た道があったので、「劉備ごめんなさい」と思いながら登ってみました。頂上からは周りの風景が見渡せ、とても気持ちの良い風が吹いていました。劉備が愛したであろう田畑も広がっています。車の音も聞こえてきません。動物の鳴く声と、土の匂いがしてきます。劉備はきっと、こっちの方が落ち着くだろうなぁ・・・なんて思いました。帰る前に探検しようと思い、民家のほうへ行ったら、おばちゃんに怒られました。「私は劉備が好きなんです」とか「ここは綺麗な景色だから散歩してたんです」なんて言ってたら、「そうなの！好きに散歩して良いわよ」と言われ、そのおばちゃんの子供２人が近くを案内してくれました。その女の子曰く「ここら辺の墓は全部ニセモノだけど、この墓は本物よ」だそうです。いろいろ案内してもらい、最後にまた墓の頂上に行ったのですが、下のほうから「よーい、よーい」と声がしてきて、おじいちゃんがスゴイ速さで走ってきました。怖かったので下に降りたのですが、「５元」とか何とか言っています。でも女の子が「この人は日本人なの」というと、おじいちゃんはすごく笑顔になり、言葉も出ないような感じで私の肩をちょぃと触りました。「帰る前に、ここからの風景を見ていけ」と言うような感じで左右を指差してました。おじいちゃんと女の子と別れ、４～５時間かけて自転車で成都まで帰りました。お尻が割れそうに痛かったです。

  2005.05.04

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